一日目、交流 - 今様に落つる怪奇譚

2015/04/02から2015/04/05までの、人間とあやかしの語らいの様子です。
0
前へ 1 2 3 ・・ 7 次へ
白堀之水藤 @sirafji

「久しく面白いな今日は。なんだ、なんだ、本当に祭りでもあるのか」 煙管を指差すように1人1人に向けて。 人間。人間。あやかし。にんげ―――… 「…っと、おいそこの。大丈夫か。食っちゃしねぇから、おい、もしもーーし」 ぺたんと崩れ落ちた人間に向けて声をかけてやる。

2015-04-03 01:12:06
白堀之水藤 @sirafji

それはそうか、ただの人間からしたらこんな風貌。…仕方ない。 「そこ、…名は知らんがお前。肩貸してやれ」 くいっと煙管を向けるのは巨躯。 人間に近い彼なら、己が近づくよりまだマシだろうて。

2015-04-03 01:12:31
蓮田 颯丞 @hasterMissing

「…………あ。はい…だいじょうぶ、です」 明らかに大丈夫ではないぼう、とした声で、そう返す。 恐らくは反射のようなものなのだろう。単純なプログラミングよろしく、そう言われたら意識せずともそう返すような。 もし、もう一人のあやかしが近づいても抵抗することはないだろう。

2015-04-03 01:24:54
不老 蓮 @Lotus_frow

声をかけるのを躊躇っていると、どうにも放心している様子の罪無き少女。事情をなんとなく把握している自分と違ってあちらは何も知らず巻き込まれた側なのだろう。それを言えば目の前の黒髪の方とて同じであろうが。 「……あ、あの」 意を決して、白蛇に、火野へと近づく。呼ばれていなかろうとも。

2015-04-03 01:32:43
不老 蓮 @Lotus_frow

「大丈夫では、無いと思いますけど」 腰を抜かす彼女に、できるだけやさしく語りかける人間。先んじて行動したほうがいい。あやかしが手を貸してはまた堂々巡りになる可能性もあった。 「立てますか?」 手を、差し伸べる。

2015-04-03 01:33:32
遊灯華 @youtouka

影に落ちた。観ている者がいれば、そう感じたかもしれない。不意に、少女の姿が消え、あとには街の雑踏が残った。

2015-04-03 06:27:49
遊灯華 @youtouka

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

2015-04-03 06:28:35
遊灯華 @youtouka

……………………………………………………… 「おまいさんは、文字を拾うのが好きだねぇ」  暗闇に、懐かしい声が響く。 「今度は閑吟かい。うちの座敷童さんは意味が分かってるのかねぇ……」  頭を撫でる手のやわらかい温もりが伝播したのか、体の真ん中に灯りがともるような心持ちがする。

2015-04-03 06:35:56
遊灯華 @youtouka

「……あにさん、わし、お腹すいた」  呟けば、苦笑の気配。 「庭においき。曼珠の季節だ」 「はぁい」  裾前を押さえて立ちあがり、暗闇の中をトタトタ駆ける。

2015-04-03 06:39:16
遊灯華 @youtouka

「花籠には月じゃあなあく、花をつめるもんだ……」  そうじゃなきゃ、そのうち心がすりきれちまうよ。  ぼやくような、苦笑いのような声が背後から聞こえ、そうして暗闇だけが残る。 ………………………………………………………………………………………………………………………………………

2015-04-03 06:42:24
遊灯華 @youtouka

気づけば、少女の目の前に庭があった。 随分と長い間、手入れをされていないことが一目でわかる。大事なのは、そんなことではなかった。そこに、花が咲いていることが、少女の心を奪った。 ふらふらと、手がのびる。そうっとつみとった一輪の花を手のひらに載せて、ふうっと息を吹きかけた。

2015-04-03 06:46:05
遊灯華 @youtouka

花が燃え、少女はすこしくちた腹に笑みを浮かべる。また一輪、そしてまた……夢中になって久しぶりの食事をとりおえるまでおよそ一刻。 くちた腹をひと撫でして、はじめて少女は辺りを見回した。どこか知ったような造りの場所だった。草で埋もれた飛び石伝いに歩けば、小さな門。

2015-04-03 06:50:09
遊灯華 @youtouka

その向こうに、寺と、大きな門が一つ見える。 「……あやかし、と、あにさん……?」 目を見開いて駆け出した。迫る門の近くに、気配が幾つか。

2015-04-03 06:53:31
遊灯華 @youtouka

「あにさん!」 声を張り上げた視線の先に、猫のように背筋を丸めた、長い黒髪の人がひとり。駆け寄って、見上げてみて、少女は首を傾げる。 「……あにさん、もっと大きかった?」 少女にとっての“あにさん”は、当時にしては珍しく五尺はあろうという大男。視線の先は腹のあたりが常だった。

