- syerryloves8
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51. それから2日ほど、横山くんの隣のお宅に泊まり、その後、一週間ほど大阪に帰った。 翌日から就活で東京に行くため、部屋お借りしますと横山くんにメールを入れると、すぐに返信がきた。 『何時の新幹線?』 「ん〜…、セミナーの後に出発するので、18時ので行く予定です…送信♪」
2014-10-27 21:48:1052. 『分かった。俺明日オフやから迎えに行ったるわ。着いたら夜やし。』 (ほんとに優しいな〜、なんか彼氏みたいな甲斐甲斐しさ(笑)) お礼のメールをだすと、横山くんが彼氏になったところを想像してみた。 (過保護そう…笑。お父さんみたいになりそう…笑)
2014-10-27 21:48:5353. 「そういえば、まだ会って一週間ちょっとか…。大阪に帰ってきてメールするようになってから少しは仲良くなれたかな?笑」 東京にいた2日間は横山くんの仕事も入っていたため、あれから会えずに大阪に帰る日になってしまった。
2014-10-27 21:49:3854. メールは頻繁にしていたが、助けてもらった翌日から会っておらず、明日が久しぶりに実際に会う日になる。 「な、なんか緊張するな…//あ、明日の服どれにしよう…//」 (わ//私何考えてるんだろ//デートでもないのに…//横山くんは彼氏やないのに…//)
2014-10-27 21:50:3755. 「私…横山くんが好きなのかな…//いや、彼は、アイドルなんやから、本気で好きになったらあかんやろ…」 今さらそんな事に気付いて自分の気持ちを押え込む 「うん…好きになったらあかんよね…。横山くんにも気付かれないようにしないと…」 そうごちて明日の準備に取り掛かった。
2014-10-27 21:53:5056. ーーーーーーーーーーーーー 「ハァ…」 『裕ちん…、溜め息38回目…』 そう言って丸が俺の背中を撫でて大丈夫?と覗き込む。 『なにー?横山くんどしたの?』 と、安田も来た。 『横山くん、さっきから溜め息ばっかついてんねん…』 と、どっくんも。
2014-10-27 21:56:1357. 『撮影中くらい、シャキッとせえよ!ヨコ!』 うっさいわ、ボケナスー。 『横山くん、お腹すいてんとちゃう?俺のお菓子食べるー?』 ん、ありがとな、大倉。でも今はいらんねん。 『どーせ、頭ポンポンできんくて禁断症状でてんねんろ』 すばる…。
2014-10-27 21:57:0058. 『『『『頭ポンポン?』』』』 丸と安田とどっくんと大倉がハモった。 『なんや、お前ら知らんのかいな。コイツ昔から好きなコできると無意識に頭ポンポン叩くねん』 『『『『好きなコぉ⁈』』』』 『え、なになに、好きなコでけたん?横山くん♡』
2014-10-27 21:58:4659. 『いつの間に…裕ちん…♡』 『あー、昔俺も小さい頃よう横山くんにも頭撫でられたわ〜♡どっくん♡って笑』 『えー、横山くん、どこの子ー?笑』 畳み掛けるように言われて押し黙る俺の代わりにすばるが答えた。 『大阪らしいで♡就活で東京出てきてる時に引っ掛けてんて♡』
2014-10-27 21:59:2860. 『『『『おぉ〜♡』』』』 と、変に感動する4人。 「引っ掛けてへんわ‼︎」 『なんか、男に襲われとったとこを助けたらしいで』 さすが村上、正確な情報ありがとう。 『こいつ、弟の部屋そのコに貸し出しとんのやけど、今大阪帰っちゃてて会えへんからへこんでんねん。』
2014-10-27 22:00:1661. すばる、うるさい。明日、会えるわ、ボケ。 「…明日会えるし…ボソッ」 『『『『『『え!帰ってくんの⁉︎』』』』』』 (しまった…) そう思った時には時すでに遅し。 メンバーがすでに俺の家で宴だなんだと計画して騒ぎ始めていた。 (明日…早めに迎えに行くか…)
2014-10-27 22:01:1062. 『でも、なんで明日会えるのに溜め息ついてたん?』 悪巧みの輪から外れてきた安田が尋ねてきた。 「メールでは、結構仲良うなったんやけどな…、実際会うん、まだ2回目やねん。」 ハァ…とまだ溜め息をついた俺を見て、安田が肩をポンポンと叩いて言った。
