ニンジャスレイヤー二次創作【ラン・コワード・ラン】#7
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「死神がどうこうと言っていましたね。あれはどういう意味です?」ディプレッションがノーウェアの頭部を踏みにじる。「言えばカイシャクしてさしあげます」「ア、アバッ……み、見かけたのだ。数日前……あの死神……ニンジャスレイヤーが、キョート駅に入っていくところを」61 #4215tk
2015-02-08 18:52:14怪訝な顔をするディプレッションに気づく様子もなく、ノーウェアは続ける。「サンシタめいたニンジャと一緒に……」「ニンジャと一緒にィ?」ベリジェレントが声を上げた。「見間違えじゃねえのか、そりゃあ」「ザイバツニンジャの襲撃……迎撃のカラテ……あれは」62 #4215tk
2015-02-08 18:55:09もはやノーウェアは息も絶え絶え。これ以上の情報は望めそうにない。そう判断したディプレッションは「イヤーッ!」ノーウェアの頭部を踏み抜く!リフレックスが反射的に飛び退いた瞬間「サヨナラ!」ノーウェアが爆発四散!同時にディプレッションはIRC通信開始!63 #4215tk
2015-02-08 18:58:05「ドーモ、ストーカー=サン。ディプレッションです……ええ、例のニンジャたちをキル完了。……ハイ、それで奴らが興味深い情報を……」電算機室に報告を始めた彼女を他所に、リフレックスは周囲を見渡した。まだ銀行サラリマンや銀行オーエルが、怯えた顔でこちらを見ている。64 #4215tk
2015-02-08 19:01:07「どうすんだ、これ」リフレックスは思わず呟いた。彼は頭上を仰ぐ。突入に際して空けられた天井の穴から、綺麗な青空が見えた。アンダーガイオンでは馴染みのなかった光景だ。それはいい。「派手にやりすぎたんじゃないか」彼はディプレッションに向き直る。65 #4215tk
2015-02-08 19:05:40ちょうど通信を終えたディプレッションが小さく肩を竦めた。「ロードが重点キョジツテンカンホー・ジツをお使いになるそうですので、問題ないかと」キョジツテンカンホー。その言葉を聞くたびに、リフレックスの心に畏れが生まれる。ロードが持つ恐るべきジツ。66 #4215tk
2015-02-08 19:10:18非ニンジャの意識からニンジャを覆い隠し、ニンジャの存在を悟らせぬ。そうしたジツの存在はリフレックスも知っている。現に、オミヤゲ・ストリートの騒乱においてもロードはこのジツを使い混乱を収めたという。しかし、彼はそのジツの名を聞くたびに奇妙な心持ちになるのだ。67 #4215tk
2015-02-08 19:15:18(((ロードの御力は非ニンジャに対してのみなのか?もしや自分のようなニンジャにも罪罰罪罰罪罰罪罰やはりロードは恐ろしい方だ)))思考を終えたリフレックスは眉をひそめた。何か違和感があった。正体がわからない。何だ?「オイ、リフ」68 #4215tk
2015-02-08 19:20:12ベリジェレントが怪訝な顔で覗き込んできている。「お、おう。なんだ?」「なんだじゃねえ。撤収だ。あとはケビーシ・ガードに任せるんだと」「そうか」リフレックスは平然と銀行入り口から出て行くディプレッションとイルネスを見て、その後を追った。69 #4215tk
2015-02-08 19:25:04銀行から出て行く前に、リフレックスはふと後ろを振り返った。どこかぼんやりとした顔の銀行サラリマンや銀行オーエルたちが、こちらに空虚な視線を投げかけている。彼は身震いした。そしてその視線を振り払うかのように、足早に銀行を後にした。70 #4215tk
2015-02-08 19:30:05レンタル・ドージョー!「拳を上から……下へ」「上から、下」「そう、そんな感じだ」リフレックスはイルネスのぎこちないカワラ割りを見て頷く。最初の木人トレーニングを終えた結果、本格的に基礎からカラテを鍛え直すべきとディプレッションが判断したため指導しているのだ。72 #4215tk
