提刀(さげとう)【帯刀せず刀を手に持った様子を差す言葉】&抜刀について 古武術 天心流兵法
- shiratama13
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(略)また何事においても同じですが、一つの文献でそれが普遍的なものであったと断定するのも危険な事です。──古武術 天心流兵法様のお言葉より
自撮りなのでわかりにくいのですが、天心流における手の内を作る基礎稽古法です。 振り下ろして手の中で刀を反転させて切り上げたり、1/4回転させます。 これは小太刀を用います。 単なる稽古法ではなく刀法(実戦での使い方)に直結する技法です pic.twitter.com/y8Xw0XuMSx
2015-07-04 15:42:12ゆっくりやると、小指側から順に握り込む感覚で回します。 素早く行う場合は薬指や中指の付け根の微細な握り込みで回します。 手首を返さず文字通り手の内にて変化させます。 こうした細かい技法を天心流では妙手(みょうて)或いは手妻(てづま)と言います。
2015-07-04 15:45:18これを右手だけでなく左手でも自在に出来るようになるまで稽古します。 手の内は緩めず、かどいって決して握らず、ぴたりと手のひら全体に張り付く如く、しかし握り締めて柄が働かないという事がないようにします。 この稽古はそうした手の内を身につけるための方法です。
2015-07-04 15:48:40見てすぐ出来る人、まったく出来ない人と顕著な差が出ますが、練習していけば、誰でも出来るようになります。 これに限らず、出来る、出来ないも課題ではありますが、刀と向き合うという事そのものが、訓練の眼目ともなります。 手が器用なのは、それだけの時間を使用してきたからです。
2015-07-04 15:55:23刀も手指の延長として自在に操るようにならなければなりません。 こうした訓練により、勢法(型)稽古ではなく、手の内にあるのが当たり前な感覚を養います。 これは天心流の求める剣身(けんしん)に至るための教えであり、これはまさしく極意とも言えます。
2015-07-04 15:57:31こうした一見すると細かな、遊びとも訓練ともつかないような教えの中に、実は膨大な先人の智恵が内包され、隠されて居るのが天心流兵法の、そして恐らくは伝統的な古武術の特徴ではないかと思います。 こうした教えが鎹(かすがい)の如く、勢法(型)を生かします。
2015-07-04 16:01:36刀の全ての機能を最大限に発揮する。 これを口上ではなく、実伝の中で徹底的に養うのが天心流の特徴です。 殿中刀法鞘ノ中(でんちゅうとうほうさやのうち)にて、柄頭、柄、鍔、鞘、鐺の機能を学ぶのはその象徴と言えます。
2015-07-04 16:04:43以下、提刀(&抜刀)についてのお話
昨日の本部稽古の様子。 提刀返(さげとうがえし)。 作法と関連して、抜刀せず応じる心得として、基本的な技のひとつですが難技です。 pic.twitter.com/fGKtd5tzZG
2015-07-05 13:44:01屋敷内、廊下など提刀にて歩みし時、敵、後方より刀の引き抜かんと柄を取ります。 吾、瞬沈身、転じて鞘にて敵を突き飛ばして応じる。 本来は廊下などで行うため、壁に叩きつけるイメージです。 pic.twitter.com/ljrwqteR9W
2015-07-05 13:47:58提げ刀について【改訂版】 tenshinryuhyoho.blog.fc2.com/blog-entry-442… 提刀(さげとう)とは、帯刀せず刀を手に持った様子を差す言葉です。 基本的に刀をすぐ抜かないという程の意思のあらわれとして、右手にて持ちます。 pic.twitter.com/qDIyX0YFXM
2015-07-05 13:53:30先の写真もそうですが、稽古や演武などでは控え鍔(ひかえつば)と呼びます、親指にて鍔を抑え(控え)て持ちます。 稽古で使用される刀は鯉口が緩みやすく、鞘走り(さやばしり)を防ぐためです。 鞘走りとは意図せず刀身が抜け落ちる事を差します。 pic.twitter.com/ChQSA8B10N
