半年かけて増築プランを作成したが契約書がなかったため2000万円の請求が認められなかった件
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追記
まず「基本設計」とは、イラストならラフデザイン、文章や漫画ならプロット作成のような作業。 工事全体の大まかな方向性を決定する作業。建築工事では「確認申請」を受ける必要があり、これも基本設計の中にある。
2015-01-27 19:08:17簡単なプランニングなら確かに「無料お見積り」の判断だけど、申請や近隣の調査となると「正式に契約してから」になることが多いと思う。 この件では実際に「指定確認検査機関との事前協議」を行っていて、かなり踏み込んだところまで進んでいた模様。
2015-01-27 19:10:02で、07年6月20日には改正建築基準法施行(構造計算書偽造問題によるアレ)があり、確認申請が厳しくなり、時間もかかるようになる。設計会社としても、もちろん施主としても早く進めたいから、この手続きを急いだ。
2015-01-27 19:13:26その間、設計会社は契約書を作成してホテル側へ送付していたが、ホテル側は「金融機関からの融資が決定しないので」と、契約書への捺印を先送り。 そうこうしているうちに期限が迫り、「改正建基法施行前に確認申請できなくてもやむを得ない」となった。
2015-01-27 19:16:28そうなればかなりの追加作業が見込まれるので、ここで改めて基本設計料の支払いを求めた。その額2000万円。 しかしホテルは支払いを拒否し、設計事務所は提訴。 しかし地裁は訴えを棄却。 「設計業務委託契約が成立しておらず、設計事務所の作成した基本設計は最終案ではなく、企画段階だった」
2015-01-27 19:18:38「設計事務所の計画案が「後日修正がされるなど、最終的な計画案であったとは認められない」ことを重視。計画案が確定しなければ銀行との融資に関する協議を進められないので、ホテル運営会社が銀行と融資の具体的協議を進めなかったことは不誠実な対応ではないとした」
2015-01-27 19:19:06「設計報酬額は最終計画案の規模や工事金額などによって左右されるから、最終計画案が確定していなければ契約が締結されたと推認できない。また契約書に捺印もされていなかったのだから、「設計・監理の業務委託契約が明示的にも黙示的にも成立したと認めることはできない」と結論付けた。」
2015-01-27 19:19:45「東京高裁も10年10月6日の控訴審で、同様の判断を示し」た。 「建築設計会社が、建築設計業務を受託する可能性のある顧客に対し、その建築希望を聞いて、大まかな予算、規模、工程などの事業方針、設計条件などを検討整理し、……」
2015-01-27 19:20:48「図面などを作成して、希望に沿う建築物のプランを提案し、これを建築するよう勧誘することが行われるが、これは建築設計会社の営業活動の1つと考えられる」との見解を示した。」 確認申請の事前協議も含め、すべて「営業活動」と見なされ、報酬の請求はできないとのこと。
2015-01-27 19:21:46反応には「他の分野の人は正直あんまり関係ないと思う」とはあったけれど、ソシャゲのイラスト発注で似たような話はありましたね。 絵師さん達が語る「ソーシャルゲームのお仕事について」 - Togetterまとめ togetter.com/li/368337
2015-01-27 19:24:48「アイデアに著作権はない」というあたりを悪用した踏み倒し案件みたいなね。 colabora.jp/faq/faq9.html 法的拘束はなくとも、やはりアイデアというのは無料で無限に湧き出すものではないのだし。
2015-01-27 19:26:42さっきのまとめももう3年前のものだし、探せばSE業界にもきっとある。この手の問題はどんな業界にも起こりえることだと思われますので、改めて皆様ご注意いただいて、こういう不幸な案件が生じないよう祈る次第です。
2015-01-27 19:28:26