鈴木元氏「福島の子供の甲状腺がんは本当に増えているか〜現状と今後の課題」
51. こちらのチェルノブイリ原発事故の方ですと2倍から19倍ぐらいまで大きくわかれてきます。この一番の理由として考えられてるのが、エコー検査をどのぐらいしっかり対照地域でやったり、コントロールの地域でやってるかによって発見率が違うんです。
2015-01-04 22:19:2552. それによってこちらの比較してる対照が発見率が低いと高めに出てしまうとゆうことが見られてるんではないかと考えられてます。それに対してもともと小児甲状腺がんってそんなに一杯発症するわけではありませんので、実際に何例発症かとゆう方を
2015-01-04 22:19:4054. じゃあチェルノブイリ事故ってどのぐらいの被ばくになってるんだろう。これはアンスケアー2008報告書の表のB4というところから取ってきたものですが、避難住民の平均甲状腺線量、ミリグレイ単位で書いてます。 pic.twitter.com/A8l7cxIWGo
2015-01-04 22:20:0655. ベラルーシで0から6歳で3800ミリグレイぐらいになってます。年齢が上がるに従ってミルクの摂取量とかが変わってきますんで、1500とか1000に下がってくる、ゆうように年齢によって大きく差が出てきます。ロシアもやはり小さい子どもほど高いとゆうような形になってます。
2015-01-04 22:20:1956. 避難住民総数、11万人5千人居るんですが、この人たちの平均、全体としての平均被ばく線量、430ミリグレイとか、400ミリグレイを超すぐらいの値になったかと。2005年までの集計ですが、事故時18歳未満の甲状腺がん患者数ってのは6万8千であって、
2015-01-04 22:20:2657. その内死亡例が15例だったとゆうことが公表されてます。是非ここで見といてもらいたいのは、被ばく線量が随分高いんだとゆうことですね。先ほどこの表でも見てますが、被ばく線量が4000を超してるような集団で非常に高くリスクが出てるとゆうことが見てとれるかと思います。
2015-01-04 22:20:3558. 今回の福島原発事故でどのぐらいの被ばくになったか、これはまだ確定はしてません。アンスケアーの福島報告書の表5を取ってきますと、予防的避難地域、それから計画的避難地域、これらの中で1歳時で15から83、 pic.twitter.com/PQOYwFOTJB
2015-01-04 22:21:0059. これは地域地域でどのぐらいの中央値があったかとゆうことを示してます。実際はこれの2、3倍上下動きがあるとゆうふうに考えてるわけです。10歳でゆうと、これが少し下がって、成人ではもうちょっと下がる。
2015-01-04 22:21:1260. 予防的避難地域の住民、計画的避難地域の住民、合わせて8万8千名ぐらい居るわけですが、その被ばく線量ってゆうのは、チェルノブイリに比べると二桁下の値でおさまってるとゆうような現状認識をしてます。
2015-01-04 22:21:1961. ただどのくらいの不確実性があるかってゆうと、放射能拡散シュミレーションによって避難途上の線量を評価してますんで、もしかするとここは過大評価になってる可能性もあります。それからアンスケアーの報告書では食品、飲料水からの内部被ばくが約50%あるとゆうふうにしてますが、
2015-01-04 22:21:2662. 福島に関して、これに関する調査を前年度ですか、三菱総研がやってましたが、もうちょっと低い値であることがわかってきてます。それから実測した1080名の甲状腺簡易測定、或いは弘前大学の床次氏らの測定よりも高めの評価になってます。
2015-01-04 22:21:3763. そうゆうことで、実際はこの値よりはやや低目ぐらいになってるんではないかと思ってますが、まだこの段階の評価では例えばヨウ素133とかテルル132とかヨウ素132とかその辺がどの程度関与してるかとゆうところがまだはっきりしてませんので、
2015-01-04 22:21:4464. まだまだこの値ってゆうのは確定してないと考えてていいかと思います。ただそれほど、アンスケアーの報告はこうゆう長短半減期の核種の寄与を入れた評価になってますんで、
2015-01-04 22:21:5165. 今、国内のこの実測した値との差ってゆう中にはまだこういった不確実性が含まれてるとゆうことと理解してればいいのかと思ってます。
2015-01-04 22:22:0066. じゃあどのくらい本当にがんが増えるんだろうか、ゆうことで、これはあまりこうゆうことをやると怒られてしまうんですけど、これからどのくらいのがんが出るかとゆうのを評価しても実際はあまり意味がないんですね。 pic.twitter.com/QPcGSE1JxQ
2015-01-04 22:22:1767. ただ、なぜこうゆうことをやるかってゆうと、どのくらいのリスクがあるんだったらどうゆう対策をとっていこうとゆうことを考えるために、やはりリスクの大きさを考えておく必要はあるかと思います。これは23年度の福島健康調査でのエコー対象者、5万人弱いました。
2015-01-04 22:22:2568. 18歳未満、この人たちのとりあえず甲状腺の被ばく線量が50ミリグレイと〜やったとして、この4万7千人を20年間追っかけて、その0.05グレイであったとすると、トータルの人年吸収線量ってゆうような言い方をしますが、4.7掛ける10の4乗あります。
2015-01-04 22:22:3369. ここに先ほど言いましたこの過剰絶対リスク数を掛けてみます。とりあえずこのウクライナコホート、この数値を掛けてだいたい何人ぐらい増えるんだろうかってゆう概算の計算をしてみますと、10名。この4万7千人でそのぐらい。
2015-01-04 22:22:4170. ただ、信頼区間がありますから、0.2名から27名ぐらいまでの幅を持った予測です。線量がこの倍になったとしてもこの2倍の値になってきます。私自身このぐらいの数だとなかなか検出は難しいのかなと思ってます。
2015-01-04 22:22:5371. アンスケアー報告書なんかでも調査をやってもなかなか見つからないかもしれない、増加が検出出来ないかもしれないって書いてる、その理由はこうゆう計算をしてるからです。例えば隈病院の宮内先生が先日環境省の長瀧委員会の席で、成人女性の微小甲状腺がん、エコーで見つかるような
2015-01-04 22:22:5872. 小さい甲状腺がんの有病率、発見率ですね、3.5%ぐらいあるとゆうふうなことを仰ってました。そうしますと今から20年追っかけていきますと、今、10何歳の方ってのはもう正にこの成人女性になってるわけです。そうしますと4万7千人の50%は女の子として、
2015-01-04 22:23:0673. それに3.5%掛けると120人ぐらいは甲状腺検査をエコーでやれば引っかかる可能性がある。男性は約半分ぐらいの頻度で微小がんが見つかりますから、400名足したとしてだいたい1200人ぐらい症例が出てくる。それに被ばくによるこの数が加わる。
2015-01-04 22:23:1674. よしんば50ミリシーベルトだったとすると最大でも30症例弱、もしその線量がその倍であったとしても60症例ぐらい。そうしますとまず、1200症例中、1260人、増えてもこれ疫学的にも検出出来ないレベルになってきます。
2015-01-04 22:23:2475. そうゆう意味でなかなか検出が難しいかもしれないとゆう認識をアンスケアーの人たち、私もそうゆう計算をしてみてやっぱり難しいかもしれないなとゆうふうに感じてます。今、まだ予備調査の段階なわけで、実際に甲状腺がんが被ばくによって増えるとするとこれからなわけですね。
2015-01-04 22:23:31