セルビア・ハンガリー甘い戦争~ネグロ・キャンディはいつどこからやって来た?

さて問題です。欧州で初めて「ネグロ」という名前のキャンディを製造販売した国は、セルビアとハンガリー、正解はどっち?好奇心旺盛なユーゴ好きたちによる飽くなき探求という名の雑談。
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KuraganeKei @kuragane_k

@ILOVEYUGO 満を持してモンテネグロの登場~。こうして創られる伝統~。

2015-05-22 05:27:43
小林檀 @dan575

@kuragane_k @ILOVEYUGO モンテネグロまで絡んでくるとは、カオスの予感しかしませんwww 自分はピエトロ・ネグロ氏が実在したのかどうかが怪しいとふんでますが。彼に関する情報他にあるのでしょうか。

2015-05-22 06:44:54

謎のイタリア人「ピエトロ・ネグロ」は実在したのか?

KuraganeKei @kuragane_k

最近アイラブユーゴ氏(@ILOVEYUGO )とのやり取りで少々盛り上がっている「ネグロ」飴。ハンガリーでは現在Győri社の商標となっていて、ウェブサイトによると1925年にイタリア人ピエトロ・ネグロ氏がレシピを考案したとのこと。 pic.twitter.com/EueHsrV7Th

2015-05-22 18:13:51
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KuraganeKei @kuragane_k

一方、セルビアのピオニール社の「ネグロ」の袋には「唯一の本当のオリジナル 1917年から」と思いっきり書かれていて、この時差8年という時差の微妙さに加え、ザッハ/デーメル的な元祖と本家の論争みたいな芳しい匂いが感じ取れるのであった。 twitter.com/ILOVEYUGO/stat…

2015-05-22 18:21:40
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

. @kuragane_k 飴「ネグロ」のメモ③ ・セルビアの方の「ネグロ」(スボティツァ、ピオニール社)の袋には、「唯一の本当のオリジナル 1917年から」(写真参照)なんていう主張が…。 (鈴) pic.twitter.com/UPsMQ9VyDu

2015-05-22 05:14:39
KuraganeKei @kuragane_k

ここで鍵になりそうなのが、NEGROという名称がハンガリーとセルビアで同じであること、そして(ハンガリー側の説によると)その名称の元になっているらしいピエトロ・ネグロというイタリア人との関係である。

2015-05-22 18:26:47
KuraganeKei @kuragane_k

とりあえずネット上で拾えた情報を整理して分かったこと: 1920年のトリアノン条約によって、ハンガリーは領土の7割を失った。結果、旧王国領の産業インフラもそのまま国境外に誕生した新興国家群に回収されてしまった。その中には、製菓業も含まれていた。

2015-05-22 18:32:25
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

@kuragane_k おぉ、これはありがたや。お疲れ様です! 助かります、というか、面白い。 (鈴)

2015-05-22 18:48:44
KuraganeKei @kuragane_k

1922年、ビール製造会社を経営するドレヘル・アンタルが、製菓事業に乗り出し、チョコレート・キャンディ工場を設立。国外から、製菓技術に精通した専門家を呼び集めたらしい。その中の1人が、ピエトロ・ネグロ氏であった。

2015-05-22 18:37:08
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

@kuragane_k おぉぉ、ピエトロ・ネグロ、実在してたんか! なるほど、海外からの技術伝道者だったわけですね。 (鈴)

2015-05-22 18:50:35
KuraganeKei @kuragane_k

ネグロは、サワー・キャンディ製造部門を任されていたらしい。当時、キャンディ製造では、飴の型を取った後の残りかすを溶かして再利用していたが、そうすると、キャンディがベトついてしまうという難点があったそうな。

2015-05-22 18:43:36
KuraganeKei @kuragane_k

ネグロは、そのベトつきを何とか抑えられないものかと思考錯誤して、ミントやら何やらを配合して納得いくものを作り上げた。それが、偶然の成果として誕生したNEGROのレシピだった。こうして、ハンガリーのNEGRO飴は1925年に初めて市場に出回ることになったとのこと。

2015-05-22 18:46:07
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

@kuragane_k ほほぅ、あのスッとする味は、べとつき対策だったわけっすねw。 いやあ、ここまでしっかりしたソースがあると、1917説は非常に脆そうだ…w (鈴)

2015-05-22 18:53:12
KuraganeKei @kuragane_k

ハンガリー語で読めるソース(例えばこれ nol.hu/archivum/archi… )の内容がある程度正しいのだとすれば、ピエトロ・ネグロ氏は実在の人物で、しかも、NEGRO誕生の歴史は、第一次世界大戦敗戦の新生ハンガリーの産業復興プロセスとも結びついていることになる。

2015-05-22 18:50:45
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

@kuragane_k ハンガリー語ソースの方が圧倒的に、しっかりしてる…。まあ、予想通りですが… しかし、コラボというか調査、感謝申し上げます。どうもありがとうございました! (鈴)

2015-05-22 18:55:38
KuraganeKei @kuragane_k

するとセルビアのピオニール社がわざわざ「ネグロ」という商標を使わなくてはいけない必然性があるのだろうかというのが素朴な疑問として残る。もちろん「オリジナルは1917年以来」という部分は、世の中とりあえず言った者勝ち、既成事実化した者勝ちみたいな側面があるので、それはさて置きだが。

2015-05-22 18:53:16
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

@kuragane_k おっしゃる通りですねえ…。やっぱ、盛ったな、セルビア人、いやセルビアのハンガリー人、はたまた旧ハンガリー領のセルビア人ないしハンガリー人…、というか南の方のちょっと強引な人たち… (鈴)

2015-05-22 19:12:45
KuraganeKei @kuragane_k

あと、こちらは政治的には多少慎重に接する必要のあるサイト hu.metapedia.org/wiki/Negro_cuk… の記事なので、注意を要するけど、この煙突掃除職人のモチーフは1948年のハンガリー製ネグロのパッケージには既に描かれていたそうだ。 pic.twitter.com/kHEEfTSovY

2015-05-22 19:01:36
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小林檀 @dan575

@kuragane_k ちなみに犬の名はクロでクロが寝てるので……(クロアチアとは全く関係無い名前です)

2015-05-22 19:16:35

アイラブユーゴ氏、とりあえずこれまでの成果を総括。

ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

飴「ネグロ」のメモ⑥ 倉金佳氏@kuragane_kのお力を得て、ハンガリー版「ネグロ」飴の誕生の経緯が少し判明。倉金氏、ありがとうございます。 ・ハンガリー語情報では、ピエトロ・ネグロ氏は実在。 ・ネグロ氏は、菓子技術の伝道師としてブダペシュトにやって来たイタリア人。 (鈴)

2015-05-22 19:03:57
ILOVEYUGO @ILOVEYUGO

飴「ネグロ」のメモ⑦ ↓続き ・「ネグロ」飴のスッとする感じは、ベタつき防止でミント系を入れたことの産物だったとか、情報の内容的に、ハンガリー版「ネグロ」飴が1925年誕生というのはカタそう。 ・となると、セルビア/スボティツァ版が1917年というのはちょっと微妙か…。 (鈴)

2015-05-22 19:10:12