「フランス」と「風刺」と「ヘイト」と「オタク」と「日本」を繋ぐもの

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)事故に依り”そう言う子”が「生じる」のでなく「増える」可能性はゼロではない、としたら「どれくらい」か。増えずとも一定には「生まれる」。”放射能”との関連の有無に関わらず。その人は社会の一員となる。風刺画は「現実可能性」を、”先に知らせる”事を目的とする。「心の備え」のために。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺画は基本的に「現実にないもの」は描かない。現実と強い繋がりが無いと風刺は成立しない。”思った事を勝手に描いている”訳ではないのだ。描くものの”実在性”は厳しく選ばれる。描く責任も重い。高い志かよほどの収入か。風刺の原理に公正であろうとすれば、「半端では出来ない」仕事。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)描くものは厳密に”現実”であっても、”描き方”は現実に追従しないし、単に事実を事前事後に「報じる」事には留めない。必ず「未来への警報」がある。”教訓の予感”。まだ「予感」であるからこそ、現実と混同しない様「リアルには描かず」ショックを和らげて「なるべく早く」知らせようとする。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺とは「目を背けやすい不愉快な未来可能性」のリマインダーなので、その意味を伝える様に絵は毒々しくなる。「早期予感」だから直ちに現実には繋がらない事も多々あるが、別の文脈で繋がると言う汎用性もある。風刺とは昔からの”メメント・モリ(死を想え)”、「正月は冥土の旅の一理塚」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)海外の「福一事故風刺画」でも、”全く現実に起こり得ない事”は描いていないはず。可能性は極小でも、事故との関連に関わらず「生まれる」。忌避しようとするのは「有り得る」事を知っていると言う証明でもある。その人を心で有”り得ない”人にしていいのか、と言うのが風刺の「未来への警告」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)もしこう言う警告が社会でオープンになっていないと、次の様な事を「防げなくなる」可能性もある。＜生まれた子の足が３本あった。勿論”関連”は不明。だが「そう言う子は生まれない」事になっている。だから”闇に隠す”。＞鼻血の”訴え”を「無いもの」にしようとした延長は、そうなる。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)社会は「３本足の子」が生まれた理由が何であれ、医療を施し生活を支援し「最大限の幸福」への道を作らなければならない。”現実にあるもの”が「忌避したいもの」であるほど、そこから目を逸らした結果生じ得る未来は「深刻」になる。”無いもの”にしていては「生まれた時」に間に合わない。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)こう言う「不愉快な未来可能性」を「可能性として淡々と公衆通知」する事が現代社会に出来るかと言うと、なかなか。人の心はそこまで強くない。だから”道化(風刺)が伝える”古典手法が今も使われる。だが今の日本社会は”風刺”さえ欠如したため”それにすら”極めて脆弱になっている。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)道化と言う風刺も、不愉快な警告を「道化と言う糖衣」でくるんではいる。これでも。『日本沈没』で田所博士が日本沈没の可能性を”最も早く”伝えた方法は、”ＴＶでブチ切れて週刊誌ネタになる事”。”ブチ切れ親父のアテにならない戯言”と言う「ウソかも知れない」と思える「糖衣」に包んだ。

Osamu @orpheonesque

2006年に日本語には「ヘイト」という言葉すらなかった。当時からフランスではいわゆるそのヘイトスピーチに関して厳しい法とその運用があった。その中ぎりぎりの議論で掲載された風刺画。9年後、覚えたての言葉でそれを批判する日本の変化をある意味喜ばしいものと捉えるべきか…。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

風刺は基本的に「現実に無いものは描かない」と言う法則は”ステレオタイプ表現”にも言える事で、”細目でチビで眼鏡で出っ歯の日本人”と言う日本人は”単に悪意の表現”ではなく。そう言う人は「実在しない」か。いますね。”こんな日本人いない！”と言ったら、ではその人の立場はどうなるのか。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺画と言うのは殆どの事は”言っていない”。ただ「示している」。あなたには何が見えますか？と。福一事故風刺画でも”原発の見える場所”に”３本足の子がいる”と示すだけ。３本足の子は「世界に一定に生まれる子」。それが「事故のせいで生まれた子」と見えたなら「そう思ったのはあなた」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)チビデッパ日本人が「醜く描いてるからダメ」なら、それは「あなたが」その”日本人の顔”を醜いと思っていると言う事。拒否反応として現れるのは「あなたの偏見」。描かれているものが「現実にあり得ないもの」かどうかを確認すれば、それが分かる。優れた風刺画は”殺したくなるほど”意地悪。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

