- uchida_kawasaki
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@hirakawah そこは私は正直良くわかりません。完全な素人質問で申し訳ありませんが、デュアル・ユースは、「目的/意図」にかかわる部分を指しているのでしょうか(防御「目的」なら良い)、「結果/効果」にかかわる部分を指しているのでしょうか(「そちらにも利用される事を防げない)。
2015-01-16 16:52:33@akishmz ぼくもちゃんと議論をフォローしてないので印象論ですが、両面あると見ています。一方で、主に生命科学分野を念頭に議論されるのは「結果/効果」の問題で、「意図・目的とは別に、結果的に成果が軍事転用や悪用される可能性=リスクをどう規制するか」という規制的議論があります。
2015-01-16 16:56:15@akishmz 学術会議の報告書なんかはそれですし、米国でも科学アカデミーなどがそのタイプの報告をまとめ、大学等でのFDに反映させるような議論もあったりします。 bit.ly/1y4qVg0
2015-01-16 16:58:24@akishmz 今朝もリンクしましたが、JST研究開発戦略センターのこの報告書も、そういう規制的デュアルユース論に入ると思います。 bit.ly/1IPuecC
2015-01-16 16:59:58@akishmz その一方で、自民党・安倍政権・防衛省あたりから近年出てきたのが、「目的/意図」として軍事転用可能なデュアルユース研究を推進しよう、軍学連携を進めようとする振興的デュアルユース論です。
2015-01-16 17:01:26@akishmz 自民党政務調査会の科学技術・イノベーション戦略調査会の一昨年5月の報告書 bit.ly/18FZcYZ でかなりはっきり振興的デュアルユース論が示されてます。これをもとに一昨年12月に研究開発力強化法が改訂、軍学連携を可能にする法制ができました。
2015-01-16 17:05:48@akishmz ちなみにこの改正研究開発力強化法は、改正当時は、任期制研究者を無期労働契約に転換する期間を5年から10年に延長するという点ばかり報道されましたが、実はトロイの木馬でした。
2015-01-16 17:09:11@akishmz 一昨年夏に安倍政権のもとで始まった革新的研究開発推進プログラム(imPACT)でも、軍事転用可能性を狙ったデュアルユース推進が盛り込まれています。日本版のDARPA(米国国防高等研究計画局)を創ろうなんて話もあります。
2015-01-16 17:12:11@akishmz DARPAは大胆なアイデアのデュアルユース的研究を助成することで、民生的にも大きく成功した技術を育ててきたことで有名なところで、一昨年、東大初のベンチャーがDARPA主催のロボコンで優勝したことで話題になったこともあります。
2015-01-16 17:15:02@akishmz かつてもDARPAはロボットカーのコンテストを開いてますが、そういう積み重ねから今日の無人兵器技術なんかの芽が集められたりしてます。 bit.ly/1fAP1U4
2015-01-16 17:16:16@akishmz 自民・安倍政権・防衛省そして防衛産業のもくろみとして、そういう組織を日本にも作り、「デュアルユース研究で軍民両方でのイノベーション」を狙おうとする動きが進んでいます。
2015-01-16 17:17:40@akishmz というわけで、長くなりましたが、こんな感じで「結果/効果」に関わる規制的なものと、「目的/意図」として軍民両面での技術的・経済的成功を狙った振興的なものと、二種類のデュアルユース論があります。学界はもっぱら前者ですが、現在後者が浸食中といったところだと思います。
2015-01-16 17:20:29@akishmz また、この浸食を促すアカデミア・大学の理屈としては、積極的に軍事研究したいという人もいるでしょうし、先に指摘したような、それは意図してなくても両義性ゆえに研究が制限されるのは困るという論理で、進んでいくのではないかと思いますね。
2015-01-16 17:23:41@Kengo_Osaka 当初から秘密指定されていれば関わらないという選択ができますが、後から指定されると厄介ですよね。そうなると、研究者本人だけでなく研究室所属の学生たちやその家族まで秘密保護法が求める「調査」対象にされ、プライバシーの侵害なども起こるかもしれません。
2015-01-16 18:16:41@hirakawah 申し訳ありません、会議でお礼が遅くなりました。素人にもわかりやすいご説明と資料のご提示までいただき、感謝申し上げます。
2015-01-16 18:41:38@hirakawah 学術会議報告と総長コメントを読み比べた時「適切なデュアル・ユースのあり方」という表現にもつまづいたのですが、報告を「規制的議論」として読んでいたのに対し、この表記は「適切な形で両面に用いる」という「振興的議論」的な読解が可能だったからかもしれません。
2015-01-16 18:44:42『東大によると、ガイドライン…改訂では「一切の例外なく軍事研究を禁止する」という文言を削除し、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究は行わない」と追加した…こうした改訂が「軍事研究の解禁」と解釈されたとみている。研究科に対し、「誤解のない表現を工夫するよう伝える」』
2015-01-16 22:08:08東大「軍事研究認めない」 「解禁」の一部報道を否定 - 朝日新聞デジタル t.asahi.com/h150 総長コメントがなんだか曖昧で不安だったけれど、杞憂であったのなら本当に良かった…
2015-01-16 22:09:44↓そうか、「成果が非公開となる機密性の高い軍事を目的とする研究」というのは、「機密性が低ければ軍事研究でも可能な場合がある」を含意しないわけね。「軍事研究はどれも機密性が高いものであり、そのようなものはやらない」と解釈すべきということか。日本語むずかしい。
2015-01-16 22:10:32東大「軍事研究認めない」 - 朝日新聞デジタル t.asahi.com/h150 「広報課は「軍事研究の定義があいまいで、丁寧に説明しようとしたが、一部を容認するかのような誤解を生んだ。機密性の高低に関わらず、軍事研究はすべて禁止している」と説明」
2015-01-16 22:12:59裏読みしようと思えば、産経の記事が予想外に話題になり、慌てて火消しをしたのだとかとも想像できるけど、まぁ、そうではないのだろうな。 できれば東大には、ガイドライン改訂の際の議事要旨とかを公開していただけると、今後、他大学でデュアルユース問題を論ずる際の参考になるので有難い。
2015-01-16 22:14:08@akishmz 深読み可能な文言が総長の文章にはあったので、確かに不安がぬぐいきれませんでしたが、どうやら杞憂と見てよいようですね。
2015-01-16 22:17:13@akishmz 夕方書き損ねてたのですが、imPACT、改正研究強化法ではそれぞれ軍事技術は「国民の安全・安心に資する技術」「我が国及び国民の安全」というソフトな表現で言及されてます。またそうした表現の「工夫」含めてH17頃に内閣府総合科学技術会議で議論されてたようです。
2015-01-16 22:19:17