大成功か大嘘か「キメラマウス」 ~STAP細胞よもやま話~
@Butayama3 胚盤胞のもとになった受精卵は、ちゃんと生殖能力のあるカップルが交配してできたものですが、3.5日目で(ちょっと可哀想ですが)身体から取り出します。あ、そうか。マウスの身体から胚盤胞を取り出すことを説明していなかったですね。
2015-01-29 00:47:30@Butayama3 で、月が満ちて赤ちゃんマウス誕生。毛色がまだらならば、注入した細胞とホストの細胞が混ざったキメラ状態になっている、というわけです。身体の中の細胞も見て、いろんな臓器に緑に光る細胞があれば、「注入した細胞は多能性があった」となるわけです。
2015-01-29 00:51:49なるほど、ちゃんと細胞が混ざった赤ちゃんができるなら、注入した細胞が「多能性がある」と言えるわけですね。
@Butayama3 赤ちゃんは産まれたのに、真っ白しろで、身体の中を調べても緑に光る細胞がなかった……ということももちろんあります。それは「注入した細胞に多能性があったとはいえない」となります。
2015-01-29 00:55:17@Butayama3 コブのような塊として緑に光る細胞があったり、何か特定の種類の臓器だけから見つかった場合も「多能性があった」とはいえないでしょうね。
2015-01-29 00:55:52@shima_usa96 なるほどー。そっか、多様性があるからこそ、ちゃんと混ざって赤ちゃんになるわけですね。 で、これはもちろんES細胞でも同じことができるわけですね?
2015-01-29 00:57:39↑「多様性」じゃなくて、「多能性」ですね。
さて、もともとはES細胞の多様性の有無をチェックするためのものだった「キメラマウス」。
@Butayama3 はい。もともとはES細胞をつくったときに(シャーレで増やせる状態の細胞にしたときに)、そのES細胞に本当に多能性があるかどうかのチェック項目なのです。山中伸弥先生のiPS細胞のときも、同じ方法でキメラマウスをつくり、多能性を証明しました。
2015-01-29 01:00:16そしてさらに「高性能」なキメラマウスがあるという。
@Butayama3 さらに「質の高い」多能性の証明というのがあって、1つは産まれたキメラマウスがおとなになって、子どもを産み、その子どもにもともとの注入した細胞が引き継がれていることです。つまり、注入した細胞がキメラマウスの中で卵や精子に分化したという意味です。
2015-01-29 01:03:35@Butayama3 これは、それなりにハードルが高いみたいです。精子や卵は、異常があるとすぐに排除されてしまうからなのかもしれません。
2015-01-29 01:04:56@Butayama3 もう1つの「質の高さ」の証明が、100%マウスとか4Nマウスとか呼ばれている方法です。前者の呼び方の方がわかりやすいと思いますが、身体中の細胞が100%すべて、注入した細胞からできているキメラマウスのことです。
2015-01-29 01:07:17えっ、100%のキメラマウスって。
@Butayama3 もはや、2種類の由来の違う細胞が混ざった状態ではないので、キメラと呼ぶのは言語矛盾なのですが、まぁ、こう呼ばれています。
2015-01-29 01:08:44@Butayama3 あーなるほど。たしかにクローンといえば、クローンですね。STAP細胞のもととなった脾臓の持ち主である赤ちゃんマウスと、遺伝情報はまったく同じになりますね。
2015-01-29 01:11:41@Butayama3 4Nキメラ(100%キメラ)はちょっと変わった胚盤胞から作ります。2つの胚を融合させて、1つになった胚盤胞を使います。普通の胚盤胞は、染色体を2セット持っているので、2Nと書きますが、これは4セット持っているので4N。なので、4Nキメラです。
2015-01-29 01:19:09@Butayama3 iPS細胞でも、非常に難しいそうですが100%キメラはできますよ。ただ、もちろん、日本ではヒトの多能性細胞から赤ちゃんをつくることは禁じられています。
2015-01-29 01:22:05@shima_usa96 あれ、元の卵の染色体の数は増えているのに、混ぜた方の遺伝子が優ってしまうんですか。
2015-01-29 01:22:55@Butayama3 優ってしまうというより、4Nだと多すぎて、細胞がうまく生きていけないようなのです(これは、次のトリソミーにも関係します)。4Nの胚盤胞の細胞からは胎盤はできるのですが、胎児にはなれないのです。そういう胚盤胞に、多能性のある細胞を注入すると……
2015-01-29 01:25:21@Butayama3 身体のすべてが注入細胞由来の100%キメラマウスとなるわけです。これは非常にハードルが高くて、これができれば、非常に質の高い多能性細胞といえるわけです。STAP論文では、STAP細胞でも、STAP幹細胞でも4Nキメラができたと主張していました。
2015-01-29 01:28:40