【SYNODOS】｢許す｣と｢赦す｣ ―― ｢シャルリー・エブド｣誌が示す文化翻訳の問題／関口涼子 / 翻訳家、作家 synodos.jp/international/…　”読売新聞の記者は、このデッサンに｢自分が読みたいことを読んだ｣のかもしれない”　正に「それが風刺画」…

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

国内／国際社会とは「お互い様に不愉快な他者同士の共同体」。 営むか。やめるか。 「風刺」＝他者を理解し他者と繋がろうとする事。 「ヘイト」＝他者を拒絶し繋がりを絶とうとする事。 これは「真逆」の関係。「コインの裏表」。 「愛／憎悪」がコインの裏表である、と言われるのと同じです。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺とは「ヘイトのメタ表現」「ヘイトの説明」だ、とも言える。 「現実にあるもの」を描いて並べる風刺画。言葉は少ない。 そこに何を読み取るのも「あなた」次第。 しかし拒否反応として現れるものは法則がある。 「あなたの嫌いなもの」＝「あなたの偏見」＝「他者無理解」＝「ヘイト」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続) 物語が「悪」を描かないと「悪」を読者に説明できない様に、 風刺は「ヘイト」を絵にして示さないとヘイトを説明できない。 風刺とは万人の持つ「ヘイト」を「他人事として説明」するのではなく 「あなたのヘイト」を「あなたの頭」に直接説明する方法です。(続

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺とヘイトの区別が「ワカラナイ」のは「漫画と現実の区別が付いていない段階」。 風刺として描かれたものをヘイトと思うのも、「漫画と現実の区別が付いていない」。 読んでいるのは「あなた」なのに。そのあなたが「いる」、と言う「自覚」がまだない。ヘイトは「自意識の欠如」から起こる。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺もヘイトも一緒だ、こんなの風刺じゃないと「言えている」内は、まだ漫画を読み始めた幼児の様なものなので、暖かく見守ろう。 風刺が示すものが「あなたの偏見」であると言う「風刺の仕掛け」の正体、 「戦慄すべき優しさ」に気付いた時にこそ、人は風刺作者を「殺したくなる」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)シャルリエブドの様な風刺の本質の「正体」に気付いた時、人は必ず一度は作者を「(頭の中で)殺したくなる」。 この時、あなたは「作者もあなたも」まとめて「笑える」様になったか。 漫画と現実の区別を失ったまま「本当に殺しに行くか」。これが、風刺作者のギリギリの「人間信頼の攻防」。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)風刺画を見て”自分との”直接の繋がり”に気付き、作者を「頭の中で殺したくなる」レベルになったら、それは心理学的”親殺し”に似たもの、”自分の心の醜い部分に気付く”と言う一種のイニシエーション。つまり「自覚」「自意識」。”自分を振り返る”と、やはりそう言うものではと思う。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)しかし既に漫画に描かれた現実を「醜悪と思ったのはあなた」と気付いた後なのだから、アタマが「作者を殺したくなった」ならすぐ「たかが漫画の作者を殺したいと思ったあなたのアタマ」を”上から目線”して、ドラえもんの最後で「のび太に返る因果」を見るのと同じ様に「笑える」、と言う原理。

田川 滋 TAGAWA Shigeru 타가와 시게루 @kakitama

続)この”のび太客観視”原理を働かせるためには、そもそもの漫画が”たかが”に見える事が大事。だから見た目が「ヒドい」「下品」な事は、ここでも役に立つわけです。『日本沈没』田所博士のブチ切れに似て。作品から読者への「早く突き放してくれ」と言うメタ表現。漫画家は色々考えてます。