むじかの佐藤理論入門(ソリトン)
- soundofphysics
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解説を行うにあたり、いくつか注意事項です。
1、今回も数学的な厳密性は追及しません。 特に今回は高校数学から大きく逸脱した内容で、基礎的内容をさらうだけでも相当な時間がかかります。概念を追うためのマイルストーンぐらいに思ってください。
2015-01-11 15:06:21act.0 今回の連ツイの目標
今回の資料
それでは、資料を配布するわね。こちらのpdfになるわ。 dropbox.com/s/sthvugru3n7q…
2015-01-11 15:10:15act.1 KdV方程式の考察
では、まず1ページ目。 ソリトンの代表的な方程式KdV方程式について考察を進めていくわ。 pic.twitter.com/zO8H869onW
2015-01-11 15:14:33ソリトン第二弾を思い出して欲しいのだけど、微分方程式は「未知の関数を求める方程式」だったわね。 KdV方程式も微分方程式の形を取っていて、道の関数を解とする方程式になっているわ。
2015-01-11 15:16:04そして、KdV方程式が線形微分方程式か非線形微分方程式かで言えば…これは非線形微分方程式になるわ。 第二項の 6u(∂u/∂x) が非線形項よ。
2015-01-11 15:17:47非線形微分方程式なので、順当に微分方程式を解く…というわけにはいかないわ。 適当な初期条件を与えなければ解く事は不可能よ。 逆を言えば、このKdV方程式は無数の解を持つともいえるわね。 そして、その解の中に「ソリトンの波を記述する関数」が含まれているわ。
2015-01-11 15:19:52補足その1
非線形項を0と置いたり非線形項のみを考察する研究も見られます。
実際のところ、現象を記述する関数としてのソリトンは普通の波と基本的には同じものなのよ。 同じなんだけど、「孤立波」としての性質もその関数に含まれてくるから、見た目としてはかなり違ったものになってくるわ。その一例が、1ページ目の最後に記述してある「1-ソリトン解」になるわ。
2015-01-11 15:21:45定常波であれば波の山と谷は無数にできるけど、孤立波であるソリトンでは山がひとつだけ。だから「現象を記述する」となるとこのように双曲線関数を使った記述になって非常に複雑になっちゃうわけね。
2015-01-11 15:23:16とはいえ、三角関数の代わりに双曲線関数を使っているだけで、波の基本的な性質である「波長」や「振幅」はこの式からも立式できるわよ。 双曲線関数についている係数はそのまま「振幅」とみなしてもよさそうね♪ (だけど、これ以上つっこみません)
2015-01-11 15:25:16補足その2
双曲線関数は実際には指数を持つ関数なので単純に係数を振幅とはできないのです。なので、見立ててもよさそうという予想はできてもそれ以上追い込みをするとそれだけで時間がとられてしまうために以下略。
というわけで、KdV方程式からソリトン現象を記述する関数が得られる…と言うことだけ覚えていて欲しいの。 ただし、KdV方程式の解のすべてがソリトン現象を記述する関数とは限らないから注意してね。
2015-01-11 15:26:36補足その3
得られた解がソリトンを記述する関数であることを示す為に「ソリトン解」と呼んでいます。
そして、得られたソリトン解が単独のソリトンを記述するとも限らなくて1つの孤立波を記述するソリトン解を「1-ソリトン解」2つの孤立波を記述するソリトン解を「2-ソリトン解」というように何個でも出てきます。
act.2 他の現象との比較
ここで、2ページ目。 ここでは、単振動の代表例として「フックの法則」 波動を記述する方程式として「波動方程式」 そして、KdV方程式を並べてみたわ。 pic.twitter.com/2JUDMZ9bXB
2015-01-11 15:28:03テキストにも書いてあるけれど、「振動」という意味においてこれらの三つは「互換性」があるわ。 物理的な状況と初期条件の差で式が異なっているだけで、最終的に振動を記述するという意味では似た式に集約されるの。
2015-01-11 15:29:20特に注目すべきは波動方程式とフックの法則に互換性があることね。 これは、振動に対して力学的な記述ができるから、波動に対しても同様の処理を行うことで力学的な概念を導入できることを意味しているわ。
2015-01-11 15:30:42