これだけの量の放射能をどうやって封じ込めるか(入口紀男・熊大名誉教授)

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あざらしサラダ @azarashi_salad

これだけの量の放射能をどうやって封じ込めるか(入口紀男・熊大名誉教授) 広島に投下された原子爆弾には濃度80パーセントのウラン235が、75キログラム搭載されていました。広島の上空で核爆発を起こしたのはそのうち「0.8キログラム」でした。残りは空中で四散したと考えられています。

2015-04-11 07:33:03
あざらしサラダ @azarashi_salad

その「0.8キログラム」によって広島の街は壊滅しました。また、そのとき環境に飛散した放射能の量はセシウム137で8.9☓1013ベクレルであったと考えられています。

2015-04-11 07:33:14
あざらしサラダ @azarashi_salad

福島第一原子力発電所の1号機には「77トン」の二酸化ウラン(濃度3~5パーセント)と核分裂生成物が溶け落ちています。その溶融物は、これからも核分裂を起こし得るものであり、将来にわたって総量として広島原爆約3,800発分の放射能が環境に出てくる可能性がありそうです。

2015-04-11 07:33:23
あざらしサラダ @azarashi_salad

またそれとは別に1号機の建屋3階の使用済み核燃料プールには「392体」の核燃料集合体があり、その集合体は広島原爆の約4,000発分の放射能をもっていると考えられます。

2015-04-11 07:33:32
あざらしサラダ @azarashi_salad

また、2号機と3号機にはそれぞれ「107トン」の二酸化ウランと核分裂生成物が溶け落ちています (3号機にはプルトニウム239が含まれています)。また、2号機と3号機の使用済み核燃料プールにはそれぞれ「615体」と「566体」の核燃料集合体が沈められています。

2015-04-11 07:33:41
あざらしサラダ @azarashi_salad

1号機から3号機まで建屋の中の核燃料プールを含めてすべて合計すると、放射能は広島原爆約30,000発分 (セシウム137で2.7☓1018ベクレル) となりそうです。

2015-04-11 07:34:12
あざらしサラダ @azarashi_salad

そのうちこれまでに環境に出てきた放射性物質の量はその全体の量から見るとごく少なく、セシウム137で広島原爆の「168発」分(日本政府が2011年8月26日にIAEAに報告した値)または「384発」分(『Nature』478:435-436,2011による)でした。

2015-04-11 07:34:22
あざらしサラダ @azarashi_salad

したがって、ほとんど(約99パーセント)の放射能は、現在もまだ1~3号機の壊れた原子炉の中と使用済み核燃料プールの中に残っていると考えられます。これだけの量の放射能をこれからどうやって封じ込めて行くかが我われ日本人の課題です。

2015-04-11 07:34:32
あざらしサラダ @azarashi_salad

溶け落ちた核燃料を取り出す技術や道具を人類はもっていません。でも、セシウム137の半減期は約30年、また、ストロンチウム90の半減期は約29年です。なので、30年間「待つこと」によって放射能は半減し、15,000発分の放射能を取り出したことになるのです。

2015-04-11 07:34:42
あざらしサラダ @azarashi_salad

それだけの放射能を取り出す技術は他にありません。次の30年間で7,500発分になるでしょう。さらに次の30年間で3,750発分になるでしょう。無理に取り出そうとして過酷事故を起こしても割に合わないでしょう。

2015-04-11 07:34:49
あざらしサラダ @azarashi_salad

そこで、「石棺」と「地下粘土障壁」はある程度有効で現実的な手段だと思われます。

2015-04-11 07:35:10
あざらしサラダ @azarashi_salad

しかし、「石棺」には「あきらめ」の意味があるので、政府としては「石棺」を視野に入れること(すなわち、原子力発電なるものが「無残」な終わり方をするのだということを認めること)が国民に知らされないように慎重に事を運ぶ必要があるでしょう。

2015-04-11 07:35:16
あざらしサラダ @azarashi_salad

でも、国民としては「石棺」のことを後になって知らされるほうがより残酷でしょう。

2015-04-11 07:35:24
あざらしサラダ @azarashi_salad

福島第一原子力発電所は標高約40メートルの丘を12メートルまで削って造られているため、地下水脈が浅く、液状化しやすい土地です。敷地を地下障壁で囲んでも常に汲み出さなければ高放射能の沼地になる恐れがあります。

2015-04-11 07:35:32
あざらしサラダ @azarashi_salad

沼地になってからでは、石棺でおおうことはできないでしょう。1~3号機の建屋のプールの核燃料集合体も次の地震が来ないうちに、また、ひび割れで水もれが起きないうちに、できるだけ早く取り出さなければなりません。でも、建屋内部は放射線量が高く、現在はとても作業ができる状態でないようです。

2015-04-11 07:35:55
あざらしサラダ @azarashi_salad

福島第一原発1~3号機で行うべきこととして、現実的な作業の順序は

2015-04-11 07:36:46
あざらしサラダ @azarashi_salad

①冷却注水しながら「常」に汲み出す。 ②1~3号機建屋のプールから核燃料集合体を「可能な限り」取り出す。 ③凍土障壁を作った場合でもその外側に山側に「コ」の字型に囲んで地下粘土障壁を造る。 ④石棺でおおう。 ⑤冷却注水を停止する。

2015-04-11 07:36:51
あざらしサラダ @azarashi_salad

溶け落ちた核燃料には未反応の成分と使用済みの成分があります。未反応の成分は、その形状、濃度によっては水(中性子減速剤)が存在することによって新たに核分裂を起こし得るでしょう(形状、濃度は長い年月を経て変わって行くでしょう)。

2015-04-11 07:37:01
あざらしサラダ @azarashi_salad

使用済みの成分は最初は非常に高温なので水で冷却する(1.高温で拡散して環境に出て来ないようにするためと、2.未反応の成分を熱的に不安定にしないようにするために)必要があります。やがて使用済みの成分の発熱は低下していくので、バランス上は水で冷却しないほうがよいときが来るでしょう。

2015-04-11 07:37:10
あざらしサラダ @azarashi_salad

この「5.冷却注水を停止する」までやっても「終息宣言」は出せないでしょう。30年が経過したら石棺も地下粘土障壁も老朽化して雨水・地下水がしみ込むでしょうから。

2015-04-11 07:37:18
あざらしサラダ @azarashi_salad

⑥粘土障壁の外側を大型の「第二粘土障壁」で囲む。 ⑦石棺の外側を大型の「第二石棺」でおおう。

2015-04-11 07:37:34
あざらしサラダ @azarashi_salad

溶け落ちた未反応の燃料が時おり反応を繰り返しながら放射性物質を生成し、それらが自然消滅するには100万年かかるでしょう。我われの世代より何世紀か後に、石棺はさらに老朽化して放射能の水蒸気を噴く「100万年の活火山」 (フクシマの自然原子炉)となっているでしょう。

2015-04-11 07:37:49
あざらしサラダ @azarashi_salad

100万年後にその「活火山」が果たして地上にあるのかそれとも海底にあるのかはわかりません。(今から100万年前には伊豆半島もフィリピン海プレートに乗って日本に向かっていたのですから。)

2015-04-11 07:37:59
あざらしサラダ @azarashi_salad

「「100万年の活火山」(フクシマの自然原子炉) となるでしょう(入口紀男・熊大名誉教授)」をトゥギャりました。 togetter.com/li/806876

2015-04-11 07:45:06