GKで140字まとめ

ゆち @yuzuen

つばき、と苦しそうに、けれど煽るように呼ばれて、理性なんて吹っ飛んでしまう。震えながら触れた肌までもが、俺を呼んだような気がしてしまう。それはただの思い上がりだったのかもしれないけれど。それでも、思い上がりでも、勘違いでも良かったんだ。この人とこうしていられるのなら、それだけで。

ゆち @yuzuen

まるで夢のような出来事だった。けれど今、柔らかな朝日が差し込んでいるこの部屋にいるこの人と、そして俺は夢なんかじゃなくて、ちゃんと体温も感じることができる。夢、じゃない。口の中で、もごもごと呟いてみても、目の前にいるこの人が光に攫われていくようなことはなかった。全部、現実なんだ。

ゆち @yuzuen

つまり、そういうこと、なんだよな、と隣で寝息を立てているその人に手を伸ばす。まだ目を覚ます気配はない。その手に力を込めることはできずに、そっと顔を覗き込んだ。常に俺たちの勝利を考えていて、それに向かって全力を出している。でも今は、戦場での顔をしてはいない。それが何だか嬉しかった。

ゆち @yuzuen

理想の展開とは言いがたかった。もっと、ちゃんとした形で、というか、焦ってみっともない姿を見せることなく、こうなりたかった。そう打ち明けると、この人は「お前じゃ無理」とか言って笑うんだろうけれど。でも、その声音がすごく柔らかいものであろうことは分かる。この、差し込む陽の光のように。

ゆち @yuzuen

【引き出しにしまいこんだ言葉】すきです、そう告げることはできなかった。今の自分にはこの人の隣に立つ資格なんてない、って思ったから。だからこのまま黙って出発しようと思っていた。けれど、そんな俺の手を監督はぐいっと引っ張ってくる。「お前、俺にまだ何か言うことあんだろ」 #バキタツ祭り

ゆち @yuzuen

【交わした約束】飲み込んだ言葉をあっさり言わせてくる監督は、本当に監督だ。そんな感想を口にすると、「意味分かんねーし」と返されてしまう。ん、と小指を差し出されて、戸惑っている俺に指切りを。「どうせ行くんだからさ、一番高いところを見て来いよ」そんな約束を、交わした。 #バキタツ祭り

ゆち @yuzuen

【待て、なんて言わないで】「そう言われるのは慣れてんじゃねえの？」王子様に、とにやりと笑みを浮かべてくる。「そ、それは、ピッチの話で、というか、むしろ俺は待つよりも走る方で」と自分でもよく分からない言い訳をしてしまう。だから、と。「だから、俺、もう待てないんです」 #バキタツ祭り

ゆち @yuzuen

「なー、ごめんなさいはー？」謝れ、って言われてるけど、もしかしてからかわれているだけなんだろうか。押し付けられている額が痛い、けどどこか嬉しい気持ちにもなる。「す、すいません」その言葉で、監督の手が緩んだ。その隙に、唇を押し付ける。「…今のすいません、ってキスします、って意味？」

ゆち @yuzuen

【つばきとたつみ語り】どちらかが、なにかしらの事情で「別れてください」と相手に言った場合どうなってしまうかについて語りましょう。 shindanmaker.com/169048 あっ……

ゆち @yuzuen

「それ、本気で言ってんの？」「は、はい」頷いた俺を、達海さんはじっと見つめてくる。多分達海さんは俺の真意を量っている。でも、理由を言えとは言わない。しばらくして、小さく息を吐く。「お前が本気でそう思って決めたんならいいよ」「…はい」「けど、次は俺の方から付き合え、って言うかんな」

ゆち @yuzuen

次は俺の方から、という達海さんの言葉に息が止まりそうになる。「お前がそーいうこと言うのって、何かあるからだろ。ただ一人で無駄にぐるぐる考えてるだけかもしんないけど、それでもお前が考えて決めたことなら、俺は何も言わねえよ」そう言って笑うものだから、ああ、やっぱり俺はこの人のことが。

ゆち @yuzuen

【君の想いと共に】行ってきます、とまっすぐな眼差しで旅立ちの挨拶をしてくる椿の頭を、ぐりぐりと撫でてやった。「ん、いってらっしゃい」特にこれからの抱負を述べるでもなく、そんな言葉を交わしただけだった。持っていくのは互いの想いだけ。叶えられなかった想いと、叶えたい希望を、この胸に。

