ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#7

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「何かあったのか」リフレックスの問いに、ディプレッションは静かに首を振った。しかし彼のニンジャ聴力は、個室に戻る際に彼女が呟いていた言葉を図らずも捉えていた。「フェイタル……何故……」その言葉の意味を追求することは、リフレックスにはできなかった。86 #4215tk

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……かつて平安時代の哲学剣士、ミヤモト・マサシはこう言った。「二度あることは三度四度と続く」と。その日、リフレックスは不自然に早く目を覚ました。妙な胸騒ぎがする。彼はフートンから抜け出す。同時に、個室のフスマがノックされた。87 #4215tk

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「ハイ」返事をしたリフレックスは、フスマを開ける。そこにはディプレッションが立っていた。「起きていたんですか」「ああ……何か、あったのか」彼は表情を引き締める。ディプレッションの沈痛な表情と、ただならぬアトモスフィアから察しがついた。悪い事が起きたのだと。88 #4215tk

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「……落ち着いて、聞いて欲しいのですが」ディプレッションが苦しげに口を開いた。彼女は沈痛なため息とともに、言葉を吐き出す。「サラマンダー＝サンが亡くなられたそうです」「な……？」リフレックスは言葉を失った。脳が理解を拒む。あのサラマンダーが？89 #4215tk

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「な、なにをバカな」リフレックスは笑おうとした。「サラマンダー＝サンが死ぬ？そんなことがあり得るわけ……」それ以上言葉は続けられなかった。ディプレッションの悲痛な表情が、その知らせを真実だと告げていた。「嘘だ……嘘だッ！」90 #4215tk

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リフレックスは思わず叫んでいた。「あの人が……そんな簡単に！ありえない！」「ありえてしまったのです」低い声で、ディプレッションが言った。「……シャドー・コンに潜り込んでいたニンジャスレイヤーによって、殺されたと」「ニンジャスレイヤー……？」91 #4215tk

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先ほどの叫びで起こされたか、フスマからベリジェレントとイルネスの顔が覗く。それを咎める精神的余裕は今のリフレックスに無く、彼女らもまたアトモスフィアを察し言葉を挟むようなことはしない。「ニンジャスレイヤーが……何故。奴はネオサイタマにいるはずじゃ」92 #4215tk

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「詳しいことは、まだ何も」ディプレッションがゆっくりと首を振る。「我々に伝えられたのは、サラマンダー＝サンがニンジャスレイヤー＝サンによって殺害されたという事実だけ」ベリジェレントが息を飲む音が聞こえた。「そしてもう一つ、あなた方に悪い知らせが」93 #4215tk

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「あなた、がた？」リフレックスが震える声で訊く。「リフレックス＝サンと、ベリジェレント＝サンです。……サラマンダー＝サンに、自らの利益のためドラゴン・ニンジャを隠匿していたという嫌疑がかけられ……その」ディプレッションは言い淀む。94 #4215tk

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「……その嫌疑を晴らすため、彼の配下であったニンジャほぼ全員が……セプクをすると。決定したそうです」「なッ……」「ザッケンナコラー！」言葉を失ったリフレックスの代わりに激昂したのはベリジェレント！「あいつらがザイバツをごまかすような真似するわけねえ！」95 #4215tk

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「お二人は無関係だと、ランチハンド＝サンを通して伝えてあります」ディプレッションが静かに言う。その声は僅かに震えていた。「実際、サラマンダー＝サンの元にドラゴン・ニンジャが来るより早く、あなた方はこのチームに」「そういう問題じゃねえだろうが！」「よせ、ベル！」96 #4215tk

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ベリジェレントはリフレックスを睨み……そのまま沈黙した。強く握った拳からは血が流れている。「……それで終わりか、報告は」「はい。……ただ」「ただ？」ディプレッションは深く息を吐き、言った。「お二人に、カイシャクを希望するニンジャがいるそうです」97 #4215tk

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「……ミノタウル＝サンと、フューズフィンガー＝サンか？」リフレックスが挙げた名に、ディプレッションは頷いてみせた。重苦しい空気が広がる。「無論、強制ではありません。断っても問題は」「いや」リフレックスは言葉を遮り、頭を振った。「行く」98 #4215tk

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ベリジェレントが驚いたようにリフレックスを見つめる。彼女はややあってから口を開いた。「……リフが行くんなら、オレもだ」「わかりました。そのように伝えます」硬い声でディプレッションが言う。「セプクは明日、行うそうです。遅れぬようにしてください」99 #4215tk

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……再び一人になったリフレックスは、壁に寄りかかり、ずり落ちるように腰を落とした。何故こうなった。何故。彼は頭を抱える。……いずれにせよ、ミノタウルとフューズフィンガーには世話になった。せめて、最後だけは看取りたい。100 #4215tk

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彼の心中を漠然とした不安が覆う。まるでニンジャになる前の自分に戻ったかのようだった。彼は眠れぬままに夜を過ごした。101 #4215tk

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【ラン・コワード・ラン】#　7終わり。# 8へ続く #4215tk

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◇客電◇以上で本日の投稿は終了です。【ラン・コワード・ラン】はじゃあくなニョタイモリ器研修などとの戦いを経て着実に終結へ向かいつつありごあんしんください。ただ文章量がすごい。スンマセン。まとめは早めにやります。今後ともヨロシクオネガイシマス◇客電◇ #4215tk