ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#5

(これまでのあらすじ:ミッション中に思わぬブザマを晒したリフレックス。そんな彼に、変化が訪れようとしていた……)
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「スシ・バー?そういやメシがまだだったな」戻ってきたベリジェレントが言う。サラマンダーの呼び出しがあったので、食べそびれていたのだ。リフレックスは不意に空腹を思い出した。「ここで食うか」ぼそりと呟く。「オゴるぞ」「マジか!」21 #4215tk

2015-01-29 20:51:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「エーラッシェー……アイエッ」ガラガラの店内。老店主は入ってきた客を見て小さく悲鳴を上げた。ニンジャだからだ。しかし、見覚えがある。「久しぶりだな、爺さん」リフレックスは適当にカウンター席に座る。ベリジェレントは物珍しげに店内を見回してからその隣に座った。22 #4215tk

2015-01-29 20:54:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「マグロあるか」驚いたようにベリジェレントを見つめている老店主に、リフレックスは注文する。「アッハイ、マグロですね。ありますよ」「じゃあそれ。……お前どうすんだ、ベル?」「ア?……いいよ、同じので」「ハイヨロコンデー!」老店主がスシを握り始める。23 #4215tk

2015-01-29 20:57:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ヘイお待ち」「「ドーモ」」リフレックスとベリジェレントはマグロ・スシを受け取り、食べる。「……うん、ウマイ。どうだ、ベル?」ベリジェレントは答えない。黙々とスシを咀嚼している。リフレックスは苦笑した。真剣な顔つきからして、気に入ったようだ。24 #4215tk

2015-01-29 21:00:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「次、タマゴ」「オレも同じの!」「ハイヨロコンデー」老店主が新たなスシを握り始める。スシを食べ終えたらしいベリジェレントが、リフレックスに顔を寄せ、囁く。「なあ」「うん?」「お前。ここ、ジョーレンなのか」「ああ」「もっと早く教えろよ、このバカ」25 #4215tk

2015-01-29 21:03:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

リフレックスはまた苦笑する。確かにその通りだ。今までカラテにつきっきりで忘れていた。「ヘイお待ち」「「ドーモ」」二人はタマゴ・スシを受け取り、食べ始める。「次はエンガワを。ベル、お前も好きなの頼め」「マグロもう一つ!」「ハイヨロコンデー」26 #4215tk

2015-01-29 21:06:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

タマゴ・スシを食べ終えたリフレックスが口を開ける。「なあ爺さん」「ハイ」「娘さん元気か?」「ハイ、お陰様で」「そりゃよかった」他愛もない世間話。ベリジェレントは食べるのに集中している。「エンガワお待ち。……リフレックス=サンもお久しぶりで」27 #4215tk

2015-01-29 21:09:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「エッ?」不意に話を振られたリフレックスは思わず声をあげた。「ああ、そうだな。いろいろあったんだ、俺にも」「そうですか」老店主は必要以上に踏み込まなかった。彼はマグロ・スシを握り始める。リフレックスは息をついた。さすがにザイバツの事を話すわけにはいかぬ!28 #4215tk

2015-01-29 21:12:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「マグロお待ち」「ドーモ」嬉しげにスシを受け取るベリジェレントを横目で見ながら、リフレックスはふと思う。そういえば、ここに来れるのもこれで最後かもしれない。明日からアッパーガイオン、キョート城だ。(((寂しいもんだな)))思えば、ここには世話になった。29 #4215tk

2015-01-29 21:15:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……食事を済ませ、チャを飲み終え。リフレックスたちは立ち上がった。「爺さん、勘定」「エッ?アッハイ」意外そうな顔をした老店主がリフレックスに向き直る。リフレックスは己の財布から万札を三枚取り出し、差し出した。老店主が目を丸くする。「多すぎますよ」30 #4215tk

2015-01-29 21:18:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「今までの分も込みだ。足りんかもしれんが」リフレックスはカウンターの上に万札を置く。「もうここには来れないかもしれないからな」老店主はまじまじとニンジャを見つめた。出口では、ベリジェレントが怪訝な顔をしている。「……わかりました。アリガトゴザイマス」31 #4215tk

2015-01-29 21:21:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「オタッシャデ」リフレックスが店を出ようとした時、老店主はその背にそんな声を投げかけた。リフレックスは足を止め、振り返った。「ドーモ。オタッシャデ」それで最後だった。リフレックスは店を出て、外で待っていたベリジェレントと合流した。32 #4215tk

