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2015年3月19日

「巨大地すべり」の発生要因は地震?

2008年岩手宮城内陸地震で栗駒山山麓の荒砥沢で発生した巨大な地すべり。かつては氷期などの今とは違う条件で発生したとも考えられていましたが、もしかしたら地震が誘因になっていたのかもしれないとのTweetをまとめさせて頂きました。
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2008年岩手宮城内陸地震で誘発された「荒砥沢地すべり」

T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

岩手・宮城内陸地震による砥沢地すべりの巨大さは、誰が見ても圧倒されるだろう。だけどあの付近に分布する地すべり地形としては、まだ中規模程度でしかないんだけど。 <国連防災会議>内陸地震 崩壊規模に驚き | 河北新報オンラインニュース kahoku.co.jp/tohokunews/201…

2015-03-18 12:33:00
こびわ⚒ @kobiwa_net

確かに2008年の「巨大地すべり」よりも大きな地すべり地形がたくさんありますね。図は井口ほか(2010)より twitter.com/nied_inok/stat… pic.twitter.com/8GopoHwJS3

2015-03-18 12:47:51
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こびわ⚒ @kobiwa_net

(承前、図の出典)PDF→ dil-opac.bosai.go.jp/publication/ni… 2008年岩手・宮城内陸地震で動いた荒砥沢地すべりの詳細が書かれています。

2015-03-18 12:49:41
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

@kobiwa_net 紹介していただき、感謝します。あれを書いた頃は雑事が多く、きちんとした報告書が書けなかったのが残念です。地すべり地形分布図には巨大地すべりが多くあり、発生要因はほとんど不明です。ただ、僅か30年ほどの経験ですが、大規模な変動は地震が誘因の場合が多いのは確か

2015-03-18 12:56:31
こびわ⚒ @kobiwa_net

@nied_inok 荒砥沢地すべりについて調べようと検索したら真っ先に出てきて、知りたいことがしっかりと書かれていましたので勝手ながら紹介させていただきました。 確かに、(私が把握している最近10年の事例ですが)大規模は地震、小規模なものは大雨に起因するものが多いように思えます

2015-03-18 13:00:37

確かに、地震によって誘発された地すべりは、大雨や融雪などによる地すべりよりも大規模なものが多いようです。荒砥沢ほどの規模ではありませんが、2004年の中越地震でも比較的規模の大きな地すべりが発生しました。
地震が誘因になった大規模な土砂災害としては、天正地震による帰雲城、1984年長野県西部地震による「御嶽崩れ」などがあります。

続編
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

昼間にツイートした荒砥沢地すべりの続編。こびわさん @kobiwa_net にも同意いただいた、地震による地すべりの方が雨を誘因とするより規模が大きい理由。地震は地下を含め山全体を揺らすことができるのに対し、雨は空から降り落ちてきた段階では不安定化に寄与しない。風が吹けば(続く)

2015-03-18 22:55:21
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

桶屋が儲かる程は婉曲ではないが、地中に様々なルートで浸透して、間隙水圧を上げるまでに時間も掛かるし、不安定化する範囲もいちどきに広い範囲が一斉に揃うという訳には中々いかない。

2015-03-18 23:03:05
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

また地震じすべりは、層すべりタイプが多いので同じ層準が流れ盤の単斜構造などでひろく分布していると、広い範囲でのすべりが起きやすい。そういった条件が一番揃っているのが、破局的噴火でできたカルデラ湖に堆積した湖成層。実は荒砥沢地すべりも下部はカルデラに溜まった湖成堆積物である。

2015-03-18 23:08:19
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

地すべり地形分布図を見て貰うと分かるが、東北地方には巨大地すべりが多く分布している。特に八幡平の周りには長さが数キロにおよぶ巨大地すべりがいくつもある。また、東北地方には古いものも含めると数十のカルデラが存在することが知られている。古いカルデラの跡地に巨大地すべりが多い事は(続)

2015-03-18 23:12:23
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

うちのOBの大八木さんが詳細に報告している。巨大地すべり地形を見つけた当初は、こういった巨大地すべりは現在と違う気象条件で起きたのだろうと漠然と考えていた時期もあった。そしてそんな巨大地すべりが生きている間に動くことは想像していなかった。荒砥沢地すべりが起きてその考えが変わった。

2015-03-18 23:15:12
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

証明はまだ難しいが、東北にある巨大地すべりの大部分は地震を誘因として起きたに違いない。それもおそらく直下の地震によって。

2015-03-18 23:18:13
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

大きく滑ってはいないが、1949年の今市地震の際に今市の市街地が載る地盤が下流方向に数センチ変動した。これは当時市街地に多数あった井戸抗が地下でずれたことから判明した。そのずれた層準はたしか火山灰期限の白粘土の層だったと記憶する。

2015-03-18 23:24:06
T.INOKUCHI / 井口 隆 @nied_inok

火山の山体崩壊も若干は違うだろうが、似たような条件が効いているのかも知れないと妄想しているが、なかなか確かめる術はない。大規模な地すべりや崩壊はそういった広い範囲での一斉に不安定化する条件と地下水が重要ではないかと思っている。

2015-03-18 23:30:29

中国の四川地震で誘発された大光包地すべり

duketogoさんが中国での事例を紹介してくださりました

duketogo @duke2go

地震で誘発される流れ盤地すべりは、平滑な層理面にそって極めて広大な範囲が崩壊する事がある。写真は中国の四川地震で誘発された大光包地すべりで、崩壊土砂量は約8億立方メートルといわれている。中央にスケールとして小さく人が映っている pic.twitter.com/TLaQTa0hTL

2015-03-18 23:41:39
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duketogo @duke2go

先ほどの写真は、地すべりの中腹から撮影したもので、地すべりは写真に映っている尾根を乗り越えてきている。つまり源頭部はこの尾根の向う側にある

2015-03-18 23:43:33
duketogo @duke2go

大光包地すべりの源頭部(の一部)。層理面上を山体が滑落していった事がわかる。母岩は先カンブリア紀最末期のドロマイト層(デンイン層)で、すべり面上には堆積時に夾まれたリン酸塩層と思しき黒い岩石がところどころに残されていた pic.twitter.com/lWb8C5rWb0

2015-03-18 23:51:46
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duketogo @duke2go

先ほど写真中にスケールとして置いたハンマーが小さく映っています。この斜面が見渡すかぎり延々と続いています。ガスっていたのもありますが、端が見渡せないくらいの巨大斜面です

2015-03-18 23:56:23

関連まとめ

まとめ 井口(@nied_inok)先生の土砂災害の"きっかけ"講座 地滑りを研究されてきた井口先生(@nied_inok)が土砂災害がどのような誘因で起こるのかを過去の事例を交えてTweetしてくださいました。 実例を交えて、専門外の方にもわかりやすく解説してくださっていますのでまとめさせて頂きました。 「土砂災害は風水害の中に入れておけば良いだろうという安易な考え方では~」とのTweetは色々と考えさせられます。 1870 pv 29 1 user 19
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