『韓国化する日本、日本化する韓国』たらればさんの感想連ツイ

たられば @tarareba722

これから先ほど読み終えた書籍の感想を連続ツイートします。18回くらいかな。ネタバレが困る本ではありませんが、タイムラインが流れて困る方はリムーブかミュートをお願いいたします。

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①『韓国化する日本、日本化する韓国』（浅羽祐樹著・講談社刊）読了。手にしてから一気に読み通し、今は心地よい読後感に包まれております。タイトルが特徴的ですが、この本は反日でも嫌韓でも、親日でも親韓でもありません。大変興味深い内容だったので、いくつか感想をまとめてツイートします。

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②この本では個別具体的な事例、例えば竹島や慰安婦問題、安倍総理や朴槿惠大統領の戦略などももちろん触れられており、それらへの対処法といったかなり踏み込んだ内容も書かれていますが、そこに底流するメッセージは比較的シンプルであり、また日韓関係を超えて「役に立つ」論理展開です。

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③それは大きく分けてふたつ。ひとつめは「相手をわかりやすく理解するのは危険だ」ということ。例えば昨年沈没したセウォル号事件について。あの事件を「海洋警察や朴槿惠大統領が無能だから起こった」や、「韓国人が愚かだったから事態が悪化した」と考えるのはとても簡単で分かりやすいです。

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④しかし実際には「５年一期制の大統領制による急激な行政改革が生み出す必然的な官民癒着」や、「大統領でさえ配慮せざるを得ない、司法や行政においても国民感情を重視する風土」というシステム変数があの事件の伏線として機能していると考えたほうが、より事態を正確に理解できるはずです。

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⑤重要なのは、いかなるルールで相対するにせよ、相手を「単純だ」と思っているよりは「（自分と同程度には）複雑だ」と思って準備したほうがよい、ということですね。原発事故やオウム真理教のテロについて、「日本人が愚かだから起こった」と言う人がいたら、単なるバカとして相手にもされません。

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⑥もうひとつは「国際政治のゲームのルールは日々変わるし、勝ちたければそれに合わせてチップを張るべきだ」ということでした。日韓問題を、双方の国情のみで理解していると、状況が見えないばかりか事態はどんどん悪くなっていくでしょう。竹島にしても慰安婦にしても、少なくとも中国と米国、

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⑦というプレーヤーの存在を考慮せよ、という指摘には膝を叩きました。具体的にいうと、「日韓関係は米中関係とパラレルに動いている」という視点を持つことが今後の東アジア情勢を見る鍵になっていく、と筆者は書きます。もっと突っ込んだ話として、「日米韓という対中トライアングルのうちで、

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⑧最も弱い鎖である日韓が狙われ、付け込まれている（トライアングルが崩れると中国に有利）」という指摘は、今後東アジア関連ニュースを見るうえで目から鱗が落ちました。だからこそオバマ大統領は安倍総理と朴槿惠大統領の間に立って、笑顔を見せたわけですね。なるほど。

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⑨以下、そのほか個別の内容についても語りたい部分が多すぎるので、絞りに絞りますが、「嫌韓の震源地であるまとめブログの６割以上が韓国系サービス」という記述は、ビックリしました。知らなかった。思わず確認のため検索しました。以下参照。 blogos.com/article/92374/

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⑩また、“日本が慰安婦について、「ちっとも謝っていない」「何も誠意を示していない」というのは、まったく見当違いです”として引用された、小泉元総理の謝罪文（2001年に慰安婦一人一人に手渡された）が衝撃的でした。 mofa.go.jp/mofaj/area/tai… これも知らなかった。

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⑪さらに、ツイッター上ではよくネトウヨに突撃されている浅羽祐樹先生ですが、嶺南大学に附設された「独島研究所（ママ）」で主催された学術会議で、日本人たった一人という状況にも関わらず、堂々と持論を展開しています。言論の最前線で戦うというのは、こういうことなんだなと実感しました。

たられば @tarareba722

⑫タイトル『韓国化する日本、日本化する韓国』については、最終章の後半まで語られません。このタイトル自体、やや批判めいたニュアンスの込められた現状分析と捉えられがちだと思いますが、私は別の意味も汲み取りました。それは「お互い、変わると困るルールは共有してるよね」ということです。

たられば @tarareba722

⑬多くの日本人は韓国のことを「民族主義だ」と思っており、多くの韓国人は日本を「軍国主義だ」と思っているそうです。しかし両国はどちらも、少なくとも目指すところは民主主義であり、自由主義です。その目標、そのルールは共有できるのではないか、という希望が込められていると、私は読みました。

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⑭最後に、私は本書を読んでいてずっと、『進撃の巨人』のアルミンのことを考えていました。これは浅羽先生と別件で雑談していた際に出てきた話題なのですが、とてもいい話なので無許可で呟いてしまいます（苦笑）。『進撃の巨人』４巻11話で、エレンとミカサとアルミンは、重大な危機に陥ります。

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⑮巨人の力を持つエレンとそれを庇う２人に対し、駐屯兵団は銃を向け叫びます。「ヤツらの巧妙な罠に惑わされるな、ヤツらの行動は常に我々の理解を超える、これ以上ヤツらの好きにさせてはならん！」。それに対しアルミンは（考えることを放棄している……考えるのが怖いんだ……）と分析します。

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⑯そうしてアルミンは怖れる人々に語ります。「彼（エレン）の持つ巨人の力と残存する兵力が組み合わされば、この街の奪還も不可能ではありません。人類の栄光を願い！　これから死に行くせめてもの間に！　彼の戦術的価値を説きます!!」。アルミン好きの私としては同作で最も印象的なシーンです。

たられば @tarareba722

⑰内容もさることながら、重要な点が２つあります。１つは駐屯兵団の「エレンが無害である証拠を出せ」に対し「証拠は必要ない」と未来へ向け発想のベクトルを転換した所。２つめはアルミンが見事な敬礼を続けながら語ったこと。私達に必要なのは知性と敬意ではないかと、このシーンは教えてくれます。

たられば @tarareba722

⑱閑話休題。『韓国化する日本、日本化する韓国』、日韓関係の現在と今後に興味がある方、あるいは比較政治学という学問の「考え方」に興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。良書です。 amazon.co.jp/dp/4062192721

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@tarareba722 注釈）ただいま確認したところ、４巻ではなく３巻でした。すみません。慎んで訂正いたします。て、手元に置きながら書いたのに……。。。

浅羽祐樹@同志社大学2年目 @YukiAsaba

アルミンはあのとき、瞬時に＜狭間に立ち＞、双方通じるように、分かるように「通分」「翻訳・通訳」しようとしたんですよね。手持ちの尺度ではよく解らない相手に直面したとき、新しい標準をともにつくろうとする態度こそ、いま試されているのではないでしょうか。小著にはそうした思いを込めました。