備忘録 [2015/05/26] : "Sword without Master" 紹介

django ( @django88628676 )氏による "Sword without Master" の解説ツイート
9
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

ローグは危険に直面する前に「シールドを得る機会を探すべきだ」とされる。これは戦闘等を有利にし、イベントをクリアしやすくするためではない。SwMでは「シールドは剥がされ、引き裂かれることで、直面した危機をより強大に演出でき、それに打ち勝った時の栄誉を大きくできるもの」と考える

2015-05-27 14:52:11
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMのプレイ指針は「魅惑的な剣と魔法のショートストーリーを皆で語り合って作ること」なので、提示される困難の打破それ自体はあまり重きを置かれない。如何に血沸き肉踊る、または心胆寒からしめる物語となるか、が最優先なので、シールドもそのためのツールの1つに挙げられている

2015-05-27 14:56:26
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMプレイでの“語り”に盛り込まれるシールド(防御策)とスカー(敵から受ける損害)は、どちらも「プレイヤーによる、より大きなグローリー(栄誉ある勝利、敗北)獲得のための“投資”」テクニックだと解説される

2015-05-27 14:59:47

SwMで混乱するかもだけど楽しそうなところ

django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

【SwMで混乱するかもだけと楽しそうなところ その1】 「物語に描写され、ストーリーを展開させるディテールの大半はプレイヤーがその場ででっち上げる。それらはほとんどマスターから提示されない」

2015-08-25 20:59:00

独特なルールの手順

django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

Sword without Master(SwM)は“剣と魔法”のTRPG。狙いどころはファファード&グレイマウザーシリーズのような、暗くも華やかで皮肉な冒険ファンタジー。そのテーマやモチーフは突飛ではないが、ルールの手順はかなり独特…というか「通常の逆」みたいになってるところが

2015-08-25 21:12:43
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMのプレイヤーキャラクターたちは「ローグ」と称される。そのローグたちが夜、町の裏通りで突然、複数名の暴漢に襲われ、からくもそれを退けたとしよう。その後、プレイヤーたちは「次の展開」を求めて、何かしらの行動を描写しつつ、ゲームマスターに「手がかり」の提示を求めるかもしれない

2015-08-25 21:24:36
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

例えば「暴漢たちと乱闘したあたりの地面を探してみるよ。何か落ちてないかな?」「奴らが逃げていったほうへと走って行ったら、誰かいないか。開いている店でもあれば、聞き込みがしたい」…こうしたプレイヤーの問や行動に対してゲームマスターは答える、という形はTRPGのプレイによく見られる

2015-08-25 21:30:17
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMでは、こうした状況の処理手順がある意味で「逆」。まずオーバープレイヤー(SwMのマスター役の呼称)は、適当にローグプレイヤーの誰かにダイスを渡す。渡された人はすぐにダイスロールし、その出目に基づいて、自分のローグが何を知っているか、行動の結果、何を知ったのかを決定できる

2015-08-25 21:39:54
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

次の展開に向かうための「手がかり」は得られるのか、何が明るみに出るのかをオーバープレイヤーに尋ねる必要は一切ない。ダイスロールしたローグプレイヤーが独断で、それを物語の既成事実として語ることができる。ちなみにダイスの出目が示すのは「陽気/陰気」という漠然とした雰囲気だけだ

2015-08-25 21:43:20
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

先の暴漢に襲われた直後の例で、ダイスの出目が「陰気」だったとする。ローグプレイヤーは「私は道の真中の地面に、月明かりに照らされ鈍く光る汚れた硬貨を見つけ拾い上げた。それはこの国のものではない、はるか北方の国で使われているものだ」と語る。地面を探すけど何かある?といった質問は不要

2015-08-25 21:54:12
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

出目が「陽気」ならそれを反映して「表通りの賑やかな居酒屋に入って一杯頼み、物騒な黒尽くめの暴漢について知らないかと店主に尋ねると、彼は顔をしかめてオメーなる者が街の若者を集めた愚連隊を挙げ、それを大声で口汚く罵った」といったふうに。当然、オメーや愚連隊の存在はその場の思いつきだ

2015-08-25 22:01:19
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

ダイスロールし「発覚した事実」を説明した(でっち上げた)プレイヤーは、その直後、オーバープレイヤーにそれについて質問する。SwMでプレイヤーが質問するのは「次への手がかり」を得た、自ら作り出した「後」。その質問はルールで「はい/いいえで答えられるものであってはならない」とされる

2015-08-25 22:07:56
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

先の例からすると「この町に北方の異国の者が集まる場所があるようだ。それはどこか?」「オメーはこの町ではなかなかの有名人だ。彼に深いつながりのある人物は誰だろう?」といった質問が考えられる。オーバープレイヤーはこれに答える。大抵の場合で、これもまた即興的なでっち上げとなるだろう

2015-08-25 22:13:25
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMではこのように「プレイヤーの決定(アイデアの提出)」が物語の「次」を示す。オーバープレイヤー(いわゆるマスター役)がするのは、そのプレイヤーが発する質問に答える形で「アイデアにひねりを加える」「事前に準備していた要素と結びつける」ことで、プロットをより豊かにすることだ

2015-08-25 22:17:17
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMではプレイの目標を「全員が協力して、魅惑的な剣と魔法の物語を作り出しつつ、同時にそれを観客として楽しむ」こととする。その目標の下にすべてのルールがあるので、物語詳細の决定・決済権はプレイヤーにも分担されている(おそらくオーバープレイヤーがマスターと呼ばれないのはこのため)

2015-08-25 22:28:21
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

…この種の「その場で語られたことを既知とする」広範囲な承認は、意識的・無意識的に他のTRPGのプレイでも実践されているところ。あるプレイヤーが発案した要素が、他の全員の承認のもとで「既成事実」とされ、物語全体に影響を与えることは、けっして珍しくない

2015-08-25 22:37:59

Sword without Master のバックボーン

django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMの作者はEpidiah Ravachol(エピダイアー・ラヴァコルと読むのだと思う、動画とかで聞いても早口なんで…w)氏。彼は『Dread』『Vast&Starlit』といったRPG、ストーリーゲームのデザイナーであり、WwM誌のオーバーエディター(編集長)でもある

2015-08-26 00:26:30
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

SwMというゲームがある、ってことは、例えばD.Vincent Baker『Sundered land』(lumpley game/2013年)の参考文献に挙げられていて、遠い日本のこちらでも確認できていたんだけど…その段階では「未刊行(unpublished)」だった

2015-08-26 00:40:42
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

そしてWorld without Master誌の創刊号Vol.1 Issue.1が2013年9月に登場、11月にIssue.2が、そして14年3月、Sword without Masterルール掲載のIssue.3が出た。同誌はすでにIssue.9まで刊行されている

2015-08-26 00:49:07
django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

WwM誌は「剣と魔法の冒険譚、およびゲームのE-zin(電子雑誌)」で、毎号にオリジナルのミニTRPGやストーリーゲーム、または同誌で発表されたそれらのゲームのサプリメントが掲載される。気づくと9巻も出ているので、なかなか追いつけない…

2015-08-26 00:54:23

ディスカバリーフェーズのリプレイ

django(中村俊也/RPGシティブックIII発売中!) @django88628676

Sword without Master、先日「プレイヤーが物語のプロットにかかわるディテールをその場で発案してかまわない」と紹介したけれど、ディスカバリー(発見)フェーズのリプレイ的な例示で「ここまでやっていいですよ」と極端なことしてるな…

2015-08-27 14:57:28