中国神仙道教と「天皇」

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fukuebisu @fukuebisu_tao

『道教と日本思想』福永光司著‥(徳間書房刊) p54~‥Ⅱ鬼道と神道…中国古代の宗教思想と日本古代… ・中国古代宗教思想誌の研究はなぜ必要か ・中国の神仙道教と「天皇」 ・伊勢神宮のご神体はなぜ鏡か ・日本古代研究の再検討を ・中国古代思想史の四重構造 →

2015-04-05 09:56:25
fukuebisu @fukuebisu_tao

@fukuebisu_tao →『道教と日本思想』福永光司著‥(目次続き) ・シャーマニズムとしての鬼道 ・教理学としての神道 ・「鬼道」という言葉の意味変遷 ・「神道」という言葉の意味変遷 ・神道と「三玄(易・老・荘)」の学 ・仏教一辺倒の日本古代宗教思想の研究 →

2015-04-05 09:58:26
fukuebisu @fukuebisu_tao

『道教と日本思想』福永光司著‥(徳間書店刊)より p59 ・中国神仙道教と「天皇」  そこで、日本の古代史を見てみますと、7世紀の後半、天武、持統の頃からですけれども、中国の道教の「真人」という言葉が用いられている。→

2015-04-06 10:55:24
fukuebisu @fukuebisu_tao

→『日本書紀』に載せる天武天皇の諡「天渟中原瀛真人」(あめのぬなはらおきのまひと)の「真人」がそれです。また同じく天武天皇の即位13年目に、それまでの古い豪族たちを中央集権的な支配組織の中に組み込むために、「八色の姓(やくさのかばね)」(8種の家格を示す称号)が制定されますが、→

2015-04-06 10:57:11
fukuebisu @fukuebisu_tao

→(天武時代に定めれれた)その「八色の姓」の最高位におかれているのが、やはり「真人」であって、それは皇族だけに与えられる姓であるとされています。それからまた、紫という色が、天皇ないし皇室とたいへん強く結び付けられて重んじられており、さらに鏡と剣も、→

2015-04-06 10:59:41
fukuebisu @fukuebisu_tao

(八色の姓の最高位「真人」は皇族の姓であり、紫色は、天皇や皇室と強く結び付けれている。さらに二種の神器も‥) →『日本書紀』を見てみますと、天皇の位の授受の場合には、二種の神器として重んぜられている。のちには三種の神器になりますが、『日本書紀』の中では、鏡と剣の二種の神器です。→

2015-04-06 11:04:47
fukuebisu @fukuebisu_tao

→ それからまた、日本の国号の「やまと」に「大和」という二字の漢字を当てるのも、その結びつきを考えてみると、なぜなのか首を傾げたくなる。→

2015-04-06 11:05:29
fukuebisu @fukuebisu_tao

→「やまと」という日本語は、おそらく「やまのと」、つまり山の入り口という意味だろうと思いますが…そのことは奈良の地形を見ても容易にうなずけるわけですが…、それになぜ大和(たいわ)という漢字を当てるのかという疑問が抱かれるわけです。→

2015-04-06 11:06:56
fukuebisu @fukuebisu_tao

→ただし、日本の古代史で、「やまと」という言葉に「大和」という漢字が当てられるようになった事情については、日本史の専門研究家でない私には責任を持ったことは言えません。しかし‥→

2015-04-06 11:08:20
fukuebisu @fukuebisu_tao

→しかし、中国の思想史では、この「大和」という言葉は、「天皇」「紫宮」「真人」などと一連の思想概念として、2~3世紀ごろにすでに神仙道教的な文献に見えているわけです。→

2015-04-06 11:09:21
fukuebisu @fukuebisu_tao

→もっとも、日本の天皇と中国の天皇とがなんらかの関係を持つということは、すでに津田左右吉氏が戦前に書かれた論文「天皇考」の中で触れておられます。しかし、その論議はまだ不徹底なものでありましたので、私はそのことをいっそう決定的な論議とするために、→

2015-04-06 11:12:11
fukuebisu @fukuebisu_tao

→「天皇」と「真人」と「紫宮」、それから二種の神器」(鏡と剣)と「大和」という国号などの問題をセットにして、それからまた、これはあとで詳しく申しますけれども、日本古代の「神道」というものが、中国の「神道」を、言葉としても内容としてもかなり顕著に受け入れて、大きく影響を受けている→

2015-04-06 11:13:12
fukuebisu @fukuebisu_tao

(「天皇」と「真人」と「紫宮」、それから二種の神器・鏡と剣」と「大和」という国号が、深く古代中国道教と関係し、また、日本古代の「神道」が、中国の「神道」から、言葉としも内容とし受入れ、大きく影響された) →であろうということを構造的に論証しようとしてこの論文を書いたわけです。→

2015-04-06 11:19:53
fukuebisu @fukuebisu_tao

→ 中国古代の宗教思想史の立場からする論証としては、1977年に岩波の雑誌『思想』に「天皇と紫宮と真人」という論文を書きましたが、この論文は、中国の古代と日本の古代との関係を比較するための前提作業という意味を持ちます。→

2015-04-06 11:20:38