2014-10-27 22:03:3963. 「年甲斐もなく、緊張してるんですな?人見知りクン♡そんなところが可愛いんや、横山くんは!」 目はキラキラさせてるが口がニヤついてる安田を俺は見逃さなかった。 「安ーーーーッ‼︎//」 『キャー‼︎笑笑笑』
2014-10-27 22:04:0164. 女子みたいにメンバーの輪に逃げ込むと、メンバーも悪ノリして次々と安田の真似をする。 『『『『『『キャー笑笑笑』』』』』』 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翌日。
2014-10-27 22:05:0765. 「荷物多いなぁ…、でも今回は一週間やし、しょうがないよね。」 そうブツブツ独り言を言いながらスーツケースを引き摺り、新幹線のホームへ急ぐ。 「自由席、自由席…うわ…並んでる〜…座れるかなぁ…涙」 新幹線が到着し、新幹線に乗り込んだが、運悪く席に座れずに通路に立つ。
2014-10-28 00:47:4266. (やっぱり、座れなかった涙) ハァ…と溜め息をつくと、前に立っていたキャップを被った男性がブッっと吹き出して笑い出した。 変な人だな…とチラッと見るとその人と目が合った。 なぜか、東京にいるはずの横山くんが…キャップとメガネで変装して目の前に立っていた。
2014-10-28 00:48:5867. 「あ⁈え⁈なんっ…モゴ」 慌てて叫びそうになった私の口を横山くんが手で押さえ、スッと私に耳打ちして切符を差し出した。 『グリーン車、席取っとるから俺が先行って見えへんくなったら来て?』 (ヤバい…横山くん、そんな耳元で低音でしゃべらんといて…っ//)
2014-10-28 00:49:5068. 「…(コクコク)//」 顔が赤いのがバレないか心配で俯いて無言で 頷く 『おん、ええ子笑』 いつものように頭をポンポンと叩いて横山くんはグリーン車へと向かっていった。 横山くんが見えなくなり自分もグリーン車へ移動すると、ガラーンとした車両に横山くんが居て手招きする
2014-10-28 00:52:0769. 「グリーン車初めてのったけど、自由席あんなに混んでるのに、こっちはガラガラなんだね!」 初めて乗った車両に興奮気味に話すと、キャップを外しながら横山くんが隣に座るように促したので、荷物を置いて席に座った。 『いつもはガラガラではないんやろうけどな、ガラガラにしたった』
2014-10-28 00:53:1370. 「へ?」 ちょっと照れたように窓の外を見ながら言われる。 「それは東京の話かと思ってました。てか、そんなとこから…早く声かけてください…恥ずかしい…//」 『コラ、敬語!笑』 頭をペシッと叩かれる。 「あ、うん。ごめん//」
2014-10-28 00:57:3971. 『まぁ、マネージャーについてきてもらったから二人きりではないんやけど…な』 そう言って横山くんが指した少し離れた後ろの席を見ると、マネージャーさんが眠りこけていた。 「そっか…」 (二人きりじゃないのか…残念…)
2014-10-28 00:58:5372. (いや、昨日本気になっちゃダメって言ってたとこなのに…なに考えてんだろ、私…) そんな考えを巡らせて席に向きなおすと横から頬杖をつきながら真顔で横山くんが尋ねてきた。 『残念…?』 「え…」 『二人きりじゃなくて残念?』 「え…あ…それは」
2014-10-28 00:59:4673. (そんなこと真顔で言われたら期待しちゃうよ…涙) 「…」 『…なぁ…どうなん…?』 真剣な顔で覗き込まれる。 「…っ。どして…そんなこと…聞くの…?」 反射的に赤くなった顔を横山くんから逸らしてなんとか答える。 『…お前が…残念そうな顔しとったから…』
2014-10-28 01:00:5674. 横山くんの長い指が頬に触れてなぞっていく。 (…⁈横山くん…ウチの気持ちに気付いてる…?) 横山くんに触れられている頬が熱い。心臓の音が煩く聞こえてくる。それでも必死に自分の気持ちを隠そうと押し黙っていると、横山くんの指が離れ、頭に手をポンっと置かれた。
2014-10-28 01:01:2675. 手を置かれた衝撃で気付かずに溜まっていた涙が私の握りしめた手の甲に落ちた。 横山くんが優しく頭を撫でる…。 『ごめん、泣かすつもりはなかってん。卑怯な言い方してごめん…。嫌われてはいないと思ってても自信がなかってん…。』 「…」 『なぁ…俺は残念やで…?』
2014-10-28 01:02:39