なんかイスラム国の画像について「影の向きが左右逆になってるから合成だ」って言ってる人が一杯居ますけど、光源が無限遠光源(つまり太陽)でかつカメラの後ろ側に存在する場合は普通に左右逆になりますので、それだけでは合成だとは断言出来ません。 pic.twitter.com/9MIX6QPNE2
2015-01-20 17:51:18テーマは「影の向きが左右逆になる事がどうして有り得るのか」と、「影の向きが合っているのだとしたらなぜ合成っぽく見えるのか」ね。
2015-01-20 20:18:25太陽光線は(ほぼ)平行に照射されますので、地面に対して水平に浮いている薄い板のような物の場合、板と同じ輪郭、同じ大きさの影になりますね。 pic.twitter.com/bvTBxQSIga
2015-01-20 20:43:50光源が電球などのように物体のすぐ近くにある場合、光線は放射状に広がりますが、太陽は無限の彼方にあるため、全ての光線は全く同じ向きに飛んできます。つまり平行です。 pic.twitter.com/lSIsnAUoQc
2015-01-20 20:47:35実際には太陽と地球の距離は有限であり、光線も厳密に言えば平行ではありませんが、殆ど誤差の範囲内ですから、普通、太陽は無限の距離にあるものと仮定します。
2015-01-20 20:49:33「平行」と言いましたが、これはあくまで三次元的に平行に照射されているという話であって、二次元の写真上においても光線が平行になっているという意味ではありません。
2015-01-20 20:57:38実際にパースが掛かった状態(遠近法を使った絵)では遠くの物ほど小さくなりますから、三次元的に平行であるはずの光線が平行には見えなくなります。 pic.twitter.com/LkeUOEIOAc
2015-01-20 21:00:14これは立方体のような物体を想定してみると想像しやすいと思います。この図で言うと、4つの赤い辺は平行になっており、どこまで伸ばしても交わらないはずですが、下のようにパースが掛かった状態だと赤い線はいずれ一点に収束していきそうです。 pic.twitter.com/1ttOri76Fs
2015-01-20 21:05:35カメラ(視点)の位置をちょっと変えてみます。例えばカメラの真正面に立方体を置いた場合、4つの赤い辺の延長線は画面の中央あたりで収束することになります。 pic.twitter.com/DlCRvL05Kz
2015-01-20 21:11:37これは立方体の4つの辺が、地面に対して斜めになっていたとしても同じように一点に収束していきます。先ほどのテーブルに当てはめるとこんな感じです。 pic.twitter.com/brH0HA3spu
2015-01-20 21:18:49テーブルの左側に当たった光は、二次元的に考えると画面左上から右下方向に、右側に当たった光は画面右上から左下方向に照射されているという事に注目してください。
2015-01-20 21:20:42ちょっと急ぎ足の説明になりますが、これが例えば左右二対に並んだ板状の物だった場合、光の向きと影の落ちる方向はこうなるという事が感覚的にお分かりいただけるでしょうか。 pic.twitter.com/Qi33LY81BW
2015-01-20 21:27:33わかりやすいように色を付け、首の位置も猫背気味にしました。光線に沿って影も画面中央寄りに落ちますので、頭から身体に向かって落ちる影や物体そのものに掛かる陰も中央寄り(左右逆)になります。 pic.twitter.com/GXd2SOmaoQ
2015-01-20 21:42:40「平行に照射されるの光線が画面上では平行ではなく、消失点に向かって収束する」という事を感覚的に知っておくと、例えば全体的にパースがキツイ構図の絵を描く場合、影の向きを一様にしてはいけない理由が分かります。 pic.twitter.com/Oyddg7eSUm
2015-01-20 21:54:52人間の目というのは実に良く出来ていて、パースだとか消失点だとかそういった専門知識が無くても、絵を見て物体を頭の中で立体的に解釈する事が出来るのです。
2015-01-20 22:06:22