2015年5月4日 メイシネマ祭で「鳥の道を越えて」を観ました!

映画の紹介、私の覚書と感想等です。 「伝統」と「近代」について改めて考えるきっかけになりました。 若い今井監督の力作に感謝!
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あひるっくす第4形態(ただいま進化準備中) @yotayotaahiru

昨日(5月4日)のメイシネマで観た「鳥の道を越えて」、おもしろかった。けど、歓送をコンパクトにツイするのは難しい。とりあえず、観ながら考えていたのは、日本の「近代」というものについてと、「記憶から記録」、記憶の無い世代が記録映画をつくることの大きな意味について、等だった。

2015-05-05 13:44:07

ドキュメンタリー映画「鳥の道を越えて」 紹介

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torinomichi.com←ドキュメンタリー映画「鳥の道を越えて」(今井友樹監督作品 94分 2014年 工房ギャレット)公式サイト 映画紹介、上映情報、予告編、感想、自主上映やパンフレットの情報等あります。

2015-05-07 17:55:24
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『鳥の道を越えて』映画オリジナル予告編 youtu.be/qxG3V4qbJH4 @YouTubeさんから←音楽も素敵です

2015-05-07 04:10:41
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よたよたあひるによる紹介

(未見の方にはもうしわけないですが、内容の詳細をあひる視点で紹介しています)

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5月4日のメイシネマで観た「鳥の道を越えて」(今井友樹監督)、監督が子供の頃に祖父から聞いた「山の向こうの鳥の道」「空を真っ黒にするほどの鳥の群」「小遣いもって山に行き鳥屋(とや)で食べた鳥」等の祖父の思い出話を追い、8年かかりでまとめた「鳥の道」と郷土の渡り鳥猟の映画。(続

2015-05-06 23:31:13
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続)【鳥の道を越えて】今井監督が追う「鳥の道」、最初の手がかりは祖父の世代の人々が語る鳥屋場(とやば)の思い出。鳥屋場は鳥猟をする猟師の拠点でその場で焼いた鳥を売っていた場所。標高600m程の低い尾根に点在しつなぐと旧村の村境に重なる。監督は放置された鳥屋場跡の小屋も訪ねた。(続

2015-05-06 23:54:52
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続)【鳥の道を越えて】鳥屋場はもうない。岐阜県東濃地方の鳥猟は冬の渡り鳥のカスミ網猟でカスミ網猟は昭和22年に禁止。密猟には警察の取締もあり、今は鳥屋場跡や古い写真集等に痕跡を残すのみ。映画「鳥の道を越えて」にはかつて鳥屋で働きその後野鳥の会で保護運動に尽力した方も登場する。(続

2015-05-07 00:37:58
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続)【鳥の道を越えて】カスミ網猟は禁止されているけれど、カスミ網で鳥を捕獲し足環をつけて放鳥する標識調査は行われている。カスミ網は英語では「ミスト・ネット」、ドイツ語で「ヤーパン・ネット」と呼ばれる。他の方法より鳥の身体への負担が軽いそうだ。もちろん、長く網に放置はできない。(続

2015-05-07 01:03:26
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続)監督はその調査拠点、福井県の織田山ステーションを訪ねる。元々は鳥屋場で「網場」の周囲には鳥の食べる実のなる植物が沢山ある。鳥屋場から引きついた「財産」だ。調査の時期にはこの植物を手入れして環境を整える。1時間ごとに巡回して網にかかった鳥を捕獲、調査して足環をつけて放鳥。(続

2015-05-07 01:19:15
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続)【鳥の道を越えて】織田山ステーションの地主さんによれば、もともとの鳥屋場の運営は地元の人ではなくて岐阜からその季節になるとやってくる人たちだったのだそう。鳥のことをよく知っている人たちだったと。そして、映画は岐阜県東濃地方の鳥猟の歴史をたどる。(続

2015-05-07 01:29:11

★標識調査をしているのが山階鳥類研究所で、「福井県の織田山ステーション」が渡り鳥の調査拠点です。

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続)【鳥の道を越えて】既に江戸時代には山々に「とや」の地名があり、大量の野鳥を購入した行政文書の記録もあった。千羽以上の鳥を購入、塩や麹や酒に漬け保存食にしたのだという。海のない地域での栄養価の高い貴重な蛋白源としての鳥。そして、伝統的な鳥猟は近代には現金収入の手段となる(続

