【 #執務室はお茶の時間 その6】真面目な提督、不真面目な提督

筍提督(@storyoflingga)の「#僻地の泊地日記」との交流
3

とある作戦行動の最中にタウイタウイの近くを通りかかった筍提督(@storyoflingga)とその船団

筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

五月三日。船内で二人慰め合った夜が明けてからは、静かな時が流れていきました。神通が、鳳翔の肌が綺麗になっていることに気付いた以外は、何事もありませんでした。パラオ沖の高気圧にも変化はない。時が経つにつれて、今日は何も起こらないのだと思い込むようになりました。 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:10:47
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

事実、私が護衛を担当した六時から十二時の間に異常はなく、その後も、第二護衛隊からの緊急連絡は一つも入ってきませんでした。だから、連絡が来たら起こすよう鳳翔に伝え、私はヘッドホンを外して、約三十時間振りの睡眠を取ることにしたのでした。 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:16:36
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

そういうわけで、私はその時、ベッドの上で寝息を立てていたのですが……。 十五時半頃。不意に体を揺すられ、目を覚ましました。私を起こしたのは、当然、鳳翔でした。私は案外冷静でした。 『何? 何かあった?』 「<なち>の電探が艦影を捕捉しました」 『艦影だと?』 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:21:18
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

私はヘッドホンを引き寄せながら訊ねます。 『艦影の数と大きさは?』 「1です。実艦と思われます。こちらに接近している模様です」 『今、どの辺だ?』 「タウイタウイ泊地の北西約20kmの地点です」 私はそこで、『ん、』と、声を漏らしました。 『タウイタウイか……』 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:28:38
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

『実艦レベルで単艦行動なら、敵の大戦艦でもないだろう。泊地の船じゃないか?』 私の予想は的中しました。言い終えるが早いか、部屋の扉をノックした副船長が、早口で、パイロットボートの接近を告げたのです。 『ひとまず、船橋へ上がります』 「お願いします!」 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:34:05
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

船橋では、芳野船長が直々に出迎えてくれました。心なしか、表情に緊張が見られます。もっとも、私の方も、出航前以来の交流を楽しんでいる暇はありませんでした。 「お話は、副船長の方からお聞きになりましたか?」 『ええ。パイロットボートが接近、と』 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:36:51
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

窓に寄って双眼鏡を覗きます。陽が傾き始め、色を変える海の上、相対距離10km弱といったところに、確かにパイロットボートが見えます。 私は、もう一人のイージス艦を呼び出しました。 『おい、<なち>、砲は向けてないな?』 [当然だ。部署も発動していない] #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:45:25
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

[敵ではないと思い、報告もしなかった。何せ、寝ていると聞いたものでな] 『構わん。それでいい』 答えながら双眼鏡を覗き続けていると、パイロットボートからの発行信号を確認しました。少なからず驚きつつ、私は信号の解読に集中しました。 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:49:00
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

――せれべす海ハ全面封鎖中。泊地ニテ待機サレタシ。 「封鎖中!?」 最初に驚きの声を上げたのは、芳野船長です。私も同じ思いを禁じ得ませんでした。 セレベス海と言えば、タウイタウイ泊地の南東に広がる海です。泊地を掠めてそこを抜けようと思っていたのですが……。 #僻地の泊地日記

2015-05-22 20:56:56
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

[<なち>より<たいせつ>。従うということでいいな?] 私は唸りながら、『そうするしかあるまい。見ろ、ボートが転針する。ついて行こう』 [了解した。全艦に通達する] 今と同じ話を船員の方々にも伝えてからも、私はしっかりと、双眼鏡を手にしていました。 #僻地の泊地日記

2015-05-22 21:08:32
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

ちょうど海照丸を降りた時、報告が続きました。 [新たな発光。距離300!] 『大丈夫だ、俺からも見える』 内容は入港ルートの指示でした。そっくりそのまま二隻の輸送船に伝え、針路変更を指示しました。 私たちは、1マイル、1ヤードと、タウイタウイに近付いていきます。 #僻地の泊地日記

