東浩紀(@hazuma)さんによる書籍の適正価格や安価なサービスを強いる日本の市場圧力についての考察と境真良(@sakaima)さんの感想

東浩紀(@hazuma)さんが自身のゲンロンカフェ経営の経験を通じて提起する、書籍の適正価格とは?日本のサービスは需要と供給のバランスを鑑みない一律は価格設定をしているものが多いのでは?などなどの問題。と、境真良(@sakaima)さんによる出版物を出版する意味とは何か?サービスの高い安いとは?などなど。更にはデフレのはなしまで。
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境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

ま、そういう議論を別にすると、そもそも市場価格は、供給側と生産側のどちらから見ても、期待通りではない。どっちから見ても不満だらけだ。だから供給側も需要側も、自らの視点だけで相手の期待水準をdisっても生産的ではないわな。

2015-02-23 03:23:55
藤本由香里 9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

@hazuma @sakaima 大きな出版社は知りませんが、中小の出版社は1冊1冊個別に需要予測と重版予測・在庫費用に基づいて価格を決めていますよ。全部試算して会議で一つ一つ。だから同じページ数でも5400円とか3800円とか2400円の本があり、それは需要予測によります。

2015-02-23 04:19:08
藤本由香里 9月から再びニューヨーク @honeyhoney13

@hazuma @sakaima 一方、たとえば1000円を超えると売れないけど、1000円以下で作れるような部数が見込めないような企画は最初から通りません。逆に2000部5800円でも確実に読者がいるような本は出せるし、確実に利益になる。そういうことじゃなくて?

2015-02-23 04:22:23
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

@honeyhoney13 中小の出版社で、専門書とか学術書に近いところを扱っているところは多少値段は変えていると思います。ただ、同判型同ページ数で値段が倍、三倍というのはあまり見ないですが。 @hazuma

2015-02-23 07:09:52
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

@honeyhoney13 その上で、想定部数と予測して取り得る範囲の価格設定でペイできない企画が通らないというのはその通りです。それが、出版そのものが縮小するはずだ、ということだと思います。 @hazuma

2015-02-23 07:12:59
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

@honeyhoney13 マンガ単行本とか新書、文庫についてはじわじわ単価が上がってると思いますが、四六版とかはあまり価格が上がってないのでは?そして、それでも諸外国から見ればえらく安いわけで、もっと上げてもいいのではないかという意見もわかります。@hazuma

2015-02-23 07:17:29
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

@honeyhoney13 つまり、まとめて言うと藤本先生の認識は間違ってないけど、①専門書では執筆収益で専業執筆者を維持できないし、②一般書では常識の2倍、3倍の価格は付けられなくてやはり専業執筆者の維持が難しい、ということではないでしょうか。 @hazuma

2015-02-23 07:20:34
伊藤 剛 @GoITO

「デフレ根性」というのは、まちがいなくあると思う。

2015-02-23 08:18:40
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

日本人の良さは<追求する性質>だと漠然と思ってたりするんですが、かつて先進国の製品を安く、良く(精緻にする、故障しにくくする等)することを<追求>した結果、とにかくデフレ根性になっちゃった気は確かにしますな。

2015-02-23 08:38:14
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

<デフレ根性>は、デフレの初期段階には中産階級の生活レベルを維持ですることに寄与したけど、ジワジワと収入基盤を毀損してきた感じはする。特にデフレ期前に資産形成とか経験(教育を含む)蓄積できなかった世代には、その影響が強く出ているのではないか。

2015-02-23 08:40:21
伊藤 剛 @GoITO

インフレ状況下でローンを組むと、インフレのおかげで借金は自動的に目減りしてくれる。だから思い切ったローンも組みやすい(企業であれば借入を起こして設備投資などがしやすい)。デフレ状況はその逆。これは大きいですよ。

2015-02-23 08:41:56
境 真良@iU/GLOCOM/METI(あーりん推し/芸能人スキャンダルネタ要らない) @sakaima

何ごとも時間的、地理的に均一ではないので、「平準化」戦略は大事だと思う。最初に蓄積ができれば、後の<谷>への対応もしやすい。しかし、最初に<谷>から始まると、平準化はやはりしにくい。デフレで問題になるのは、デフレ幅の大小より、デフレ期間の長短だと思う。

2015-02-23 08:43:26
伊藤 剛 @GoITO

今後の日本について、経済成長の必要を訴え「日本をとりもどす」という論調に対して「高度経済成長時のモデルでしか考えられていない」という批判があるけれど、わたしには「経済成長などいらない」式の考え方のほうが高度経済成長期に反作用的に生まれた思想のように思えてならないのです。

2015-02-23 08:44:14
たられば @tarareba722

東浩紀さんと境真良さんによる「本の価格」の話。耳が痛い指摘が多いなぁ。。特に「編集者の成績は(経常利益や売上高ではなく)部数で決まる→だから本の価格を安く設定したがる」という指摘はかなり本質的だと思います。(続く togetter.com/li/786396

2015-02-23 11:09:43
たられば @tarareba722

実際には本って「部数」は販売部門が、「価格」は業務部門が決めるわけで、それと「内容」を決める編集部門の三すくみで製作するわけで、企画決定段階まではその三すくみがうまく牽制し合うのだけど、「企画を出すのはほとんど編集部門だけ」というところで、本という市場全体に偏りが出るわけですね。

2015-02-23 11:12:01
たられば @tarareba722

まあもちろん、「編集者の成績は(経常利益や売上高でなく)部数で決まる」というのは、本という商品の特性(材料コストが安く、初版と重版以降で儲け率が大きく変わり、他の仕事を呼び込みやすく、商品としての経年劣化が異様に遅い)に大きく関わっているとは思いますけれど。

2015-02-23 11:21:33
たられば @tarareba722

なお当該まとめのコメント欄ではボロクソ叩かれているけれど、本の値段を安止まりさせてきたのは、供給側に「真理は万人によって求められることを自ら欲し、芸術は万人によって愛されることを自ら望む」(岩波文庫創刊の辞)という想いがあったからです。aozora.gr.jp/cards/001119/f…

2015-02-23 11:34:37
たられば @tarareba722

もちろん「思い上がるな、商品の価値は消費者が決めるものだ」という言い分もわかるし、出版が衰退産業なのは間違いないですけどね。ただ「本の需要と供給」って、「あるかないか」「釣り合いが取れてるかどうか」で測ると、もっと大事なものが見失われがちになる気はします。

2015-02-23 11:39:42
たられば @tarareba722

いずれにせよ「本を書く人」と「本に携わる人(出版社や印刷所や取次や書店)」の数が、インターネット普及後の「本」という商品に対する需要と供給のサイズに対して、大きく肥大化したままなのは確かだと思います。市場規模が縮小していけばそこで生きて行ける人の数も減る、という単純な話なのかも。

2015-02-23 11:53:42