鈴木元氏「福島の子供の甲状腺がんは本当に増えているか〜現状と今後の課題」
26. その精度とゆうものはかなり気をつけて評価しないといけないとゆうことになります。こうゆうふうな調査の中で少し具体的に話を進めていきたいと思います。
2015-01-04 22:14:2227. チェルノブイリ原発事故の後、小児の甲状腺がんが増えたってゆうのはメディアの方みなさんご存知だと思います。1986年にチェルノブイリ原発事故が起きまして、私その前の年に千葉の放医研に就職してましたんで、 pic.twitter.com/YQRSu0H4ep
2015-01-04 22:14:3928. ちょうどこの原発事故が起きた時、成田空港にみんなで行きまして、ヨーロッパとかロシアから帰って来る人たちのスクリーニングをやったことがこういう事故に最初に出会った始まりでした。1990年ごろから国際的な甲状腺エコー検査によるサーベイプロジェクトとゆうものが始まってます。
2015-01-04 22:14:5429. 日本からは笹川財団が〜。こうゆうサーベイプロジェクトが始まるに従って、小児甲状腺がんの発見率が上昇してきました。だいたいウクライナ、ベラルーシ、ロシアで小児甲状腺がんの罹患数が出ていって、現在もこれはまだ続いてるんではないかと言われてます。
2015-01-04 22:15:0430. 一方、放射線ヨウ素が環境中からなくなった翌年以降に生まれた児童には、リスクがほとんどなくなったとゆうような論文も御座います。
2015-01-04 22:15:1431. これはヘルスフィジックとゆう雑誌に発表されてるものです。ちょっとこの基本的な見方を説明しますと、縦軸が10万人あたりの罹患率で、ここの四つグラフがあるのは、事故時の年齢によって、ここが0から6歳、これが7から14歳、 pic.twitter.com/GLqq0FpoEa
2015-01-04 22:15:3632. これが15から18歳、19歳以上とゆうふうになってます。この下の三角で示してるのは、被ばくのなかった集団でどのぐらいの頻度で出てくるかとゆうものを予想した値です。そうしますとまずこの予想の値が0から6歳、7から14歳とゆう、だいたい同じなんですが、
2015-01-04 22:15:4833. 高齢になるほど予測数が増えていくことがわかります。甲状腺がんってのは今の福島でもそうなんですが、青年期からどんどんどんどん有病率が増えていくもの。実際に観測された甲状腺がんで見ていきますと、一番増えたのが事故時0から6歳の集団でご覧のように
2015-01-04 22:15:5834. 非常に90年ごろから大きく増えていってます。その次に増えてくるのが7から14歳、そして15歳から18歳、或いは19歳ってゆう方の増え方が小さくなってるのがわかるかと思います。これが実際に出たデータです。
2015-01-04 22:16:0635. 低年齢層の発見が、発症が早くてリスクのバックグランドに対する比ってゆうものもわかってる、なってることがわかります。年齢が上がるごとにバックグランドの罹患率も上昇してるとゆうことがこれからわかるかと思います。
2015-01-04 22:16:2236. これは事故後に生まれた、要するに放射性ヨウ素ってのは半減期が8日って短いんです。ですから事故の時に胎児であった、或いは事故時に生まれてミルクを飲んでた、そうゆう子どもたちには甲状腺がんのリスクがありましたが、その後、環境中に放射性セシウムが残ってるような状態で
2015-01-04 22:16:3137. 低線量の被ばくをした子どもたちですね、この子たちで見ていきますと、ここに書いてありますがリスクが下がってきてるということが見て取れるかと思います。このランセット、発表した時点では過剰発症とゆうものが見られないとゆうようなデータが2001年のランセット論文で出されてました。
2015-01-04 22:16:4438. ちょっとこの後、オッズ比とか、或いは相対リスクとか過剰絶対リスク、過剰相対リスクとゆうことを少しお話ししますんで、ちょっとその説明をここでしておきます。症例対照研究とか地域対照研究で非曝露群と曝露群の単純な比較をしていく場合に pic.twitter.com/oF3m3KGaQm
