ドングリと文明

同タイトル本からの感想とか該当箇所要約とか
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m_um_u @m_um_u

ヘンジは環状で作られてるので単に機能性のためにそうやってつくられたのではなくなんらかの儀式的な意味があったのかと推測されるけどはっきりはわかってない。ただ、それらの中に身をおいてるとインスタレーション的な意味合いでなんか感じたり感じなかったりするんだとおもう #ドングリと文明

2015-05-02 11:38:47
m_um_u @m_um_u

ドングリと文明の著者的にはそれは目を閉じたときに見える同心円的なものであり、秘儀というよりは人間精神の向上や理解力が高まったことを祝ってるように見える、ということのようだけど #ドングリと文明

2015-05-02 11:40:31
m_um_u @m_um_u

ドングリと文明第一部ではオークの植生、オークと人の文化・文明とのつながりについての概略が示されていたけれど、第二部では人の(西欧人の)暮らし・文明・文化にとってオークがどのように中心的なものだったか。どのように活用されたかについて具体的に述べられている #ドングリと文明

2015-05-04 16:34:54
m_um_u @m_um_u

オークの時代と題された二部はおそらく本書のもっともおもしろい部分で、オークが生活の中心だった古代→中世→近世までのオークを巡った職人技なんかは中世本好きもグッと惹きつけられるところとなるようにおもう #ドングリと文明

2015-05-04 16:36:50
m_um_u @m_um_u

オークをつかった職人技、あるいはその前段階としての建材、橋材としてのオーク材の活用として。最初にオーク材が使われたのは湿地帯の橋板としてだった。 #ドングリと文明

2015-05-04 16:38:51
m_um_u @m_um_u

それは現在の橋と呼べるほどのものではなく湿地、沼の部分にオークからつくった板のようなものを渡して道をつくった程度のものだったけれど。これをはじめて思いついたひとたちによってそれまで行けなかった領域、あるいは行くのに困難を伴ったフィールドに安全に渡れるようになった #ドングリと文明

2015-05-04 16:39:36
m_um_u @m_um_u

このような道、トラックは発見した人の名前にちなんでスイートトラックとよばれる(スイートさんが発見したから #ドングリと文明

2015-05-04 16:40:27
m_um_u @m_um_u

ほかの木に対してオークが使われたのは斧で割りやすく加工しやすかったから。乾燥したオークの年輪にそって刃を入れれば簡単に割り、切り出すことが出来た。またオークはその弾性によってしなりつつもオレないという特徴をもった。これがヴァイキングの船、躍進に活かされていった #ドングリと文明

2015-05-04 16:43:27
m_um_u @m_um_u

ヴァイキングの船の構造。オーク材を幾つかジョイントしてる pic.twitter.com/x1mkVRqqoM

2015-05-04 16:44:33
拡大
m_um_u @m_um_u

このようにオーク材をジョイントすることでオークでつくられた船は波を受けて縮む twitter.com/m_um_u/status/… それはイルカが波の衝撃を逃がすために体を常に小刻みに揺らしているのと似たよう構造となる。ロングシップが優れて速かったのはこのため #ドングリと文明

2015-05-04 16:46:44
m_um_u @m_um_u

建材としてのオークを活用することを通じて西欧人ははじめて幾何学的な、あるいは抽象的な設計を脳内でしていくようになった。四角や正方形という概念がない時代、橋代わりのオーク板がなぜほぼ四角に切りだされていった #ドングリと文明

2015-05-04 16:48:28
m_um_u @m_um_u

同様のことは建築、あるいはオーク樽つくりにも当てはまる。 #ドングリと文明

2015-05-04 16:50:24
m_um_u @m_um_u

筆者はストーンヘンジをはじめとしたヘンジ群が人類が自らの思考力の成長を祝い試すためにつくられたインスタレーション的なものだったというような記述をしていたけど、それがオークを用いた木骨教会にも配されていった。たとえばグリーンステッド教会、ウェストミンスターホール #ドングリと文明

2015-05-04 16:51:50
m_um_u @m_um_u

※建築における数学的、抽象的ひらめきと工夫の重層とその奇蹟について。このあたりの記述は大工職人なんかが見るとうなづけるところがあるだろうし、木骨教会は世界遺産になってる #ドングリと文明

2015-05-04 16:53:28
m_um_u @m_um_u

曲がらない板を加熱して曲げ、ジョイントし、全体の姿をある程度設計しつつタガでとめ、四角と丸の中間の楕円をつくりあげる技。設計図なしにいくつものサイズの異なった樽を作り上げていくその技は不思議(ミステリー)と言わざるを得ず、職人は敬意を込めてミスターと呼ばれた #ドングリと文明

2015-05-04 16:56:43
m_um_u @m_um_u

ミスターは樽職人だけではなく職人全般に贈られる敬称とされた。ミスターあるいはマスター。 #ドングリと文明

2015-05-04 16:58:50
m_um_u @m_um_u

設計図なしに、あるいは幾何学的知識なしに高度な幾何学的な計算を脳内するそれらの技、あるいは思考力を備えた偉大な人々。ジェファソンはアメリカの新たな民主主義はこういった人々から構成されるべきだとした。結果としてアメリカの革命はフランス革命よりも敬意を払われた #ドングリと文明

2015-05-04 17:00:37
m_um_u @m_um_u

オークは板材→建材、樽材としてだけではなくコブからとれる汁の部分を鉄などと合わせてインクとして使われた。ほかのインク材では早々に消えてしまう文書でもオークから作ったインクでは長持ちした。鉄を含み紙と反応して酸化焼成?されるため文字が紙に焼き付けられるから #ドングリと文明

2015-05-04 17:05:31
m_um_u @m_um_u

ただ、このようなオークインクを使った文書にも欠点があった。オークインクを使うと酸化して紙と一体となるのはよいのだけれど、インクした後も化学反応が続いている → 紙をインクが食っている、ので何百年かして頁をくると紙がぼろぼろと砕けてしまった #ドングリと文明

2015-05-04 17:07:08
m_um_u @m_um_u

オーク材は炭となることでより高く安定した熱をもたらし、鉄などの金属を人類に与えた。 #ドングリと文明

2015-05-04 17:08:24
m_um_u @m_um_u

炭を作るとき、炭焼き職人は乾燥した夏の間の3週間ほど森にこもり、火をつけ土をかぶせたオーク材の小山の間を飛び回って温度調節をした。森の奥深くで灼熱の山の上を黒い男が跳びまわる様は森のアクマを想わせた #ドングリと文明

2015-05-04 17:10:16
m_um_u @m_um_u

オーク-炭と鉄をめぐって鍛冶屋の技が記述してある。鍛冶とは鉄の中の炭素含有率を理想的な状態(0.4から1.0%)にすべく鉄が曲がりやすい状態まで熱し、叩くことで形を整え炭素量を調節していく技をいうのだけれど #ドングリと文明

2015-05-04 17:13:11
m_um_u @m_um_u

ここで鉄材に対する温度調節をしくじると中の炭素が出すぎてしまい刃がダメになってしまう。それは鍛えの段階にも言えるし、研ぎの段階でも同様。研ぎすぎて刃が駄目になるのは摩擦熱が強くなりすぎて中の炭素が逃げていってしまうため #ドングリと文明

2015-05-04 17:15:24
m_um_u @m_um_u

このようにして調節(temper)を逸する、失って調度良い状態を失っていくことを「テンパーを失う(to lose your temper)」という。テンパるの語源はおそらくこれだし、「温度が高くなりすぎると中のものが溶け出して駄目になる」は低温調理にも通じる #ドングリと文明

2015-05-04 17:17:15