右腕を押さえて呻くアイアンスタッグに向け、スクイーズが決断的速度で突進!そして跳躍!「イヤーッ!」疾走の勢いそのままに繰り出されるは高速のドロップキックだ!ピタリと揃えられたスクイーズの両足がアイアンスタッグの顔面を捉える!50
2015-04-22 23:03:07胸のカンジから超自然の光が両足に到達、不可思議生成されたハーフカットレモンが、アイアンスタッグのサイバーゴーグルを一瞬にして粉砕、そしてそのまま頭蓋を破壊した!「アバーッ!」アイアンスタッグの首が千切れ飛ぶ!雨に濡れた屋上を滑走着地するスクイーズ。51
2015-04-22 23:06:21「ザヨ……ナラ!」その直後に、背後でアイアンスタッグの胴体が爆発四散した。ナムアミダブツ!残されたのは重傷を負い戦闘不能となったブルースティングのみだ。サイバーサングラス型ネオンサインが「インガオホー」と瞬いた。52
2015-04-22 23:09:21彼らのミスは2つあった。ひとつは相手ニンジャを一人と侮り、敵対ニンジャ発見時の鉄則であるソウカイネットへの速やかなエマージェントを送らなかった事。もうひとつは自分達の連携を過信する余り、スクイーズのカラテ力量を見誤ったことである。53
2015-04-22 23:12:09もしもブルースティングが被弾した瞬間にアイアンスタッグが構わず射撃を続けていれば、或いはスクイーズも回避出来なかったかもしれない。だが、結果は覆せない。ニンジャのイクサにもしもは無い。一瞬の判断が生死を分けるのだ。54
2015-04-22 23:15:14「ゴボ……ッ」ブルースティングは血の塊を吐いた。先ほどの蹴りで叩き込まれたレモンが肋骨を粉砕、肝臓を破壊して大量の内出血を引き起こしたのだ。だが、ブルースティングの戦意の火はまだ消えていなかった。気力を振り絞り、目の前に落ちているニンジャソードに手を伸ばす。55
2015-04-22 23:18:06まだだ、アイアンスタッグの仇を討つまでは……!「これがレモンカラテだ」スクイーズはニンジャソードを踏み砕くと冷酷に告げた。レモンカラテ!?レモンカラテとは一体!?唯ひとつ言えることは、ブルースティングが今まさに濃紺の死神によって命を刈り取られようとしていることだけだ。56
2015-04-22 23:21:06「さっき、俺の目的を訊いていたな」またしても左胸のカンジエンブレムが輝き、右の腕に光のラインを描いた。「目的か……、さてな。俺自身、この衝動の行く先が分からないんでな」表情の見えぬメンポであったが、ブルースティングはスクイーズの態度に捨て鉢なアトモスフィアを感じ取った。57
2015-04-22 23:24:17右手が金色の光を放ち、スクイーズの手の平に超常のレモンがカラテ生成された。ブルースティングは、その光景を見ている事しか出来なかった。58
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