HESHと内面剥離とマジノ線と

HESHって他の他の弾種に比べてイマイチよくわからないよね、というお話をマジノ線に添えて
37
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

未来から日本軍に資料を渡したとして、戦局に寄与するかは関係なく、とりあえず面白そうな技術って何かしらね →HESHってどうよ? →適当な可塑性爆薬が当時日本に無いのでは? →九九式破甲爆雷の試作では軟爆薬を使ってたけど →でも、あれは低温試験で割とすぐ凍っちゃったよね (続く)

2015-02-28 06:10:32
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

→凍りやすい軟爆薬しか無いなら、低温下では使えないHESHしか作れないよね →それ満州の低温環境に注意してる日本軍的には没だよね →待って、そもそもHESHって爆薬が凍って硬くなると機能しなかったりするの? →どうなの? という思考のパルスが一瞬で走る朝です。おはようございます

2015-02-28 06:15:18
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ああ、HESHの機能どうこうは別として、マイナス40度でも凍結しない軟爆薬は九九式破甲爆雷の開発過程で出来てるのね

2015-02-28 06:19:03
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

わざわざHEP──Plasticつまり「可塑性の」なんて風にも呼ぶくらいだし、もともと可塑性のない爆薬を詰めてHESHの形だけ真似たり、あるいは可塑性爆薬を使っててもそれが低温で凍っちゃったりすると、HESHの機能は得られないのかなあ

2015-02-28 06:27:24
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

あるいは、戦車の車内なら軟爆薬が凍る程の低温にならないかも知れず、それならHESHの機能は損なわれないのかも知れない。他方、対戦車砲・牽引無反動砲みたいに弾を屋外に置いておく種の砲の場合、軟爆薬の耐寒性がないと冬季にはまずい事になったりしちゃうのかも、とか

2015-02-28 06:29:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

日本軍云々は既にどうでもよくなってて、思考がHESHそのものの方にズレているようですね?

2015-02-28 06:30:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そういえばNo.82ガモン爆弾はノーベル808爆薬、つまり最初期のプラスチック爆薬を使ってる訳だ。そしてこれは着発信管だから、うまいこと投げるとHESHみたいな効果を発揮したりは……? 前代未聞の手投げHESHなのでは? 流石に無理があるのでは

2015-02-28 06:39:05
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

手で投げた程度の着速じゃ上手いこと爆薬が変形密着してくれそうにない気がするし、そも信管がそれに不適(変形密着を待ってくれない)かもだし。ノーベル808がHESHに適当なのか判らないどころか、まずHESHそれ自体がどういう物なのかも私にゃイマイチぼんやりしてるので、サッパリである

2015-02-28 06:43:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

従来型徹甲弾のお話、APFSDSのお話、HEATのお話はしばしば目にするのですが、HESHについてのアレコレはどうもあまり聞かれなくて、個人的に割と謎な弾種になっちゃってます

2015-02-28 06:46:26
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

「あるところに二人の男がいました。彼らは分厚い鋼板またはコンクリートの層によって十分に守られていると信じていました。しかし突然に砲弾が飛来し、そして防御を貫徹されもしていないのに、獰猛な破片の雨に曝されて死んでしまいました!」

2015-02-28 16:38:46
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

HESHについてごにゃごにゃ調べていたのですが、どうも装甲内面剥離の問題は、少なくとも戦間期のフランスでは既に知られていたみたいです maginot.org/genie/hop15_gb… このページに詳しいのですが、マジノ線の銃塔や砲廓にも、この対策で内貼り鋼板が貼られた物があると

2015-02-28 16:42:34
リンク www.maginot.org WITH LINE MAGINOT. Hopkinson effect
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

マジノ線の銃塔は鋳造で、20cmだのの厚があるので当時の火砲で一発で抜かれるような事はない。でも、こと多用されたGFM銃塔(小銃-機関銃塔)は一人用であり、その一人が負傷すれば銃塔は全機能を喪失してしまう。故に人員防護は重要であり、装甲内面剥離への対策も必要であると考えられたと

