【ザ・ヴァーティゴ・グレイト・エクスペリエンス】後編

◇気づいていなかったか?あなたはすでに年末年始ニンジャまつり空間の中にいるということに◇
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010100111 @the_v_njslyr

反キウイフルーツは脈打ちながら、ザ・ヴァーティゴの掌中へ、ゆっくりと近づき始めた。世界が軋み、悲鳴を上げ始めた……!

2014-12-30 00:39:52
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一方、ビーム閃く中をジグザグに飛行するのは、アンクル・ストマックが操舵する宇宙船である!ウエスギとイビルヤモトは宇宙船の背に並び立ち、飛び移ってくる風魔忍者達と丁々発止の白兵戦を繰り広げていた!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」

2014-12-30 00:41:50
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「本当に操縦するのだね」ウィルキンソンがアンクル・ストマックに呼びかける。「タフな海の男は危険と隣り合わせよ」ストマックは剥き出しの肩に筋肉を浮かび上がらせた。「ライバル漁船……相場……経営……人生の全てが海にある」「どうしよう!どうしよう!」ブロンディはエアロバイクを漕ぐ!

2014-12-30 00:46:15
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「イヤーッ!」「グワーッ!」イビルヤモトのドリルメリケンサックが最後の風魔忍者の顔面を破砕し、船上から振り落とした。「ふせろ!突入するぞ」ウエスギが叫び、うつ伏せになった。イビルヤモトもそれにならう。眼前に邪悪で禍々しいギョーム将軍の母艦!横腹に体当たりだ!KRAAAASH!

2014-12-30 00:48:53
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パオーウー……パオーウー……警報鳴り響く禍々しい母艦の通路を走る旅の仲間たち!「ブリッツクリーグ!」「ナハトイェーガー!」時空ナチス兵がライフルを構えて立ちはだかる!先頭のウエスギが走りながらオーバーテクノロジー拳銃を構える。POWPOWPOW!「アバーッ!」爆発溶解死!

2014-12-30 00:51:52
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「短期チャージが必要だ」ウエスギは列の後方に下がった。代わりに前に出るのはイビルヤモトとブロンディだ!「ハルト!」「フォルコロンブロート!」「イヤーッ!」「アバーッ!」イビルヤモトのパンチが左ナチスを顔面破砕!「イヤーッ!」「アバーッ!」ブロンディの蹴りが右ナチスの股間を破砕!

2014-12-30 00:59:20
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「シュナイヒナイヒ!」物陰から飛び出した時空ナチス兵の銃剣がブロンディの胸元を払う!「ウワーッ!」アッ!ブロンディの水着が破れ、これは大変!SPLAASH……丁度エアダクトから白い蒸気が吹き出し、結局見えなかった。「ウラーッ!」ストマックが時空ナチスをヘッドロック!気絶させる!

2014-12-30 01:03:52
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「こっちだよ!アタシャわかるんだ」マディソンおばあちゃんが進み出る。「アタシの勘に間違いはないよ!」「ビーボッボボー」ガン・ドーが副腕を伸ばし、おばあちゃんの服を掴んだ。「よせ」「おやまあ!」数センチ前にダストシュートの縦穴だ!ガン・ドーは壁にハッキング船内図を投射!「こっちだ」

2014-12-30 01:10:47
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「シュツルムウントドランク!」「ジャイガンティーヒ!」「コップフツェルブレッヒェン!」時空ナチスが続々現れる!イビルヤモトが、ストマックが、ブロンディが、ウエスギがカラテで応戦!もはや大乱闘だ。ウィルキンソンは犬を小脇に抱え、頭を撫でている。「大変なことだ」「ウー」

2014-12-30 01:15:34
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次々に障害を突破する旅の仲間たち!「ビーボッバボー」ガン・ドーが警告した。『罠多数』のホログラムと、赤外線スキャナー表示。閉口するウィルキンソンの腕から犬が降り立ち、赤外線スキャナーをくぐりながら進む。犬は一同を振り返った。「私がどうにかしよう」「喋るのか」とガン・ドー。

2014-12-30 01:19:19
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「やっぱりチキンナゲットだ」イビルヤモトが言った。「ほんとに喋れるんだ!」「ザ・ヴァーティゴ君には秘密にしておいてくれたまえ」犬はハッハッと息を吐いた。「ショックを受けるだろうから。私なりの事情と目的から、時折彼をこうして観察するのだ」犬は奥のボタンを踏んだ。扉が開いた!

2014-12-30 01:22:14
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ガゴンプシュー……おお、そこは艦橋ではないか!「バカな!」通常の人類の二倍は大きい恐るべき男が玉座から身を浮かせた。ギョーム将軍である!「ナイン!」その傍ら、身を固くしてブロンディを見たのはデジー・シュタッデルマイヤー!「アーッ!」ブロンディが指差す!「ナチスだ!悪いやつだよ!」

2014-12-30 01:25:27
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「かかれ!」ギョーム将軍が拳をわななかせた。親衛隊が一斉に襲いかかる!「イヤーッ!」ウエスギが回転しながら飛び出し、ヒート剣で彼らをバラバラに切り裂く!「「アバーッ!」」POWPOWPOW!回転着地しながらオーバーテクノロジー銃で残る親衛隊を全員爆発溶解殺!「「アバーッ!」」

