【 #執務室はお茶の時間 その6】真面目な提督、不真面目な提督

筍提督(@storyoflingga)の「#僻地の泊地日記」との交流
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蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

隼鷹小料理屋を出て執務室に戻ると、内線をかけてきた北上が待っていました 「誰からなんだって?」 「筍提督から、『船団泊めさせてー』だってさ〜」 「へ?」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 00:06:23
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「船団?どういうことだそれ?」 「さぁー?アタシもよく分かんないけど」 「まあ筍提督なら信頼おけるし停泊してもらうのは構わんが・・・」 「返事出す?」 「そうだな、オッケーってことで返事してくれ」 「りょうかーい、明石っちに頼んどくわ〜」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 00:08:43
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

執務室にある電話で北上が内線電話をかけているのを横目に、新しいお茶を淹れます 電話先の情報管制室の明石に向かって「オッケーってことで返事してあげて〜、文章?あーもう適当で、明石っちに任すよ」などと話している北上にも湯呑みを渡すと、目線だけで礼をしてきました #執務室はお茶の時間

2015-05-24 00:16:11

筍提督、タウイタウイ泊地へ

筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

タウイタウイは、目の前を通過したことは何度かありますが、入港は初めてです。<しもきた>に乗艦していた頃でさえ、経験していないことです。 だから、目の前の光景は、初めて見るもの。しかも、夕日のおかげで橙に染まっていたので、私は見惚れてしまいました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:28:47
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

ですが、私は自力で意識を船団に戻し、海照丸と第五大栄丸をバースに寄せるのを助ける作業に移りました。 タウイタウイへの寄港は予定外でしたので、艦娘の配置はバラバラ。音声通信と発光信号、海照丸から借りた手旗信号用の旗を組み合わせ、なんとか無事に停泊作業を終えました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:41:56
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

一連の作業を、甲板に出て見守っていたらしい空母艦娘たちが、頭上から声をかけてきました。 「よくやるよね、こんな無茶な接岸」 「見ててヒヤヒヤしましたよ」 『そんなこと言われてもな……輸送船には傷一つ付けてないからいいだろ?』 空母らは、愉快そうに笑っていました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:46:13
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

輸送船からは、次々と船員が出てきます。私は先に口を開きました。 『ご苦労様でした。乗組員の受け入れについては、これから話をつけてきます』 芳野船長は、顔の前で手を振ります。「さすがに、泊地の軍人さんに迷惑がかかるでしょう。私らは、船で寝る方が慣れてますから」 #僻地の泊地日記

2015-05-24 00:58:58
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

『え、いや、しかし……』 「大丈夫ですって」 芳野船長は、何を言っても譲らなさそうだと感じたので、それ以上は何も言いませんでした。第五大栄丸の岩多船長はと言えば、私が勧めるのをのらりくらりと躱し、つまるところ、同様に上陸を遠慮しました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 01:02:28

お出迎え
そして対面する二人の提督

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

執務室の窓から外を見ると、ちょうどバースに船が2隻接岸しているところでした 「輸送船、かな?」 「みたいだね〜、物資輸送してる途中とか?」 「それにしちゃあ随伴の艦娘の装備がやたら物々しいが・・・」 「ま、なんでもいいけどね〜」 「まあな」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 02:30:10
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「ところで提督」 「なんだ北上」 「筍提督ってさぁ、いま階級たしか大将だよね?」 「ん、そうだな、若手提督の中じゃ出世頭だ」 「でもって提督の階級は?」 「・・・こないだ少将になった」 「出迎え、行ったほうが良くない?」 「助言感謝だ北上、行くぞ」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 02:32:41
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「あのさ提督」 筍提督を出迎えるために外に出るまでの途中、隣を歩く北上が思い出したかのように話しかけて来ました 「どうした」 「提督ってさ、一応まだ大本営から目ぇ付けられてるんだよね?」 「ん?そうだな、まあ最近はだいぶマシになったけどね」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 16:15:26
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「A級なんちゃらかんちゃら、だっけ?」 「A級監察対象、な」 「それそれ」 「まあ俺が『いつ誤作動を起こすかも分からない失敗作』なのは今でも変わらないらしいからねぇ、俺自身はそうは思ってないけど」 「あたしもだよ」 「そりゃどうも、で、それがどうした?」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 16:17:52
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「それさ・・・その、提督がそういう身分だってこと、海軍関係者はけっこう皆知ってることなの?」 「んー?・・・あ、そうか、北上お前心配なんだろ?筍提督と一緒に来た他の軍人が俺のことについて何か知っていて、それで何か危害を加えないかどうかを」 「・・・うん」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 16:22:20
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「心配するこたぁ無いよ」 珍しく弱気な北上の不安を払拭するように、私はいつものようにへらへら笑いながら喋ります 「基本的にはその情報は公式には開示されてないからね、よほどの高官でも無い限り俺が『ヤバい』奴扱いされてることは知らないはずだよ」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 16:25:25
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