2015-01-04 22:17:0939. オッズ比とゆうものを使います。これは競馬の勝ち負けの予想の時のオッズと同じです。集団が大きくなって罹患が少ない疾患、甲状腺がんなんかは正にこうなるわけですが、そうしますとだいたい相対リスクとほぼ同じ値になってきます。一方コホート研究なんかですと、非被ばく群と線量区分ごとの
2015-01-04 22:17:2240. 曝露群ってゆうような調査が可能になってきます。そうしますとその中で、いろんな、線量とか被ばく時年齢とか、何年それから経ったかとか、性別とか、そうゆうものを変数とした多変量解析ってゆうのが可能になってきます。そうゆう中で原爆被爆者のデータなんかですと、
2015-01-04 22:17:3241. 単位線量あたりのリスクを相対リスクとして計算してくとゆうようなことがなされてきます。例えば原爆被爆者ですと、30歳時に被爆して70歳になるまでのがん死亡リスクは相対リスクとして、1シーベルトあたり1.54である、ゆうような表現の仕方をします。
2015-01-04 22:17:4142. ちょっと紛らわしいんですが、過剰相対リスクってゆうような言い方をする場合は、この相対リスクから1を引いた値になってきます。これですと過剰相対リスクってのは0.54。それから、これは非被曝群に対して何倍増えたかとゆう数え方をしたんですが、
2015-01-04 22:17:5143. 何症例余分に発症したかとゆうふうな数え方があります。それを過剰絶対リスクとゆうふうに言ってまして、非曝露群に対して線量あたりの観察期間に何名がんが増えたかってゆうような数え方をします。これは例えば1万人を20年追っかけてった時に過剰に
2015-01-04 22:18:0044. 何例発症したかとゆうような形で表現してきます。例えばここで2.2人、パー年シーベルトとゆうふうに言いますと、一人の人を何年も追っかけてった時、1シーベルトあたり何人増えるか、ゆうような、そんな言い方も、この後またちょっとこれを使った計算を紹介します。
2015-01-04 22:18:1045. これも実際に発表されたデータを持ってきました。これはチェルノブイリ原発事故の後の調査ですが、横軸にヨウ素131による甲状腺の被ばく線量、吸収線量をグレイ単位で示しています。 pic.twitter.com/MJWFCnxJZa
2015-01-04 22:18:2646. 縦軸に被ばくがなかった人たち、グループに〜何倍増えたかとゆうもの、相対リスクとして出してるわけです。そうしますと線量が上がるに従ってだんだん、何倍増えたとゆう値、相対リスクとゆうものが増えて、エイヤーと直線を引くと、直線でも矛盾はしない、ゆうような状態になってきます。
2015-01-04 22:18:4047. こうゆうふうなデータがまずあります。それをじゃあいろんな集団で、同じチェルノブイリ原発事故の後の、調べたものがこれがあります。これはウクライナのコホート調査、これは先ほど言いましたように、被ばくしたとゆう子どもたちを追っかけてって、
2015-01-04 22:18:5048. いつ発症していったかとゆうのを見ていった調査です。そうしますと過剰絶対リスクとして、これは書いてますが、2.21掛ける10のマイナス4乗、人年シーベルトとゆうような値になってきます。白ロシア、ロシアの症例対照研究では、これは計算が出来ませんでしたが、
2015-01-04 22:18:5949. ウクライナの生態学的研究ではこの値が1.5、白ロシア、ウクライナでの生態学的研究では2.7とゆうような値が出てきてます。だいたい2倍、2前後の値になってるかと思います。一方、原爆被爆者の15歳以下の人たち、それからいろんな統計部の放射線診断による被ばくをした子どもたち、
2015-01-04 22:19:0850. 7つのコホートを全部プールして統合解析をした結果は、過剰絶対リスクってのは4.4ぐらいになってますんで、ほぼ同じレベルになってるとゆうことがわかります。一方、過剰相対リスクとゆう見方で見ていきますと、外部被曝の場合は7.7倍ってゆうふうに数値が出てますが、
2015-01-04 22:19:17