野間易通の白熱教室「ヘイトスピーチとは何か。」(2015/1/19@和光大学)まつおかさんによるツダりまとめ
2本目の映像。2013年2月24日、女子中学生による鶴橋大虐殺の演説があった日のもの。 pic.twitter.com/QyFdALrMap
2015-01-19 16:40:54参考動画→女子中学生 鶴橋大虐殺宣言!
野間「このとき、カウンターと呼ばれる人も出てきてるんですけど映像には出ていません。この映像は国際社会に強い衝撃を与えたものなんですね。というのも真ん中で喋っていた女の子は14才で、横にいる男の子は18才。若年者が前に出て、それを大人が煽るという醜い状況でした」
2015-01-19 16:42:23野間「『ヘイトスピーチは何か』を言うときに、一番キモになることとして単に暴力的ではなく差別的である、ということが重要になってきます。一般的なヘイトスピーチの定義は『人種・皮膚の色など、ある属性を有する集団を貶めたり暴力や差別行為を煽動する侮蔑的表現』というものです」
2015-01-19 16:43:49野間「さっき『ヘイトってなんですか?』という質問が出ました。ヘイトは人種・肌の色・宗教・国籍・民族性・ジェンダー・障がい等に対する偏見ということです。(先生に)hateとhatredはどんな違いがあるんですか?」
2015-01-19 16:45:11野間「『ヘイトスピーチ』というときに勘違いしないようにしたいのは、憎しみ全般を言うわけではないということです。例えば友達がたくさんいて、嫌いな人に"I hate him"と言ってもヘイトスピーチとは言わない。ここ重要なところかと思います」
2015-01-19 16:47:00野間「“スピーチ”について、さきほど『演説の様子』を想像するという話がありました。表現・言論全般のことをいいます。例えば旗をあげるとか中指を立てるといった行為も、広く『スピーチ』に含まれるということです」
2015-01-19 16:48:30野間「なので『スピーチ』は何らかの思い・表現を外に発すること、と考えていただければと思います。僕らはスピーチは外来語なので、表で発表するときにこの言葉を使ったりします。けれど、英語のスピーチはもっと広い意味で捉えた方がいい、ということになります」
2015-01-19 16:49:39野間「『憎悪』という言葉がどのように使われるようになったかを説明したいと思います。さっきヘイトクライムという言葉が出ましたが、こちらの方がヘイトスピーチより先に使われるようになった概念です」
2015-01-19 16:50:51野間「1950年にKKKが黒人をリンチして吊るしたり、といったことがアメリカでありました。それらを人種的憎悪にもとづく犯罪という意味でヘイトクライムと言います。当初は性的少数者に対して物理的暴力をふるうケースが非常に問題にされていました」
2015-01-19 16:51:43野間「去年東京大行進で"TOKYO NO8"を掲げていたフロートがありました。No hateで主に対象になっているのはセクシャル・マイノリティです。ゲイやレズビアンを攻撃するのはやめよう、という言葉なんですね。民族・性的志向のほかには、宗教を対象にしたものもあります」
2015-01-19 16:53:08野間「国際条約にも『憎悪』について書かれた箇所があります。(配布資料を見て)規約=条約のことです。国際人権規約は社会権規約と自由権規約の2つに分かれている。後者の20条では『差別されない権利』もきちんと明記されています」
2015-01-19 16:55:08野間「国際人権規約は世界人権宣言を基礎にして、1976年に発行した条約です。たった40年弱しか歴史がありません。日本は1979年に批准しています」
2015-01-19 16:56:02野間「もう1つ重要なのが人種差別撤廃条約です。これも60年代にできた条約。日本が加入したのは1995年です。人種差別撤廃条約のなかには、ヘイトスピーチに関する規約が第4条にあります。自由権規約もそうですけど、訳がわかりにくい」
2015-01-19 16:57:22野間「どういうことかというと、人種とか皮膚の色に基づいてアイツらは自分より劣っているという差別煽動行為は禁止だと定めている、ということです。これを踏まえれば、ヘイトスピーチは日本で禁止していると考えてもいいです」
2015-01-19 16:58:31野間「憲法もそうなんですけど、条約っていうのはそれ自体が市民を縛ったり罰することはない。特に刑事的な側面でいえば、国内で立法しないといけない。各国が法律を整備して運用してください、ということを条約で約束するわけです」
2015-01-19 16:59:53野間「人種差別撤廃条約4条で重要なこと3つ(a,b,c)書いてあるんですけど、日本政府はa・bを留保しているんですね。このことはまたあとで説明します」
2015-01-19 17:01:16そんなことは可能なのか?という質問 野間「可能です。日本ではそんなに差別はない、と国が言っています。ただ、国連から勧告という形でこれまで何回も怒られています。たしかに昔はヘイトスピーチみたいなものはなかったんですね。今は昔より差別がひどい国になっているといえます」
2015-01-19 17:03:22野間「今日覚えていただきたいことは『ヘイトスピーチ』の『ヘイト』はなにか。これだけです。ヘイトって新語でわかりにくいんですね。これを日本語でどう訳すか問題というのがあって、非常に悩ましい」
2015-01-19 17:04:40野間「2012年、新聞でヘイトスピーチという言葉が出たのはたった1回だけでした。新聞が取り上げるようになったのは2013年から。専門書では『憎悪表現』と訳されることが多いんですが、これはヘンテコな解釈を招きやすく、ダメだということに最近なりつつあります」
2015-01-19 17:06:23野間「どっちもいいセン行ってると思います。差別とか排斥が出た方が全面に出たほうがいいんじゃないかと。東京新聞なんかでは部署によってはヘイトスピーチ(差別煽動表現)だったり(憎悪表現)だったり、まだバラバラです」
2015-01-19 17:08:26野間「ドイツには『民衆扇動罪』といって、ユダヤ人に憎悪を煽るような言葉を言ったら刑務所に入れられてしまうというかなり厳しい取り決めがあります。自分たちがホロコーストやっちゃったという反省があって、ナチス関係の出版・宣伝はドイツではできません」
2015-01-19 17:10:00