英連邦の無軌道小話3つ~AT突撃戦車のやりたい事・“ロンソン”火炎放射器の由来・カナダのInglis 20mm機関砲

英連邦の軍装備の無軌道なお話 ・AT突撃戦車のやりたい事 ・“ロンソン”火炎放射器の由来 ・カナダのInglis 20mm機関砲
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

このInglis 20mmの4連装砲架はちょっと面白くて、他にヴィッカース クラスS 40mm機関砲の搭載も検討されてます。下の2挺を40mmに替えて、上は20mmのままで。ボフォースより格段に軽量で20mmより遥かに大威力って立ち位置を狙ったようで

2015-01-04 15:05:58
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ヴィッカース クラスS 40mm機関砲といえばハリケーンに積んでの戦車狩りで知られますけど、航空機搭載可能な軽量さが軽対空火器としても適するのではと考えられたようです。ポムポム砲弾薬なので低初速かと思われがちですが、すこし軽めの高初速弾なら700m/sは出るのでまあ一応十分、と

2015-01-04 15:08:40
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただこの計画、色々と疑問点が置き去りにされていた所があったようで。20mmの曳光弾を見て40mmを照準しようって訳ですが、いかに口径差があると言えど高速なイスパノ弾薬と低速なポムポム砲弾薬では1kmあたりでもう弾道が目に見えてズレてくるとか、砲耳にかかる負担が2倍くらいになるとか

2015-01-04 15:12:09
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

これに対しては結局、上の2門をInglis 20mmからブローニングの.50"に替えれば良いのではと提案されます。初速はやっぱり一致してませんが、20mmよりは軽いので遠距離ではまだ弾道が近くなるんだとか。それと反動問題もマシにはなります

2015-01-04 15:14:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この計画は44年夏頃までは動いていたらしいものの、技術的には可能だろうけど戦術的価値が限られると最終的に判断されてしまい、英国の興味も引くことができず中止されてしまったようです

2015-01-04 15:15:57
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ヴィッカース クラスS 40mm機関砲は他にも様々に搭載が検討されていたようです。クルセイダー巡航戦車やダイムラー装甲車に連装で装備した対空車両だの、カナダのSkink対空戦車でもInglis 20mmに替えてこれを装備しようだの。軽いお陰か、色々に積めそうな気がしたのかも

2015-01-04 15:19:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

Inglis 20mmはイスパノをベースにしてるとは言えど、スプリングの配置が変わってるのでHS.404にはあんまり似てないですね。2枚目のHS.804に雰囲気近いかしら pic.twitter.com/nULdewU5Ix

2015-01-04 15:31:17
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

HS.804とかで調べるとユーゴスラビアの何かとかが出てきて、なんだか怖いので近寄らない

2015-01-04 15:37:00
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

Inglis 20mmはほかに、初速1050~1100m/s級の硬芯徹甲弾の開発も検討されてたとか。イスパノだかエリコンだかでも確か試作されてたけど、このへんの軽対空火器は前の方で使うわけで、戦車と出くわす事もやっぱり考慮されるのね

2015-01-04 16:20:11
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ドイツの2cm KwK/FlaKの硬芯徹甲弾が1050m/sくらいで50mmくらい貫いた記憶なんで、イスパノ/Inglisの硬芯徹甲弾ならもうちょっと貫くのかしら

2015-01-04 16:23:51
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ええと、イスパノ20mm用の硬芯徹甲弾は、ドイツ戦車の30mm側面装甲を抜ける程度を目標とし、1942年7月に開発が始まると。ジュラルミン製弾殻にタングステンカーバイドの57.5gの弾芯。全体では96g。初速985m/sで、距離180mで垂直67mm、30度傾斜48mmを貫く、と

2015-01-04 16:35:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そして距離360mでは垂直51mm/30度38mmを、550mでは垂直39mm/30度30mmを貫く。赤軍曰く、航空機関砲での戦車攻撃は距離400~500m程度が典型的っぽいので、このイスパノ20mmの硬芯徹甲弾はその条件でも割とドイツ戦車の側面30mm装甲を抜けそうね

2015-01-04 16:38:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ただ、イスパノ用の硬芯徹甲弾は貫通力は悪くないものの、どうにも精度が悪すぎたらしく。半数必中界が通常の弾の6倍くらいだったようで。他にAPDSなんかも含め20種類以上が試作されてるようなんですが、物にはならなかった……のかな?

2015-01-04 16:50:29
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

イスパノ用のAPCR/APDSはやたらに一杯試作されてて、先の初速985m/sってのの他にも945~1676m/s(!)と結構幅がある。Inglis 20mm用の1050~1100m/sてのも、多分そのなかの一つなのかもですね

2015-01-04 16:55:04
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

正直イスパノの徹甲弾はよくわからないので、全く滅茶苦茶な話をしてるかもしれない。どうか鵜呑みなさらぬよう……

2015-01-04 16:56:27
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

しかして、重さと初速を様々に変えたAPCR/APDSを色々試作できるってのは、APIブローバックのエリコンにゃできない真似ですよね。エリコン20mmでAPCRを撃とうとすると、MG-FF(M)みたいに専用型を用意せにゃならなくなってしまうかもで

2015-01-04 17:00:42