ケルトの笛屋さんの「伝統音楽とは何か」

ケルトの笛屋さんが、伝統音楽について呟いていたのでまとめました。 過去にツイッターで連ツイしている内容は、ケルトの笛屋さんのHPの「店長の与太話」に加筆・推敲されたものが再録されています。http://celtnofue.com/index.html
3
ケルトの笛屋さん @celtnofue

一年を振り返る時間帯になってきましたね〜。今年中に「スヴェスター&ヨーラン」コンサートで思いついたピアノネタを連ツイしたいと思っています。クラシック奏法のピアノを伝統音楽で弾く意味についての考察?長くなるか、オチないかのどちらかになると思いますが…苦笑

2014-12-30 22:14:42
ケルトの笛屋さん @celtnofue

伝統音楽にクラシカルな奏法でグランドピアノが参加しているスヴェスターのコンサートを見て、思いついたことをノープランで語らせていただきます。例によって長くなるかもしれませんが、お時間のある方はお付き合いくださいm(_ _)m pic.twitter.com/BwXT6Wc0tI

2014-12-31 16:59:06
拡大
ケルトの笛屋さん @celtnofue

まずはじめに「伝統音楽」とは何かを考えてみたいと思います。例えば「昔からそこにはAはあります。でも誰もAの存在を特別だとは思っていません。でもある時Bが現れました。Bはとても存在感のあるもので、その結果、人々は昔からそこにあったAに"初めて"気づいたのです」というお話。

2014-12-31 17:02:44
ケルトの笛屋さん @celtnofue

この場合のAが伝統音楽、そしてBがクラシック音楽になります。伝統音楽の起源は遡ることができないぐらい古いものです。それは人類がが音楽を愛でるようになったのはいつ?ぐらい難しい問題です。元々コワイ野生動物より身体的に劣る人類が、音を使って獣避けをしたのが始まりと考えられています。

2014-12-31 17:05:53
ケルトの笛屋さん @celtnofue

「伝統音楽とは何か」という問いですが、言い換えて「伝統音楽とは何ではないか」と考えるとわかりやすいです。答えは明確「伝統音楽とはクラシック音楽ではないもの」です。そもそもクラシック音楽の方が明らかに後発組です。元は神様への愛を表現する音楽だったものが、次第に王様に変わりました。

2014-12-31 17:08:53
ケルトの笛屋さん @celtnofue

王様とか宮廷の歴史なんてのは人類史に比べたら、まだまだ新しい概念です。が、ここが面白いところですが、クラシックが現れ、大陸中を席巻したことで、はじめて自分たちの地元で愛されている音楽が「自分たちの音楽だったんだ」と気づいたんです。ずっと前からあるのに、遅れをとる形で認識されます。

2014-12-31 17:11:30
ケルトの笛屋さん @celtnofue

クラシックが体系化されていくと、それを真似る形で自分たちの音楽を体系化してみる、クラシックが楽器についてタイトな要求をし、それに応える形で楽器は洗練されていきました。そういった作業を伝統音楽はしていなかったので「洗練された楽器を伝統音楽でも使いましょうか」となる。

2014-12-31 17:13:55
ケルトの笛屋さん @celtnofue

そんな感じで、後発組(B)の存在が光だとすると、それに照らされた影を見つけて「おお、自分たちの音楽がちゃんとあったんだ」と思う。と同時に、クラシックに侵略されてなるものかと、Aも光を放ち始める、ようなイメージです。だから後発組の後手に回ってしまうわけですね。

2014-12-31 17:16:22
ケルトの笛屋さん @celtnofue

そもそも、この2つは存在目的が違います。クラシックは王様なりに「献上する音楽」として発展し洗練されていきましたが、伝統音楽は「(自分たちが)演奏する音楽」として構築されていたわけです。もしBが現れなければ、もしかすると伝統音楽が変容して洗練されていたかもしれません。

2014-12-31 17:18:49
ケルトの笛屋さん @celtnofue

でも「クラシック音楽」というライバルが現れたことで、大きく運命は変わりました。それが「伝統音楽はクラシックではない」という根本的な意識が芽生えたことです。反対も然りです。「クラシックはイモっぽい音楽なんかじゃ絶対にない」という潜在意識を持っていますから、悉く半目しました。

2014-12-31 17:21:04
ケルトの笛屋さん @celtnofue

別にケンカした、とかそういうわけじゃなくて、体系立てて考え始めた時に伝統音楽とは真逆の方法論を採用し続けたということです。その結果だけ見ても、十分にその意識は現代にまで伝わっています。クラシック音楽の強みは国境を超えて有効であったことです。なので当時は敵なしの状態になりました。

2014-12-31 17:23:44
ケルトの笛屋さん @celtnofue

余裕が出てくると交響曲に地域音楽を混ぜたり、オマージュのように使ったり、といったことも盛んに行われるようになりました。それは"クラシック音楽という文脈で伝統音楽の一部を使う"ことで、聴いている人たちに「ああ、これは伝統音楽じゃないんだな」と強く意識させる効果がありました。

