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「手塚が安請け合いしたばっかりに日本のアニメ労働者は貧乏を強いられている」説をぶち上げ賛否両論を呼んだのが、平成元年の宮崎駿。手塚死去後の追悼文で激しく叩いた。 pic.twitter.com/ZopBfk7qxd
2015-06-22 17:09:22「手塚のせいで」説を手塚そのひとが気にしていた。宮崎のこの激しい追悼文よりさらに10年前、手塚は「瀕死のアニメーション」(『話の特集』1979年7月号) というエッセイのなかで「手塚のせいで」説に反論。
2015-06-22 17:12:20>手塚があのアトムを売る時、べらぼうな安値で決めてしまったから、現在までテレビアニメは製作費が安くて苦労するんだと。 冗談じゃないよ。そんな世間知らずなことを言う奴らはバカだよ。
2015-06-22 17:13:28>あの時、ぼくのテレビアニメが売れたからこそ、今のテレビアニメの隆盛を見たんで君たちもそれで生活してるんじゃないかとね。
2015-06-22 17:13:53>そして、あの時点での製作費はあれが常識なんで、あの倍もふっかけようなら、まちがってもスポンサーはアトムを買わなかった。
2015-06-22 17:14:10>『マスコミひょうろん』なんてバカな雑誌があってな。手塚は現在のアニメーターにその罪ほろぼしをしなければならないなんて書いた奴がいたがね、ふざけるのもいい加減にしろっていいたいよ。あんな記事を載せるようならあの雑誌も分裂しちまっても当然だね。
2015-06-22 17:14:56こういう記事です。日本のアニメの労働環境がいかに病的で、それでいて十代の子たちがいかにアニメに熱狂しているかをつづっています。 pic.twitter.com/1h4ncUud8s
2015-06-22 17:18:00これを読んでいくと、この記事が出た当時でアニメーター歴20年という人物「A」が、手塚についてこう語っています。
2015-06-22 17:18:59小さいから読みにくいかな?1977年当時でキャリア20年ということは、東映アニメが長編第一作『白蛇伝』に取り掛かる頃からアニメーターだったことになります。東映出身とは限らないけれど。 pic.twitter.com/0Vw3IfrT9u
2015-06-22 17:20:24>昭和三十八年に彼は、一本五十万円という安価で日本初のテレビアニメ「鉄腕アトム」を始めました。その前例のおかげで、以来アニメの製作費が常に低いという弊害が生まれました。
2015-06-22 17:22:44もし大塚だとしたら、とんでもないポジション・トークです。なぜって、東映アニメ時代、組合結成運動の旗振り役だったにもかかわらず、その後「ぼくは出来高制に契約を切り替えるよ」と宣言し、組合の結束を引っ掻き回したのが彼だったからです。
2015-06-22 17:32:29「手塚の『鉄腕アトム』のせいでアニメ労働者が安賃金でこき使われるシステムが業界標準になった」説は嘘です。『アトム』の前年に東映アニメ内部ですでにその兆しがあったから。
2015-06-22 17:33:39詳しいことは拙論「アニメーションという原罪」godo-shuppan.co.jp/img/kokai/kais… p577~578を参照。
2015-06-22 17:35:25組合が力をつけ、『アトム』放映開始前年に東映アニメでストライキ勃発。会社側が負けた。給与のアップが約束された。むろん人件費のアップは会社の経営を苦しめる。そこで年一本長編ではなく二本制作体制が模索された。倍作れば利潤も倍になるだろうと。
2015-06-22 17:37:15すると絵描きたちの能率をアップさせなければいけない。一番いいのは歩合制。たくさん絵を描いた者にはたくさん払うよシステムの採用です。会社側はそれを組合に提案した。
2015-06-22 17:38:07当時の組合記録を読むと、この提案に組合内部が混乱を起こしていたのがよくわかります。「俺たちあたしたちは能率の機械じゃない!」と反発しながらも、「たくさんこなせる人間がたくさん貰えるのは悪いことじゃないよな」という声も生まれていた。
2015-06-22 17:39:24後者の代表が大塚さん。それで組合に背を向けて「ぼく出来高制に契約を変えるよ」と宣言。この裏切り行為について当時の組合委員長は腹を立てた。何しろ昨年取材したときも腹を立ててらしたから。
2015-06-22 17:40:47