2015-01-29 21:24:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「センチメントだな」ベリジェレントが鼻を鳴らす。「アイツと仲良かったのか、リフ?」「そうかもな」リフレックスは適当に返事をし、テンプルへの帰路につく。彼女も続く。「向こうがどう思ってるかまでは知らねえよ」「あっちもそう思ってんだろ、たぶん」33 #4215tk

2015-01-29 21:27:05
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ベリジェレントがマジメくさった顔で言う。「オレからはナカヨシに見えたけどな。……もしかして、お前が非ニンジャ殺せねえの、それのせいか?」「は?違う違う!」思いもよらぬ言葉にリフレックスは慌てて手を振った。「そんなんじゃねえ。もっとこう……個人的なアレだ」34 #4215tk

2015-01-29 21:30:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「なんだよそれ」ベリジェレントが顔をしかめる。「もっと具体的に言えよ」「別にいいだろ」「よくねえよ!迷惑すんのオレなんだぞ」リフレックスは言葉に詰まった。そこを突かれると弱い。リフレックスはベリジェレントと睨み合い……根負けしてため息をついた。35 #4215tk

2015-01-29 21:33:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「その……笑うなよ」「内容次第だ」「……じゃあ誰にも言うな」「内容次第」リフレックスは唸る。やや躊躇ってから、小さな声で言った。「……怖いんだよ」「ア?」「殺そうとしたやつがニンジャになって蘇るかも、と思うと、怖いんだ」ベリジェレントは真顔で彼を見つめた。36 #4215tk

2015-01-29 21:36:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「……なんか言えよ」「リフ」「おう」「ワリイ、約束一つだけ破る」「なんだと?」リフレックスが訝しんだ。それがどうやらベリジェレントの限界だった。彼女は、吹き出し、笑い始めた。涙が出るほどに。呆然とするリフレックスの前で、彼女は笑い続けた。37 #4215tk

2015-01-29 21:39:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「おまッ、エッ!なんだその……ガキじゃねえんだぞ!?ハハハハハッ!」体を折るほどに笑っていた彼女が平静を取り戻すまでに、およそ数分かかった。目尻の涙を指で拭いたベリジェレントは、なおもおかしそうにリフレックスを見る。「お前、やっぱりチキンだ」「うるせえ!」38 #4215tk

2015-01-29 21:42:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不機嫌な返事と共にリフレックスは歩き始める。ベリジェレントはニヤニヤと笑いながらそれを追いかけた。「安心しろッて、他の奴にはばらさねえよ」「……それはありがたいが」「それにしてもお前、なんつーか……想像力豊か?スゲエな」「褒め言葉として受け取っておく」39 #4215tk

2015-01-29 21:45:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「スネんなよ、リフ。あれだぜ、想像力ってニンジャに大切なんだろ?誇れよ」呆れたようにリフレックスは息をついた。たしかに、ミラーシェードもそんなことを言っていた気もする。「物は言いようだな」「下手にネガティブになるよりは、そっちのがいいだろ」「……まあ、確かに」40 #4215tk

2015-01-29 21:48:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

変なところで前向きな奴だ。リフレックスは薄く微笑む。「……なあ、ベル」「なんだよ」「向こうでもよろしく頼む」「ハ!また変なところでヘタれやがったら承知しねえからな。覚悟しろよ」「ああ、しておく」他愛無い会話。二人のニンジャは並んで帰路についた。41 #4215tk

2015-01-29 21:51:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

翌朝!まだ薄暗いアッパーガイオンの空の下を駆ける二人のニンジャあり!リフレックスとベリジェレントである。アンダーガイオンのリフトから降り立った二人は、キョート城は踊るモンキーの区へと向かっていた。彼らの疾走は、一般人からすれば色付きの風にしか見えぬだろう!43 #4215tk

2015-01-29 21:54:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼らは時間をかけることなくキョート城に到達!塀を登り、まだ薄く靄のかかる踊るモンキーの区へと足を踏み入れる!「来るのがハヤイすぎたか?」ベリジェレントが目の上に手で庇を作り、周囲を見渡す。リフレックスは目を細めた。「いや、丁度良かったみたいだ」44 #4215tk

2015-01-29 21:57:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

彼のニンジャ野伏力は、こちらに接近するニンジャを捉えていた。おそらく二人。やがて足音もなく、靄を掻き分けるようにニンジャたちが姿を表す。片やダークイエロー装束のニンジャ。片や小柄な女ニンジャだ。彼らもまた、こちらの存在を認めたらしい。ゆっくりと近づいてくる。45 #4215tk

2015-01-29 22:00:05
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