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大成功か大嘘か「キメラマウス」   ~STAP細胞よもやま話~

日経サイエンス3月号発売記念まとめ第2弾。 今回も、特集「STAPの全貌」の執筆者の一人である縞うさぎさんこと詫摩雅子さん@shima_usa96が解説してくださいました。 お題は「キメラマウス」。 多能性細胞がきちんと「多能性」であることチェックするためには「キメラマウス」を作るのだそうですが…。
科学 キメラマウス STAP細胞 tcr再構成 胚盤胞 多能性 ES細胞 全能性
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縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 胚盤胞のもとになった受精卵は、ちゃんと生殖能力のあるカップルが交配してできたものですが、3.5日目で(ちょっと可哀想ですが)身体から取り出します。あ、そうか。マウスの身体から胚盤胞を取り出すことを説明していなかったですね。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 で、月が満ちて赤ちゃんマウス誕生。毛色がまだらならば、注入した細胞とホストの細胞が混ざったキメラ状態になっている、というわけです。身体の中の細胞も見て、いろんな臓器に緑に光る細胞があれば、「注入した細胞は多能性があった」となるわけです。

なるほど、ちゃんと細胞が混ざった赤ちゃんができるなら、注入した細胞が「多能性がある」と言えるわけですね。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 赤ちゃんは産まれたのに、真っ白しろで、身体の中を調べても緑に光る細胞がなかった……ということももちろんあります。それは「注入した細胞に多能性があったとはいえない」となります。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 コブのような塊として緑に光る細胞があったり、何か特定の種類の臓器だけから見つかった場合も「多能性があった」とはいえないでしょうね。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 なるほどー。そっか、多様性があるからこそ、ちゃんと混ざって赤ちゃんになるわけですね。 で、これはもちろんES細胞でも同じことができるわけですね?

↑「多様性」じゃなくて、「多能性」ですね。

さて、もともとはES細胞の多様性の有無をチェックするためのものだった「キメラマウス」。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 はい。もともとはES細胞をつくったときに(シャーレで増やせる状態の細胞にしたときに)、そのES細胞に本当に多能性があるかどうかのチェック項目なのです。山中伸弥先生のiPS細胞のときも、同じ方法でキメラマウスをつくり、多能性を証明しました。

そしてさらに「高性能」なキメラマウスがあるという。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 さらに「質の高い」多能性の証明というのがあって、1つは産まれたキメラマウスがおとなになって、子どもを産み、その子どもにもともとの注入した細胞が引き継がれていることです。つまり、注入した細胞がキメラマウスの中で卵や精子に分化したという意味です。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 これは、それなりにハードルが高いみたいです。精子や卵は、異常があるとすぐに排除されてしまうからなのかもしれません。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 もう1つの「質の高さ」の証明が、100%マウスとか4Nマウスとか呼ばれている方法です。前者の呼び方の方がわかりやすいと思いますが、身体中の細胞が100%すべて、注入した細胞からできているキメラマウスのことです。

えっ、100%のキメラマウスって。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 もはや、2種類の由来の違う細胞が混ざった状態ではないので、キメラと呼ぶのは言語矛盾なのですが、まぁ、こう呼ばれています。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 えっ。これ、クローンとは違うんですか。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 あーなるほど。たしかにクローンといえば、クローンですね。STAP細胞のもととなった脾臓の持ち主である赤ちゃんマウスと、遺伝情報はまったく同じになりますね。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 4Nキメラ(100%キメラ)はちょっと変わった胚盤胞から作ります。2つの胚を融合させて、1つになった胚盤胞を使います。普通の胚盤胞は、染色体を2セット持っているので、2Nと書きますが、これは4セット持っているので4N。なので、4Nキメラです。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 えーー!!そんな複雑なー!
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 iPS細胞でも、非常に難しいそうですが100%キメラはできますよ。ただ、もちろん、日本ではヒトの多能性細胞から赤ちゃんをつくることは禁じられています。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 あれ、元の卵の染色体の数は増えているのに、混ぜた方の遺伝子が優ってしまうんですか。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 優ってしまうというより、4Nだと多すぎて、細胞がうまく生きていけないようなのです(これは、次のトリソミーにも関係します)。4Nの胚盤胞の細胞からは胎盤はできるのですが、胎児にはなれないのです。そういう胚盤胞に、多能性のある細胞を注入すると……
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 身体のすべてが注入細胞由来の100%キメラマウスとなるわけです。これは非常にハードルが高くて、これができれば、非常に質の高い多能性細胞といえるわけです。STAP論文では、STAP細胞でも、STAP幹細胞でも4Nキメラができたと主張していました。

--ここで、次の日の1/29、4Nキメラマウスの作り方について、ある指摘が入りました。
Don Micheletto バイクくんさん@Micheletto_Dの説明をお聞きください。
縞うさぎさんのご説明の中の「二つの胚を融合させて」という部分に問題があったようです。
さて、どんな問題が?

バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
4Nキメラ法のイメージはこれが判り易いかな。2細胞期の胚を電気刺激で一つの細胞にしてしまう。それぞれ2Nなので合計4Nの胚盤胞になる。そこにESやiPSを打ち込む。結果出来るのはクローンマウス(ぶた.. togetter.com/li/775726#c176…
ぶたやま @Butayama3
@Micheletto_D ありがとうございます。なんと、電気刺激で…!
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 そうです。折角分裂して2細胞になった胚を1細胞に電気刺激でもどしちゃうのです。ここで4Nの1つの細胞(胚)が出来てこれが分裂して胚盤胞になったら取り出して、多能性を検証したい細胞を打ち込んでクローンマウスを作ります
ぶたやま @Butayama3
@Micheletto_D うーんと、元ある染色体の働きを止めつつ、多能性細胞をその中で成長させるためにこういうことをするんですか。
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 ざっくばらんな理解はそれでいいです。しかし、ぶたやまさん用にもう少し書きます
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 ざっくり書くと)2Nの胚盤胞は外側の細胞が胎盤等に内側の細胞が胎児になります。胚盤胞の中にESなどを入れると元々ある胚盤胞の内側の細胞と混ざって胎児が出来ます。これがキメラマウス。マウスにならなかった分は胎盤などに分化して胎児の成長を支えます
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 一方4N胚盤胞では外側の細胞は胎盤などになれるのですが、内側の細胞は胎児にはなれないのです。ですから胚盤胞に入れた細胞だけがマウスの胎児になれる=クローンマウス、ということになります。元々の胚盤胞由来の細胞は全く胎児になれないので厳密に入れた細胞のクローン
ぶたやま @Butayama3
@Micheletto_D いえ、ありがとうございます。 電気刺激を与えれると倍になっちゃうのとかすごく不思議。 あと、そんなややこしい状態で、ちゃんと胎児になって、マウスになるのですね。厳密なのか適当なのか、よくわかんない。
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 電気刺激はスイッチみたいなものです。それで細胞融合のメカニズムが動き出す。なのでそのメカニズムのスイッチを入れる方法であれば他の方法でもOKです。電気刺激は強さや長さや頻度を調節する事によって色んなメカニズムのスイッチとして実験で用いられています
バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D
@Butayama3 厳密なのは「2N細胞しか胎児にならない」ということです。でも適当さがあるので入れた細胞でマウスになっちゃう。
ぶたやま @Butayama3
@Micheletto_D へえーー!(・∀・) 不思議…。

ここで私はまだピンと来ていませんが、「二つの胚を」ではなくて、せっかく二つの細胞に分かれた胚に電気刺激をして一つの細胞に戻して、4Nにするということのようなのです。
2N細胞しか胎児にはならないので、注入された細胞のみが成長するという理屈ですか。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 ぶたやまかーさんっ!私、昨日、4Nキメラのつくり方のところで、胚を融合って書いてますね。ごめんなさい。ミケ先生 @Micheletto_D はじめ、多くの方のご指摘の通りです。受精卵から1回だけ分割した2細胞期を融合させます。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 @Micheletto_D ミケ先生の説明を聞いてあれー?と思っていたのですが、今はっきりしました。(・∀・) ←今かよ

ということで、4Nマウスの作り方に関する指摘はここまで。
以下、流れに戻ります。

--あ、STAP細胞でも4Nマウスが作れるなんて話があったんですか。

縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 TCR再構成の話にも関連しますが、STAP細胞が本当にT細胞由来ならば、4Nキメラの全身の細胞に、TCR再構成の痕が見つかるはずなのです。実際、論文の最後の手法を記した欄には、キメラマウスの尻尾の皮膚で、TCR再構成の解析をしたと書いてあります。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 でも、その結果は記されていないんですよ。(TCR再構成の解析結果)
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 できたできたって言ってるだけですか、、、、。
縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96
@Butayama3 いえ、キメラマウスの尻尾でTCR再構成の痕跡を調べた、と書いてあるだけで、その痕跡があったともなかったとも書いていないです。
ぶたやま @Butayama3
@shima_usa96 ずこー_(:3ゝ∠)_となりますな。

そしてここで、ある生物学者の方がおっしゃった名言に触れます。

コメント

バイクくん@進撃の超お嬢様執事 @Micheletto_D 2015年1月29日
4Nキメラ法のイメージはこれが判り易いかな。2細胞期の胚を電気刺激で一つの細胞にしてしまう。それぞれ2Nなので合計4Nの胚盤胞になる。そこにESやiPSを打ち込む。結果出来るのはクローンマウス(ぶたやまさん8888) http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/life/haihu66/siryo2_2.pdf
ぶたやま 3日目南ヌ09b@C97 @Butayama3 2015年1月31日
まとめを更新しました。分子生物学や遺伝子工学にお詳しいDon Micheletto バイクくんさん@Micheletto_D による「4Nマウスの作成方法」についてのツイートを収録しました。
ぶたやま 3日目南ヌ09b@C97 @Butayama3 2015年1月31日
まとめを更新しました。今度こそ、大丈夫(のはず)。
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