2015-05-07 01:47:05
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続)【鳥の道を越えて】映画はまた、カスミ網猟ではない、現在も続いている渡り鳥猟の実際も記録している。石川県加賀市の片野鴨池で300年前から続く棹のついた網を投げて鴨を採る坂網猟。夕暮れに餌を求めて鴨が飛び立つその時をねらって全長4m以上もある棹つきの網を投げて鴨を採る猟。(続

2015-05-07 02:00:14
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続)【鳥の道を越えて】カスミ網猟のように「効率よく」大量に捕獲することはできない。網一つに鴨一羽、投げても鴨がかからないこともある。鴨池は夏は水田として農家が管理し冬は猟師が管理して湿地を護ってきた。今は米つくりは行われていないから、猟師とボランティアが陸地化を防いでいる。(続

2015-05-07 02:17:10
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続)【鳥の道を越えて】かつてカスミ網猟に従事しその後密猟の取締に回り野鳥保護活動をしている方が「なぜカスミ網撲滅、鳥の保護活動をするようになったか」を語っていた。ごく近くで体感した鳥の渡りに感動を年長者に話したら昭和初期までの渡りは鳥の羽で熊笹が枯れるほどにずっと多かったと。(続

2015-05-07 02:29:59
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続)【鳥の道を越えて】わずか十数年の間に鳥の数がそれほどにも激減した、このままではいけないと思い、身体をはっても護らなくてはという考えに傾いたのだと。映画はお年寄りが覚えていた「モチ猟」という粘りのある樹液をつかった鳥屋場の写真も紹介していた。カスミ網が普及する前の猟の形?(続

2015-05-07 02:37:24
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続)【鳥の道を越えて】映画の終盤に、福井県越前市瓜生野町にある鳥屋場跡に残る「補鳥供養塔」(石塔)が登場する。岐阜東濃の猟師が大正3年に立てたもので、発起人は監督を案内していた方の伯父上だったとのこと。重い石塔を山の尾根までかついで登ったそうだ、と。草むらに埋もれた石塔。

2015-05-07 02:58:29

あひる感想 

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【鳥の道を越えて・感想】鳥屋場が、猟の形は異なっても、少なくとも江戸時代からあったという歴史、山村の食文化と鳥屋場の植物群の整備、昭和の中ごろまでは「鳥の道」はもしかしたら遠くからも目に見えるものとしてあったのかもしれない。渡り鳥が激減したのにカスミ網猟の寄与は大きいだろう。(続

2015-05-07 03:11:43
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続)【鳥の道を越えて・感想】カスミ網猟そのものも近代日本の軽工業の発達がなかったら成り立たなかっただろうし、遠方への出稼ぎも、それが現金収入として成り立つということは、それだけのニーズがあったということでもあり、日本の「近代」「産業化」の流れの中にある。(続

2015-05-07 03:20:25
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続)【鳥の道を越えて・感想】戦後のカスミ網猟禁止後の密猟と摘発という、難しい問題をはらむこのテーマに、マイナスの記憶のない若い監督がまっすぐな視線で、一つ一つ丁寧に取材していった作品だからこそ、聞き取り撮影し記録することができたエピソードがたくさんあると感じた。(続

2015-05-07 03:28:18
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続)【鳥の道を越えて・感想】8年がかりの作品、色々考えたし面白かった。おまけの感想…東濃地方の猟師が遠方に出稼ぎに行き鳥屋場を開く話は、青原さとし監督の「藝州かやぶき紀行」で広島のかやぶき屋根職人が西日本各地に屋根ふき出稼ぎに行ったのと重なる。監督がそれをどんどん追いかけたのも。

2015-05-07 03:37:48

本田孝義監督からリプいただきました

民族映像文化研究所について

本田孝義 『ずぶぬれて犬ころ』→新作準備中 @hontaka1229

鋭いご指摘。今井監督も青原監督も、元民族文化映像研究所、という共通点があります。そう言えば、『鳥の道を越えて』にはありし日の姫田忠義さんの姿もありましたね。 twitter.com/yotayotaahiru/…

2015-05-07 08:20:10