2015-07-05 13:57:12鞘の入り口の部分を鯉口(こいぐち・こいくち)と言って、鍔の上にある鈨(はばき)という金属部分はぴったり合うため、刀の持ち手部分である柄(つか)を持っても簡単には抜けません。 そのため、抜刀では「鯉口を切る」という所作が必要になります。 tenshinryu.blog.fc2.com/blog-entry-151…
2015-07-05 14:01:31これは外切(そとぎり)と呼ばれます。 露骨に鯉口を切るので露切(あらわぎり)等とも呼ばれます。 親指は直上を避けます。 万が一、鞘から刀が抜け落ちた際に、親指の腹を裂いてしまわぬための用心です。 pic.twitter.com/VrbAwtFsDJ
2015-07-05 14:04:58隠切(かくしぎり)や内切(うちぎり)と呼ばれます。 鍔の裏に隠れるように、親指で押し出して鯉口を切ります。 直上を避けるのは、これも同様です。 他にも隠切には用法があります。 坐法の小太刀抜刀術(抜討)では、特に用いられます。 pic.twitter.com/OyjLr7xFoR
2015-07-05 14:07:38こちらは控切(ひかえぎり)です。 警戒する際など、いつでも抜けるよう鯉口を切りつつ、保つ時など用います。 親指のみでは不安定なので、下から鍔に人差し指を掛けて、抑えます。 pic.twitter.com/SMeYzK7Xsq
2015-07-05 14:10:38鯉口を切って抜刀を行う際には、鯉口を切った指、また鍔を控えた人差し指などは必ず折り曲げ鞘に添えます。 写真のように立てた状態は、突風や、また、柄頭が万が一にも当たった際など、自らの刃で指を切る畏れがあるため、タブー視されます。 pic.twitter.com/ZlmND9gpAh
2015-07-05 14:12:52また、鞘引き(さやびき)と呼ばれる、抜刀に不可欠な動作が不十分となるという理由もあります。 先代はこれを「ちーちーぱっぱ」と呼び許しませんでした。 これを注意して「帰れ」と叱った事もあるほど、厳重に守らせました。 pic.twitter.com/UZZ7p4KunH
2015-07-05 14:14:56という事で「抜刀致しません」という意思を示すため、通常は栗形(くりがた・くりかた)、つまり鞘についた下緒(さげお)を通す凸の部分か、それより鞘尻(さやじり)側を持ちます。 pic.twitter.com/ObVo0bXGQp
2015-07-05 14:21:56そもそも右手で持つというのは、右利きが幻想だった江戸期においては、抜刀しないという意思を示す作法です。 もっとも目下の前や警戒している時など、左手で持つ事もなかったわけではありません。
2015-07-05 14:23:35twitter.com/tenshinryu/sta… 幻想…原則の間違いです。 「そもそも右手で持つというのは、右利きが原則だった江戸期においては、抜刀しないという意思を示す作法です。 もっとも目下の前や警戒している時など、左手で持つ事もなかったわけではありません。」
2015-07-05 15:29:28そうした日常の提刀(さげとう)より、畏まった場合に用いるのがこの写真の提刀です。 基本的には刃をと切っ先を下にします。 刃を上とする用法も伝えますが、刃を正面に向けるので、やや略式としてあまり天心流では用いません。 pic.twitter.com/tT9t9KCjUr
2015-07-05 14:29:10通常の提刀は帯刀と同じ柄向きのため、鍔を避けて、右手に持っても抜刀姿勢からそれほど変化が見られませんが、この提刀では、柄が後ろという事で、おおよそ抜刀態勢からかけ離れた状態ですので、敵意を示さない所作として用いられました。 pic.twitter.com/HoD9nlCZDf
2015-07-05 14:31:49