ゆち @yuzuen

【嘘つき、とそのくちびるが言った】「お前、嘘つきだね」人差し指を唇に当てられて、言葉を続けることができない。怒っているようには見えなかった。ただ少し悲しげに笑っているだけだった。監督に謝ることもできない。だって本当は俺だってこんなこと言いたくなかったんだ。さよなら、なんて言葉は。

ゆち @yuzuen

【未練たらしい】ちゃんと考えて、決めたことだった。ちゃんと、行ってきます、と言うこともできた。けれど、握ったこの手を離すことができない。足を踏み出すこともできない。きっと俺だけが、動けないでいる。いつこの手を離されるのかと恐る恐る視線を向けると、少し顔を歪めたその人と目が合った。

ゆち @yuzuen

「ほんと馬鹿だな」と笑ってはいるけれど、やっぱりその顔はどこかいつもと違っていて。きっとこの人も俺と同じなのかもしれない、なんて期待をしてしまう。「そーいうとこは全然変わってねえのな」って言われても、寂しいのに何だか少しだけ嬉しくなってしまうんだ。だってそれは俺だけじゃないから。

ゆち @yuzuen

ETUっこたちも散歩隊しよ…

ゆち @yuzuen

気配を感じて振り返ると、すぐ後ろでびっくりしたように仰け反る椿の姿があった。その後ろには、「ちょ、椿！急に止まんな！」などとわめいてる世良や赤崎たちも。「なにやってんのお前ら」「えっ、えっと、散歩を…しようか、って…」「監督と！」「俺は連れてこられただけっス」と口々に騒ぎながら。

ゆち @yuzuen

あなたは『大事にするだけじゃいつか失くしてしまう事を分かっている』バキタツのことを妄想してみてください。 shindanmaker.com/450823 たいへんだな！（わたしの頭が）

ゆち @yuzuen

「そーいうの、お前はまだ分かんなくてもいいよ」そう言って小さく笑う監督が、俺の知らない何かを背負っているように見えて、すごく遠くにいるように見えて、手を伸ばしても、届かなくて。「…何で、そんなこと言うんですか」俺じゃ駄目なのかと、何もできないのかと八つ当たりしてしまいそうになる。

ゆち @yuzuen

【幸せになれなくてもいい】ぎゅう、と抱き締めると背中をぽんと叩かれる。「思ってもないこと言ってんじゃねーよ」「思ってます」あなたの元にいられるのなら、それだけでいい。「つーかそれがお前にとっての幸せってやつなんじゃねえの？」「…え、あっ？」「少なくとも、俺にとってはそうだけどな」

ゆち @yuzuen

【恋人の日（だった）】そうみたいですよ、とドキドキしながら言ってみると、ふーん、と明らかに気持ちの込もっていない返事をされる。やっぱり興味はないのかと少し落ち込んでしまう。「でももう終わってんだろ」「で、ですね」「じゃあ次は何になんの？」それはステップアップの合図、かもしれない。

ゆち @yuzuen

あなたは『ずっとじゃなくていいから一緒にいてほしいと思ってる』ばきたつのことを妄想してみてください。 shindanmaker.com/450823 ｱｧﾝ？？？？？？（キレ芸）

ゆち @yuzuen

貴方はバキタツで『永遠を現実にしてしまう人』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517 ｱｰｰｰｰｰｰｰｰﾝ？？？？（キレ芸その2）

ゆち @yuzuen

ずっと、なんて言葉は有り得ないと思っていた。物理的な距離ですぐ近くにいる、なんてことは、互いがこの世界にいる限り有り得ないし、希望もなかった。けれどこの一回り以上も年下の人間は、そんなこともあっさり飛び越えてしまう。無意識のうちに躊躇ってしまう俺を掴んで、一緒に飛んでしまうんだ。

ゆち @yuzuen

夢の中で一緒にボール蹴って、あああの人がボール蹴ってるからこれは夢だな、って夢の中でもどこか冷静に思ってるんだけど、それでもお互い笑顔で幸せだなあって思ってて、それなのに起きたらやっぱり夢は夢で ここまで考えておなかがすきました