『こころ』はミステリだった? ハードボイルド? 恋愛小説? スゴ本オフ「漱石の『こころ』の次にオススメする本」

2015年6月14日。渋谷にあるIT企業HDEさんのオープンラウンジで開催された、スゴ本オフ「漱石の『こころ』の次にオススメする本」のまとめです。
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スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

みむらさん。なぜ『こころ』が『心』ではないのか? 肉体の葛藤ではなく精神のそれだから(SKB:精神的に向上心のない奴は馬鹿だ)。「君、黒い長い髪で縛られた時の心持を知っていますか」など、これらは、こころを誤読するためのフレーズだという。 #スゴ本オフ

2015-06-14 16:48:07
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

『こころ』を、明治時代の恋愛小説として読むと、良い加減な『源氏物語』と小池真理子『恋するということ』が浮上する。 #スゴ本オフ

2015-06-14 16:49:59
根岸智幸 @zubapita

ミムラさん。なぜ「こころ」は平仮名なのか? こころと肉体の葛藤を描いたストーリーだから、という説もあります。sかし「精神的向上心のないやつは馬鹿だ」「恋愛は罪悪ですよ」「黒髪で縛られたときの…」とかはすべて「こころ」を誤読させるキーワード。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:12:31
根岸智幸 @zubapita

(承前)僕は「こころ」を一種の恋愛小説だと思って読んだ。そこで『源氏物語』。かつて日本の恋愛は明治以前はもっとおおらかでいい加減だった。そういういい加減な恋愛物語として源氏物語。僕は京都出身で、1000年前がちょっと前『愛するということ』小池真理子。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:12:37
根岸智幸 @zubapita

(承前)いい加減な恋愛の話。これも『こころ』を読んだあとに読むといいんじゃないか。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:12:41
根岸智幸 @zubapita

せきおかさん。『こころ』は高校生のときに読んで、自殺するのは悪いと言いたいのかと思った。漱石はほかにも『草枕』とかキラキラしたきれいな文章があって、それに対して、『こころ』は世界が閉じていて息苦しい。読みなおそうとは思わなかった。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:12:59
根岸智幸 @zubapita

(承前)生きる死ぬので凄く日本ぽい小説だと思った。そこで映画『ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯』サム・ペキンパー監督 1973年(ワーナー)。ビリーを追う保安官との男の友情を描いた糖分ゼロの映画。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:13:01
根岸智幸 @zubapita

(承前)映像の編集の見事さクールさでこれに匹敵するものはなかなかない。いたずらな暴力描写はない。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:13:05
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

息苦しい閉じた世界を描いた『こころ』はネガティブだ。生きるの死ぬのは、すごく日本的なので、『ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯』サム・ペキンパー監督をご紹介。『こころ』がひとつの時代への感傷を表現しているように、米国の開拓時代へのオマージュを思い切りこめている。 #スゴ本オフ

2015-06-14 16:56:43
根岸智幸 @zubapita

岡野さん。『こころ』も漱石も読んだことがなくて、今日始めて読み終えましたw そこで思いついたのは詩集「自分の感受性ぐらい自分で守れ ばかものよ」茨木のり子(小学館)。先生は騙されて人間不信になって、そこから自己嫌悪になってさらに人間不信になっていく。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:16:43
根岸智幸 @zubapita

(承前)拒否しないで成長するためには「許す」ことが必要だと思う。さらに自分自身を許すことができれば自殺せずに成長できたはずだと思う。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:16:46
根岸智幸 @zubapita

まさみさん。『こころ』は高校時代教科書にあったはずだけど、大嫌いで記憶にない。1年くらい前にふと思い立って青空文庫で読んでみたけど、ダラダラしている。最初のほうに先生死ぬって書いてあるのだけど、最初は気がつかない。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:16
根岸智幸 @zubapita