2015-04-03 07:43:37
遊灯華 @youtouka

ほんのすこしあぎとを上げただけで、顔が見えるとくれば、それは別人……と諦めるには、気配がよく似ている。 「あにさん?」 もう一度だけ呼びかけて、応えを待つことにした。人違いなら、自分の声が届くはずもないのだから。

2015-04-03 07:45:35
赫滑ねぶる @akanameneburu

「へ、へへぇ!」 白蛇の煙管に使われるがままに、わたわたと、ひょろ長い手足を蚊トンボのようにバタつかせて、しゃがみ込んでしまった少女へと駆け寄る。 「立てるかい、嬢ちゃん?」 客人の介抱ならばお手の物。 彼女の左腕を自分の首へ回し、腰を支えながら、ヒョイ、と立たせようと。

2015-04-03 07:53:00
赫滑ねぶる @akanameneburu

……しながら、ふと前を見れば、先ほどの霊感美少女が手を差し伸べていて。 「あ、こりゃどぉも」 まるで犬が『お手』でもするように、その手に空いた自分の左手を、ポンと乗せる。 ……それが、へたり込んでしまった少女へと差し伸べられた手だということには、気づく素振りすらもなく。

2015-04-03 08:00:33
不老 蓮 @Lotus_frow

彼が手を出すのは早かった。僕よりも、現代に染まった人間よりもだいぶフランクに。 それはこの人の性格によるものかもしれないけど。 「えっと」 危うく彷徨いかけた手を揺らして、どうしたものかと。

2015-04-03 11:59:22
不老 蓮 @Lotus_frow

そんな風に思った矢先、彼のほうから手を差し出してきた。『どぉも』なんて左手が重ねられる。 あやかしに、こんなにも気安く触れられたことよりも、果てしなく言い知れない感覚がめぐる。 不快感は無い。 「……はい」 悩んで黙った末にさらに其の手を引き上げた。

2015-04-03 11:59:31
不老 蓮 @Lotus_frow

――門の外側。こちらは階段のほうを見ている正面の入り口より、近づいていくるのは少女。それが紡ぐあにさん、という声。 「……?」 あにさん、兄さん。こちら側へと駆けてくる和装の少女。 ――それもまたあやかしだということは、異質な気配からすぐに分かった。

2015-04-03 12:00:48
不老 蓮 @Lotus_frow

「……あにさん」 ――それもまたあやかしだということは、異質な気配からすぐに分かった。 その異質さは焦燥めいた少女の様子からか単にあやかしと分かるものだからか。それとも両方か。 ふいと、この場にあにさんと該当しそうな人を、現在手を差し伸べたことになったあやかしを見やった。

2015-04-03 12:01:56
染井 恭子 @Swamp_swap

目まぐるしくかわる様子に、首を傾ける。 針金男の視線を辿っても、別段特別なものは見えなくて。 眼鏡を袖口で拭う。 それから、増えた人影を順に指差す。 いち、に、さん、し、ご と、自分。 「全員、迷子?」 お揃いだと、鈍く感じる。

2015-04-03 12:41:08
染井 恭子 @Swamp_swap

「白いの。」 が、多分一番違う。 間違い探しをするように、真剣に全員を見比べ。 そう、結論を出して。 眠たげな瞳のまま、白堀之水藤指を指して問い掛ける。 「が、皆呼んだ?」

2015-04-03 12:41:17
白堀之水藤 @sirafji

「おーおー、随分増えたなー」 なんて呑気な声。 人間みっつに、あやかしみっつ。 しかもその人間らはあやかしを認識出来るときた。 混乱する人間やら、それに手を貸すふたつと新たに現れた巨躯をあにさんと呼ぶあやかしはひとまず置いといて、此方に目を向けるほぼ黒一色の人間へと目を向けた。

2015-04-03 13:39:56
白堀之水藤 @sirafji

「あん?…いや、あたしは何も。神でもなんでもない、今や信仰心だの畏れだの失ったご時世でそんな大それた事する力なんてあたしにや無いさ」 しかもあやかしを目にすることができる人間だけ選りすぐって呼ぶなど。 どれ程力が強く、どれ程暇人なのだろうか。

2015-04-03 13:40:32
前へ 1 2 3 ・・ 7 次へ