2014-12-30 01:29:44
010100111 @the_v_njslyr

「結末は動かしがたいようだぞ」犬を小脇に抱えたウィルキンソンがギョーム将軍に言った。ギョーム将軍は肩を震わせた。屈辱にではない。笑っているのだ。「全く予想外だ……これほどの使い手が現れるとは。結末は動かしがたい」将軍はやおら両手を高く掲げた!「イヤーッ!」「「「グワーッ!」」」

2014-12-30 01:34:32
010100111 @the_v_njslyr

突如、艦橋内の重力が十倍にも増したように感じられた!その場に居るギョーム将軍以外の全ての者が床に打ち倒され、圧しつけられた。「年寄りになんてことするんだい!」マディソンおばあちゃんが訴えた。ブロンディはおっぱいがクッションに!?「ゲネラル!何故私までもが」デジーが呻く。「黙れ!」

2014-12-30 01:36:45
010100111 @the_v_njslyr

「おのれ……」ウエスギでさえその力に抗することかなわず!これがギョーム将軍のネンリキ・ジツの力だ。彼は無限に転生しながらザ・ヴァーティゴと戦い続ける定め。それゆえザ・ヴァーティゴと同等の力を持つ事も実際多い!場合によってはそれ以上の力を!「私を止められるのは宇宙的事象だけだ!」

2014-12-30 01:40:10
010100111 @the_v_njslyr

『その宇宙的事象ってやつを』エーテルの海に雄々しい声が轟いた。『叩きつけてやろうじゃねえかよ!』「ムムゥー……?」ギョーム将軍はエーテルガラスの外を振り返った。そして眉根を寄せた。バラバラバラバラ……この音は何だ?エーテルの海に響き渡るこのノイズは……ヘリコプターのローター音!?

2014-12-30 01:43:53
010100111 @the_v_njslyr

「バカな……ヘリコプターだとでも言うのか?物理的にそんな事は不可能……」『こっちを見ろ!ギョーム将軍!』バラバラバラバラ……おお、なんたることか!エーテルガラスの外、視界内に浮上してきたのは本当にヘリコプター!否、単なるヘリコプターではない!なぜならそれは、殺人ヘルコプター!

2014-12-30 01:47:04
010100111 @the_v_njslyr

「反キウイフルーツはここにある」操縦席のザ・ヴァーティゴが、手の中で緑に脈打つ果実を示した。「悪いが、お前は間に合わなかったんだよ。ギョーム将軍。こいつは俺が責任を持って次元マンゴーと釣り合いのとれた状態に固定するつもりだ。お前の野望は終わったんだ」「なぜヘリコプターが……?」

2014-12-30 01:52:29
010100111 @the_v_njslyr

「次元の釣り合いが取れた時、こうしたノイズが残る。必要悪として」ザ・ヴァーティゴは謎めいて言う。そしてミサイル発射ボタンを押した。BOOOM……SMAAASH!艦橋ガラスが破砕!そばに立っていたギョーム将軍とデジー・シュタッデルマイヤーはエーテルの中に吸いだされた!「ウワーッ!」

2014-12-30 01:56:23
010100111 @the_v_njslyr

藻掻くギョーム将軍とデジー・シュタッデルマイヤー!バラバラバラバラ……殺人ヘルコプターのローターが迫る!心臓の弱い方は目を背けていただきたい!「貴様……このような……グギャアアー!」殺人ヘルコプターのローターが、ギョーム将軍を貪り食った!殺人ヘルコプターから逃れるすべはない……!

2014-12-30 01:59:51
010100111 @the_v_njslyr

そして次に、殺人ヘルコプターはデジー・シュタッデルマイヤーを襲う!「アーン!ペインリーッヒ!」軍服がズタズタに裂けると、デジーは恥ずかしそう手で隠しながら、エーテルの海を飛び去ってゆく!そして、見よ、飛び去ってゆくのはデジーだけではない!将軍の艦隊が……星々が……世界が!

2014-12-30 02:02:27
010100111 @the_v_njslyr

混沌の諸次元の収束が始まろうとしている!全てが流れ去り、旅の仲間たちが宙に投げ出される。ザ・ヴァーティゴは殺人ヘルコプターを逃れ、宇宙船にしがみつく。そしてイビルヤモトが、ウエスギが、ウィルキンソンが、マディソンおばあちゃんが、ブロンディが、ガン・ドーが、犬が、ストマックが!

2014-12-30 02:07:15
010100111 @the_v_njslyr

「さあ。世界の収束はあっという間だ」ザ・ヴァーティゴは皆を振り返り、点呼を取った。操舵室へ踏み込むと、操縦席のザザが一同を振り返った。「然り。これで終わりだ」「公爵はどうなった」「存在を根絶するには多少時間が足りなかったが、充分だろう」「……まあ、同感だよ」

2014-12-30 02:10:59
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「これから皆を、元いた世界に帰すわけだ」ザ・ヴァーティゴは皆を見た。「その……いろいろ巻き込んじまって悪かった。でも、本当楽しかったよな。礼を言いたい」「元カノにも会えたしね!」イビルヤモトが言った。「シャーラップ!」ザ・ヴァーティゴが遮った。「それに俺は会えてない。不正確だ!」

2014-12-30 02:12:45
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