「・・・それもそっか、そうだね、変な心配しちゃったなあたし、あはは」 北上の顔にいつもの笑顔が戻ります ・・・まあ中には筍提督みたいに俺がNATOにマークされてた事実まで何故か知ってるような奴もいるけどな #執務室はお茶の時間

2015-05-24 16:27:45
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

建物の外に出てバースへと近づくと、停泊している船の様子が徐々に分かってきました 「民間の船舶・・・?」 北上が首を傾げながら呟きます 「ぽいな、甲板にいる船員も軍人らしくないし」 「ますますなんの作戦だか分かんないねぇ」 #執務室はお茶の時間

2015-05-24 17:03:15
蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

北上とそんな話をしていると、ちょうど船から降り立った筍提督がこちらに歩いてきました あのゴツいブーツを付けているということは、さっきまで海上にいたのでしょう、なんというか、相変わらずです #執務室はお茶の時間

2015-05-24 17:07:37
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

ひとまず、借りた旗を返して、空母たちと一緒に再びバースに降りたところに、私たちを出迎えに来てくれた者がありました。それは二人。一人はは紛れもなく北上で、もう一人は、私がリンガに飛んで以来、一度もまともに会って話をしたことがない、その人でした。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:16:17
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

『蝦夷貂提督!』 私の声が合図だったかのように、船団を受け入れてくれた張本人である蝦夷貂提督は、ゆるりと敬礼をしました。私も慌てて返礼をします。 「遠路、お疲れ様です」 はて、以前は敬語だったか……。そんなことを考えながら、『ありがとうございます』と答えました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:21:20
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

敬語はあくまで挨拶に礼儀を通したまでだったようで、次の言葉は「何の任務?」でした。 『詳しくはお伝えできませんが、物資輸送船団の護衛です』 「へえ。何処まで?」 『パラオの東北東、約700kmに位置する、ファイスという島です』 「そりゃまた大変な任務だ」 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:25:30
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

今度は、私が質問をする番でした。 『あの……セレベス海は、何故封鎖されているんです?』 「セレベス? すぐ南の海だろ。そこが封鎖? 何か知ってるか?」 最後は北上に問うた蝦夷貂提督ですが、当の彼女は、ただ首を横に振りました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:30:18
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

そこへ、蝦夷貂提督の司令部から、明石が駆けて来ました。ちょうど屋外灯が点き始めた頃合いだったので、メモを手にしているのが見えました。 明石も私に敬礼をすると、蝦夷貂提督にそのメモ紙を渡します。彼はそれを読むと、僅かに目を見開きました。 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:38:16
筍提督と僻地の泊地@新時代鎮守府 @storyoflingga

彼は、メモを北上に押し付けつつ、私に告げます。 「たった今入った情報だ。セレベス海に、敵の艦隊が出現したらしい」 『敵が!?』 私は、驚きのあまり、声を上げました。 「なんでも、決して小規模な艦隊じゃないとのことなんだ」 #僻地の泊地日記

2015-05-24 23:42:34
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