2015-02-28 16:57:57
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

こちらマジノ線のGFM銃塔(小銃-機関銃塔)。いくつか型があるようですが、基本的には監視、軽機関銃又は小銃の射撃、物によっては50mm軽迫撃砲の射撃の機能を持つ。少し大きめの二人用もあるようだけど、基本的には一人で全機能を担当する pic.twitter.com/liC4MU8dKp

2015-02-28 17:01:32
拡大
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

装甲内面剥離対策として、GFM銃塔に20mm厚の内貼り装甲を追加することも検討・実験もされたようなのですが、どうも一人用故の元々の狭さが祟ったらしく、芳しくなかったようです。なので結局、GFM銃塔には基本的に装甲内面剥離対策が施されないままであったとか

2015-02-28 17:06:06
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

もうひとつのマジノ線の典型的な銃塔はJM銃塔(連装機関銃塔)。これも元々はGFM銃塔と同様に鋳造の一層構造で、装甲内面剥離への対策は無かったようで。ただ、これには1936年頃から改修が施され、内張り装甲が追加されたとのこと pic.twitter.com/gjGFgCoyif

2015-02-28 17:10:20
拡大
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

そもホプキンソン効果てのは、圧縮衝撃波が物体内を伝わり、裏面で反射して引張衝撃波になり圧縮波と合成、それが素材の引張強度の限界を超えると裏面が剥離する……って事でいいのかしら maginot.org/genie/hop15_gb… pic.twitter.com/vgSzxi1meR

2015-02-28 17:43:57
拡大
拡大
拡大
拡大
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

どうもHESHの威力に関しては、装甲表面に対して爆薬が接している面積の広さが重要なようで。だから弾頭が薄く広く潰れてくれる必要があるし、可塑性爆薬である必要もあると。さらには、傾斜装甲相手(40~60度程度まで)では接触面が広がるんで、垂直装甲に対してより威力が上がる(!)とも

2015-02-28 18:16:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

広い面積に渡って爆薬が密着している場合、たぶん装甲裏面での衝撃波の反射・合成も広範囲で同時に起き、広範囲が同時に引張力に曝されるんでしょう。範囲でこれが起きるなら、一部分が曝された力を周囲の部材が薄く広く分担できるんでしょうが、広範囲に渡るとそうも行かず、まとめて剥がれ飛ぶのかな

2015-02-28 18:21:16
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

爆薬が薄く広く密着してくれないと困るという事なら、「手投げHESH」は全く現実的でないのも頷けます。たぶん、手投げで得られるような着速では恐らく全く不十分にしか潰れてくれないでしょうし。かといって手投げで十分に潰れる程に柔らかい爆薬ってのも想像し難く

2015-02-28 18:26:54
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

衝撃波を広い面積に渡って与えるのがHESHの肝であるのなら、ポーランドのWz.35対戦車銃の超高速真鍮弾とか、ドイツのPzGr40(W)系の軟鉄製高速徹甲弾の理屈も何となく判る気もしてきます。これらは命中に際して(多分)べっちゃり潰れるので、口径以上の範囲に渡って衝撃を与えるはず

2015-02-28 18:30:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

つまり、こいつらみたいな超高速軟弾頭の類は、爆薬の代わりに存速で衝撃波を与えるHESHみたいな物なんじゃないかしらね。勝手に分類するならAPSHとでも呼ぶかしら。可塑性徹甲弾(Armor Piercing Plastic)って呼び方も出来るかもだけど、APPって略語は判りにくい

2015-02-28 18:34:39
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

(凄い適当なお話をしたので、誰かに怒られるんじゃないかしらと震えている)

2015-02-28 18:37:40
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

あるいはHESHの能力には、弾径──というか弾頭が潰れて出来る爆薬塊の径と装甲厚の比とかが関係あるのやも知れませんね。爆薬の進歩が特にないとして、爆薬を厚く盛るのが効果的でないのなら、爆薬塊の径を広げてやるしか能力向上の手段は無さ気な

2015-02-28 18:47:39
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

HESHに対する防御としては内張り装甲の他、複合装甲でも有効とも聞きますが、たぶん媒質の境目で衝撃波が反射しちゃうんでしょうね。空層があったらその先にはもう伝わりませんし、仮に各層が密着してても、均質な塊のようには伝わらないでしょうし

2015-02-28 18:54:35