才能を伸ばそうとすると減退する意欲
- ShinShinohara
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才能を伸ばそうとすると意欲が落ちる。「教育」で気を付けなければいけないことの一つかもしれない。ピアノが好きだった子が、習いに行くようになったとたん嫌いになる子が多い。才能を伸ばそうとすると、えてして意欲を失う。意欲を失うと、もはや身に付かなくなる。伸びなくなる。
2015-07-07 18:06:52一方、意欲を伸ばすと能力も自然と伸びる。意欲があれば取り組みの姿勢が違うからだ。だから意欲を伸ばすように考えた方がよい。問題は、意欲をどう伸ばすかだ。多くの親御さんは、学校の勉強に意欲を持ってほしいと願う。しかしそううまくいかない。なぜか。「期待」は意欲を奪う原因の一つだからだ。
2015-07-07 19:03:14子どもは敏感に、親が自分に何を期待しているのかを察知する。子どもは通常、親の期待には応えたくなる。だから期待は、意欲を促すはずなのだが、いくつかの事情が違ってくると、むしろ期待は重荷になり、意欲を減退させる原因になる。
2015-07-07 19:05:37親の期待が重荷になる要因の1つ。子ども本人の意思を尊重していない時。遊びたいときに勉強しろの念が届いたり、休みたいときに勉強しろの念が届いたり。本人の意思を無視して親の期待がかけられるとき、「うるさい」と感じるようになる。こうなると親の期待は単なる重荷。意欲を減退させてしまう。
2015-07-07 19:08:19もう一つの要因は「過剰な期待」。子ども自身はなかなかの会心の出来だと思っていたり、頑張ったと自分でもほめたい気分の時に、親の不満げな顔を見たり、「もっと頑張ればいいのに」という念が届けられると、疲れてしまう。期待に応えることがうれしくなくなり、意欲を失う。
2015-07-07 19:10:23意欲を促すには、「あんたの好きにしたらいいよ」と、子供自身の意思を尊重する「ふり」くらいは必要。何かしてくれるなんて期待しない、というくらいにドライに。そして子供が何かをなしたとき、「(期待していなかったのにも関わらず)よくやったね、驚いた」とほめると、子供はすっかり嬉しくなる。
2015-07-07 19:14:46子どもは赤ん坊のころから、親が「昨日出来なかったことが今日できるようになった」ことを喜ぶことを知っている。その期待に応えたいという願望はとても強いものがある。寝返りを打つようになったこと、ハイハイをするようになったこと、伝い歩きするようになったこと。それらを親が喜んでくれたこと。
2015-07-07 19:18:30親が夢中になって喜んでくれたこと、子供は強烈な体験として記憶している。「昨日できなかったけど今日はできたよ」それを親がとても喜んでくれることを知っている。この強烈な成功体験が、子供の強烈な学習意欲にもつながっている。なるべくそれを活かすようにした方がよい。
2015-07-07 19:20:02「昨日までできなかったのに、よくできるようになったね」その追認が、子供の意欲をこの上なく高める。子どもの意欲を高めるには、特定の何かに過剰な期待をしたり、本人の意思を無視したりしないように気を付ける必要がある。そして「できなかったことが今日できた」ことを喜ぶとよいのだろう。
2015-07-07 19:21:46特定の技能が伸びることだけを親が期待すると、子供はその期待を重荷に感じるようになる。「できなかったことができるようになった」ことを純粋に喜ぶことがなくなり、特定のレールに乗るよう強制されるような気がしてしまうからだ。特定の技能だけ期待するのは、子供の意欲を奪う結果となる。
2015-07-07 19:26:18もちろん親としては、あの技能を伸ばした方が受験で有利、就職に有利、などとついつい考えてしまうだろう。だから特定の技能が伸びることについつい期待をかけてしまう。しかし皮肉なことに、特定の技能に期待をかけるほど、その技能への意欲を損ねる結果となる。
2015-07-07 19:27:31意欲を高めるには、特定の技能が伸びることだけを期待するようなことは、やめておいた方がよい。それより、どんなことでも「昨日できなかったことができるようになった」ことを喜ぶ方がよい。すると、子どもは意欲をますます高めていく。
2015-07-07 19:29:02子どもの「ねえ、見て見て」には意味がある。子どもは新しい発見、できなかったことができるようになること、それを「見てほしい」、追認してほしいと思うもの。その思いにこたえるようにしてやれば、意欲は自然と高まっていく。 実際にはなかなか難しいことだが。
2015-07-07 19:31:11