新聞屋まとめ1

主にアダムとリズの会話。「ハロウィン砒素騒動」~「立ちんぼの少女との遭遇」 ※青猫堂様・黒火薬様との会話を含んでいないため不自然な節が多々あります。※誤字が酷いです。
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新聞屋 @gossip_n_p

「……で、これらを持ってきた男はどんな奴だった?」 『ああ、茶色のうねった髪の男だよ』 「そいつの連絡先は?」 『そんなもん、聞くわけないだろう。出鱈目な住所を言われて終わりなんだから』 (苦い顔をしたものの、確かにその通りだと頷いて二人は質屋を後にした)

2014-12-29 20:35:31
新聞屋 @gossip_n_p

「間違いないな。次は売春街だ、この時間なら客も女も多いだろ」 「はーい」 (売春街だと言うのに、臆する様子もなく二十日鼠を手に乗せる女の腕を引っ張った。彼女の捜索に加え、この女までもがどこかに買われたならば掛かる労力が単純計算で二倍になる。)

2014-12-29 20:38:39
新聞屋 @gossip_n_p

(季節は冬だが、立ちんぼは相当な数がいるものだ。所々から客引きの口笛が聞こえてくる。居心地の悪さを覚えながら、十七歳ほどの女に声を掛けた) 「少し聞きたいんだが、」 『なあに?あら、恋人を連れたお客さんなんて珍しい。二人とも満足させてあげるわ、』 (男は眉間に皺を寄せた)

2014-12-29 20:45:20
新聞屋 @gossip_n_p

「恋人に見えます?違うんですよー!」 『あはは、腕なんか組んじゃって、冗談は止めてよ。……ああ、でも確かにお兄さんは嫌な顔してるわね』 「でしょう?ところで質問なんですけど……この辺りって最近、お客さん減りました?」 (少女は頷く。男は、女の気さくな話し方に舌を巻いた。)

2014-12-29 20:50:09
新聞屋 @gossip_n_p

『減ったわね。まあ、冬だからってのもあるんだけど。金にうるさい、しょーもない奴らが来なくなったわ。猫なんかとハメてるんじゃない?』 「それって、いつ頃からですか?」 (少女の告げた時期は、彼女が誘拐された日の数日後だった。下品な物言いに男はうんざりしたが、いい証言が取れた。)

2014-12-29 20:55:14
新聞屋 @gossip_n_p

「お兄さん達、あいつらを探してるの?やめときなさいよ、表に出られない犯罪者達なの。ホテルに行くから、って言って、廃業したモーテルに連れ込むような奴らよ?」 「……廃業した、モーテル?」 (顔を見合わせて、男は少女に紙幣を数枚手渡した) 「詳しい話を聞きたい、いいな?」

2014-12-29 21:01:20
新聞屋 @gossip_n_p

『もう、本当にケチで乱暴な奴らなの。噛みちぎってやればよかった!ってみんな言ってる。来なくなって清々したわ!』 (新聞屋の応接室に案内して良かった、と男は内心溜息を吐いた。洒落たカフェで下品な話をされては堪ったものではない。女は少女の話を熱心に聞き、相槌を打っている。)

2014-12-29 21:26:15
新聞屋 @gossip_n_p

「それで、廃業したモーテルってのは?」 『ええとね、売春街を抜けた先に廃墟が沢山ある一角があるの。あいつらは随分と贔屓にしてる。あの中なら、どれだけ泣いても叫んでも聞こえやしないわ、誰もいないんだもの』 (女が拳を強く握ったのが横目で見えた。)

2014-12-29 21:33:06
新聞屋 @gossip_n_p

『犯罪者が相手だから逃げられないのよ。ねえ、お姉さん、わかる?いつ終わるかもわからずに、延々と続くの。思いっきり殴られて、貰えるお金は雀の涙以下で。割に合わないったらないわ』 「わかります。いっその事、殺して欲しかった」 (少女は目を瞬かせ、何かを悟ったように黙り込んだ。)

2014-12-29 21:41:36
新聞屋 @gossip_n_p

(耐え難い沈黙を破り、男は少女に新聞を見せた) 「……実はな、この似顔絵の女を探してるんだ。知らないか?」 『……知らない。こんな格好の子が来たら、誰だってわかるわ。売春街には居ないわよ』 「そうか、色々聞いて悪かった。ありがとうな」 (少女は気だるそうに首を横に振る。)

2014-12-29 21:46:28
新聞屋 @gossip_n_p

『もう帰るわね。ケーキ、ご馳走様。こんなに美味しいものを食べたのは久しぶりだわ』 「……いえいえ、此方こそ、の根掘り葉掘り聞いてすみませんでした」 『……お姉さん、大丈夫よ、殺されなかったことに感謝しなきゃ』 (少女は立ち上がり女の肩を軽く叩く、女も小さな笑みを見せた。)

2014-12-29 21:54:05
新聞屋 @gossip_n_p

『お兄さん、このお金は貰っておくわ。いつでも相手してあげるから、声を掛けてね。廃墟以外なら大歓迎よ』 「馬鹿言ってないで帰れ。……滑るからな、気を付けろよ」 (少女は白い息を吐きながら表通りの角を曲がり、裏道へと消えていった。随分長いこと捜索を続けていたが、廃墟は盲点だった)

2014-12-29 21:57:49
新聞屋 @gossip_n_p

「先輩、ほら、行きますよ」 「……こんな時間だぞ」 「そんなの気にしてる場合じゃないでしょう、とにかく廃墟を調べます。何のための二十日鼠ですか」 (今日は動けないかと思っていたが、女はタフだ。いや、先程の少女の話を聞いて、居ても立っても居られなくなったのかも知れない)

2014-12-29 22:12:12
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