2015-02-08 19:35:06「重要なのは、力で砕こうとするんじゃなく、下ろすときの勢いを利用することだ」リフレックスは、昔受けたミラーシェードからの指導を思い出しながらゆっくりと説明する。イルネスは熱心にそれを聞いている。「力だけじゃあ、カラテはどうにもならない」73 #4215tk
2015-02-08 19:40:04「例えば、あれな」リフレックスは組手を行っている二人を目で示す。「イヤーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ディプレッションがベリジェレントのカラテ・パンチを紙一重で回避し、投げ飛ばす。ベリジェレントは空中で身を捻り着地、舌打ちしてオジギした。74 #4215tk
2015-02-08 19:45:11「今のはベリジェレント=サンのカラテを利用して、ディプレッション=サンが投げ飛ばしたわけだ」組手を凝視していたイルネスに、リフレックスが解説する。「まあ、ジュー・ジツだな。イルネス=サンのジツを見るに、こっちを徹底して身を守れるようにすべきかもしれん」75 #4215tk
2015-02-08 19:50:11「同感ですね」汗をテヌギーで拭ったディプレッションが、二人の元へと近づく。「エヤミ・ジツの威力はよくわかりました。準備動作とジュー・ジツを組み合わせて、戦いながら発動できるようになることを目標にしましょう」リフレックスが苦笑した。理想が高い。76 #4215tk
2015-02-08 19:55:08「そもそもあのジツ、どういう仕組みなんだ?」リフレックスはイルネスを見上げ、訊く。「相当に強力なジツのようだが」「エート……」イルネスが困ったように呻く。彼女は手振りを交えて説明しようとした。「相手の……その、血中カラテを使って……維持を……アー」77 #4215tk
2015-02-08 20:00:08「オレはそれよりも、ディーがどうやってあのデカブツを倒したかが気になるけどな」合流してきたベリジェレントが無遠慮に声を投げかけた。「あれはイクサ用のカラテです」ディプレッションがさらりと答える。「組手で使うと相手が死ぬので、今まで披露できませんでしたが」78 #4215tk
2015-02-08 20:05:25絶句した一同を見渡し、ディプレッションが続ける。「掌にカラテを込めるのを意識すれば、肉体の破壊など容易です。とはいえ、速度が犠牲になるので普段のためにジュー・ジツも習得しています」「つまりはオレと同じってことだな」ベリジェレントが笑う。79 #4215tk
2015-02-08 20:10:03「その通りですね。使い分けは大事……組み合わせもまた大事です」ディプレッションが微笑み、そうまとめる。そして彼女はリフレックスに目を向けた。「次はリフレックス=サンが組手を。指導は交代します」「わかった」彼は頷き、ベリジェレントとともに離れる。80 #4215tk
2015-02-08 20:15:04「ある程度基礎が仕上がったら、あなたも組手に参加してもらいます。上達には実践が一番ですから」「ハ、ハイ」ディプレッションとイルネスの会話を後ろに聞き、リフレックスはベリジェレントと対峙する。彼らは同時にカラテを構えた。81 #4215tk
2015-02-08 20:20:15イルネス加入から一週間。彼女もまた組手に参加できるようになり、徐々にではあるがワザマエも上達してきた。が、それ以上にリフレックスの印象に残るのはギルドに降りかかった災難である。ネオサイタマに戻ったニンジャスレイヤーが、追撃隊をことごとく殺害したのだ。83 #4215tk
2015-02-08 20:25:52ザイバツ・シテンノであるレッドゴリラ。ネオサイタマに駐留し指揮を取っていたワイルドハント……しかしそれ以上に衝撃的だったのは、グランドマスターであるダークドメインの死である。状況からしてニンジャスレイヤーに敗れたに相違なし。84 #4215tk
2015-02-08 20:30:11しかし、朗報もある。ロードが密かに探し求めていたというリアルニンジャ、ドラゴン・ユカノが捕獲されたのだという。「かのニンジャは、ポータルを利用し既にキョートに来ていると」そうチームに報告するディプレッションの顔色は、不自然に悪かった。朗報にも関わらず、だ。85 #4215tk
2015-02-08 20:35:17