(承前)で、先生まじめすぎない? そのアンチテーゼとして『人間失格』と凄い悪女の話『サロメ』。サロメは自分の手に入らない男の首を取ってこいと言ってしまう。『こころ』を読むと心が沈んでしまう。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:20
根岸智幸 @zubapita

(承前)でも、『人間失格』でこんな駄目人間もいるんだとか『サロメ』もけっこう幸せだったんかないかと思える。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:22
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

ワイルド『サロメ』のご紹介。手に入らない男の生首を要求する悪女の話。女の方が実は本能に忠実なのかもしれない。真面目すぎる先生へのアンチテーゼとして太宰『人間失格』。いずれも、「こんなダメ人間もいるんだ」という口直しとして。 #スゴ本オフ

2015-06-14 16:59:47
根岸智幸 @zubapita

みかん星人当時のインテリのために書かれたという話だった。1912年くらいにスコットが南極点に到達し、白瀬が負けた。またタイタニックが沈んで、近代文明が否定された。日露戦争の10年後の世界を漱石は文学にしようとした。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:41
根岸智幸 @zubapita

(承前)また反政府運動が起こったり、東京駅が完成したりした。その近代文明の時代がやってきて、漱石はそれに待ったを掛けようとしたのかも。1914年の4月に漱石は「こころ」を書き始める。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:43
根岸智幸 @zubapita

(承前)この連載が終わる頃に新潮文庫が創刊され、トルストイの人生論、マルコポーロ、ドストエフスキーの白痴、ツルゲーネフの初恋が初回配本された。婦人画報が110年前に創刊されて、それが今回完全複刻されて最新号(7月号)に付録で付いている。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:45
根岸智幸 @zubapita

(承前)広告も含めて当時の風俗がわかる。創刊編集長は国木田独歩。日露戦争の勝利で、一等国になったと日本人が自負をもった。しかし、当時はまだ日本の女性は家の中に籠もっていた。欧米の女性のように外で活躍する様子を教えるための本だった。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:17:48
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

『こころ』が描かれた時代背景を紹介。1912年のタイタニック沈没や、1911年南極点到達など、文明国家としての日本を予感させる。面白いのは、この頃(1914)に、新潮文庫が創刊したこと。 #スゴ本オフ

2015-06-14 17:05:15
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

創刊時のラインナップは、トルストイ『人生論』、ゲーテ『ギョエテルの哀しみ』("若きウェルテルの悩み"やね)。マルコポーロ、イプセン、ツルゲーネフとのこと。当時の日本人は、『こころ』の次にこのような本を読んでいたんだね。 #スゴ本オフ

2015-06-14 17:06:50
根岸智幸 @zubapita

HDEの天野さん。筒井康隆の『ジャズ大名』とその映画、ラジオ版。HDEの社長がジャズメンで会社で上映会をしました。『こころ』を高校生ぶりに読んだけど、暗いなあと。前後の時代で面白いものはないかなあと思って思いついたのがこれ。(続く) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:18:36
根岸智幸 @zubapita

(承前)江戸時代に流れ着いたジャズメンがお城の人々をジャズで魅了し、セッションして終わる、という話。ちなみに漱石の小説には音楽の話がでてこないなあと思ったが、漱石はベートーヴェンを聴いていたそうです。(了) #スゴ本オフ

2015-06-14 17:18:39
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

あまのさん。筒井康隆『ジャズ大名』のご紹介。小説、映画のダブルでオススメとのこと。久しぶりに読んだ『こころ』は、やっぱり暗い。スッキリしない読後感なので、逆張りで明るいものとして、とびきり明るいものを。 #スゴ本オフ

2015-06-14 17:12:06
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

漱石はべートーベンを聴いていたので、音楽つながりでグレングールドとかジャズ系の話ができればと。『ジャズ大名』はその意図でご紹介。ああ、たしかに漱石とyoutubeのつながりは面白そう。 #スゴ本オフ

2015-06-14 17:16:42
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