2015-05-23 23:40:35
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

私はここで、あることに気付きました。まだ停泊地を確保していないのです。 護衛対象は一般人が乗っているので、海軍所属の艦のように、陸から離れたところに錨を下ろして……というわけにはいきません。いえ、船員の皆さんが何と言うかは分かりませんが、できれば避けたい。 #僻地の泊地日記

2015-05-23 23:45:35
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

それに、バースから離れたところに投錨すると、実艦か艦娘かによらず、作戦行動に出る艦の邪魔になりかねません。艦娘を従える提督として、それはもっと避けたい。なので、受け入れ先を探さねばならないのです。 知り合いがいればお願いがしやすい。タウイタウイに知り合いは……。 #僻地の泊地日記

2015-05-23 23:48:28
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

『……あ、蝦夷貂提督』 そうです。退役するRQ-1の引き取り手であり、昨日、リンガに贈り物をくれた蝦夷貂提督その人こそ、タウイタウイに籍を置いています。 私は、難しいことはそれ以上考えず、指示を出しました。 『おい、<なち>、打電だ』 #僻地の泊地日記

2015-05-23 23:53:03
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

[内容は?] 『「当船団ハ筍大将麾下ノ護衛船団ナリ。せれべす海封鎖中ニツキ船団ノ停泊地ヲ提供サレタシ」……これで頼む』 [了解した] 間もなく個別の通信は切られ、代わりにモールス信号が飛んでいくのが分かりました。 #僻地の泊地日記

2015-05-23 23:58:14
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

[しかし、急な頼みだ、あまり期待しない方がいい] 『そういうのは釈迦に説法って言うんだ』 [一人前だとでも言わんばかりだな] 『……元・呉所属の旗艦は一言も二言も多いな……』 私は呆れ半分に言いながら、返信を聞き逃さぬよう、耳を澄ませていました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:06:59
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

間もなく返信がありました。私は、敵の出現を心配している時とは別の緊張を覚えながら、それを聞いていましたが、無事に停泊の許可が下りました。 [早速向かいましょうよ!]と<あまつかぜ>の声。 『そうしよう。陣形そのまま、転針0-8-5』 [0-8-5、宜候!] #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:16:14

そのころ蝦夷貂提督は・・・

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「・・・でね、思うわけよ提督」 「・・・ん?あ、ごめん、ボーッとしてた」 「ちょっとちょっとぉ」 「すまん隼鷹、なにを思うって?」 「だからぁ、副業とはいえアタシもこうやって自給自足で料理屋やってるわけじゃない、やっぱウチの鎮守府以外の人にも来て欲しいのよ」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-23 23:46:04
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「いやいや、ウチの鎮守府の連中が来ればそれで充分だろ、そもそも採算度外視なわけだし」 「そうは言うけどさぁー、やっぱこうやって店までやってるとさ、欲が出るわけよ、欲が」 「なるほどねぇ」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-23 23:49:17
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「毎夜毎夜来るのは頭のおかしい艦娘ばかり、たまに来る我らが提督は下戸ときたもんだ、これじゃやり甲斐も感じずらいってもんよ」 「俺は下戸ではないぞ、ボトルキープだってしてるだろ、芋焼酎の」 「いやいやいやいや」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-23 23:51:41
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「提督さぁ、提督のキープしてるボトル、ここに来る他の艦娘からなんて呼ばれてるか知ってる?」 「さあ」 「『開かずのボトル』だよ」 「・・・まあ確かに2ヶ月に一回くらいしか使わないけども」 「ちなみに命名者は高雄ね」 「だろうと思った」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-23 23:53:48
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「というかよ、仕方ないんだよ、俺は自分の仕事がひと段落したタイミングで夕飯食いにここに来てるんだから、酒なんか飲めるわけないだろ」 「まーね、この後まだ仕事がある人に18時前から酒飲まれるのも複雑な気分だわ」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-23 23:59:35
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「・・・ん?隼鷹、店の電話鳴ってないか?」 「あ、ほんとだ、ちょっと待ってて提督、・・・・・・はいもしもし隼鷹小料理屋、・・・はい・・・はいはい・・・はーい了解」 「なんの電話だった?」 「執務室の北上ちゃんから、なんか電文来てるって」 「マジか」 #隼鷹小料理屋の夜

2015-05-24 00:02:58
1 ・・ 17 次へ