2014-12-31 17:25:50
ケルトの笛屋さん @celtnofue

その点、伝統音楽はのんきというか牧歌的です。元々がそういう性質だったのに、クラシックが精密な要請を過激化させたもんだから、それに反抗して、さらにゆるく、ゆるくなっていくわけです。もちろん今のゆるキャラみたいに「ゆるさ」を狙ったわけじゃないでしょうが、構造的には不可避でした。

2014-12-31 17:30:35
ケルトの笛屋さん @celtnofue

やばい、今回はノープランすぎて続きが思い浮かばない。汗

2014-12-31 17:32:37
ケルトの笛屋さん @celtnofue

世紀の発明「活版印刷」が田舎すぎて伝わらなかった、というのは実際は疑わしいところです。文化が伝わらない理由はいつだって一つ、それは受け皿側の人が「そんなもの必要ない」と意識的に拒否する、ということです。楽譜に指示を書いて、その通りに弾いてくれなんて嫌だ!という拒否。笑

2014-12-31 17:37:17
ケルトの笛屋さん @celtnofue

なんかまとまりに欠ける文章になっていますが、そういった理由で伝統音楽とクラシックは意識的に反目した体系作りを何世紀も続けてきたと思います。「ある・なしクイズ」みたいに。それでも、良い楽器、クラシックにとっては音程が良く、協調性があり、音量の調節できる楽器ができたことも事実。

2014-12-31 17:38:58
ケルトの笛屋さん @celtnofue

そこで、そんな良い楽器(きっと基準は音量と価格)は取り入れて、わざとピッチを狂わしたり、倍音(基音の音程は正しいまま、倍音のピッチ)をいじることで「クラシックじゃない感」を出したんじゃないのかな、と想像するわけです。さてそろそろネタが切れてきたので、まとめに入ります。

2014-12-31 17:42:01
ケルトの笛屋さん @celtnofue

伝統音楽は今でいうツイッターみたいな役割も果たしていました。体制への反抗や理不尽な現実、許せないことを詩として歌に乗せて、ご近所さん・村・町・州に広める役割を担っていました。そんな反体制の心理に「クラシック」は象徴的な存在だったんじゃないかと思います。そんな下地のある伝統音楽。

2014-12-31 17:45:19
ケルトの笛屋さん @celtnofue

やっと戻ってきました。「グランドピアノをクラシカルな演奏で伝統音楽内で演奏する」意味です。それは完全にクラシックの環境・状況・奏法をピアニストという存在に託すことで、クラシックとの違いがより顕著に感じられる、伝統音楽の特異性をより強調できる、そんな意味があると思うのです。

2014-12-31 17:48:17
ケルトの笛屋さん @celtnofue

@kmauiupopo すみません、西洋音楽限定の話でした。先に書いておけばよかったです(^^;) でも、中国という巨大な国の影響に対する日本伝統音楽の発展や推移は調べてみると、絶対に面白いと思いますので、一度調べたいと思います!

2014-12-31 17:50:27
ケルトの笛屋さん @celtnofue

良い例えが思い浮かびませんが、お寺でケルティックウーマンのコンサートを開催するなんてのは、そういった「いつもと違うぞ」効果を期待しているものじゃないかと思います。AとBの反目は、何も構造的なものだけではありません。それを学ぶ人たちの姿勢や性格にも影響を及ぼすと思います。

2014-12-31 17:53:43
ケルトの笛屋さん @celtnofue

伝統音楽家からすると、教えを乞う・受ける行為が伝統音楽向きじゃないようです。伝統音楽は自分でやりたい曲を見つけて、自分で何となく練習して、一緒にできる人を見つけてやるのが基本姿勢だそうです。クラシック(店長はクラシック人)はそれに対して「待ち」が基本姿勢になりやすい。

2014-12-31 17:56:11
ケルトの笛屋さん @celtnofue

この違いは本当に顕著で、子供のからみっちりレッスンを受けている人ほど主体性を欠く(語弊がありますが、店長は5歳から銀色フルートを習っていました)傾向にあるようです。そういった点で「主体性を取り戻そうツアー」の一環としてケルト音楽をやるってのは、意外とありなのかもしれませんね。笑

2014-12-31 17:59:38
ケルトの笛屋さん @celtnofue

店長は現在おおよそ指示待ち人間じゃない、どころか指示を無視してやりたいことをやる人間ですが、考えてみれば10年前は完全に「指示待ち部下」だった気がします。あら、これはちょっと、会社の新人教育の一環としてもケルトの笛を導入しませんか、社長(^^)ゴマすりすり

2014-12-31 18:08:01
ケルトの笛屋さん @celtnofue

冗談はさておき、ケルト音楽などの伝統音楽は本当に主体性を求められます。なぜなら、それがいつ失われてもおかしくない危機を、潜在的に感じているからだと思います。だから、色々な挑戦をする(できる、もしくは余儀なくされる)クラシックに限らず、あらゆる奏法を取り入れて成長しないことには、

2014-12-31 18:11:40