「一見、科学的な環境保全ツールとしての環境アセスメント」田北徹(科学11年5月号)ー諫早湾干拓事業のイカサマ・アセスメント

1年前のツイートなのですが、あらためてまとめました。「生物学の委員は、影響が大きいと予測しても不明な要素が多すぎて根拠を示すことが難しい」という田北氏の言葉に、共感します。生物学を知らない医者に「100mSvまでの放射線は安全」と今までずっと言わせ続けてしまったのと同じです。
環境
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レイジ @sinwanohate
@tkonai さんが薦めてくださった「一見、科学的な環境保全ツールとしての環境アセスメント」田北徹(科学11年5月号)を読んだ。筆者は諫早湾干拓の環境影響評価に関わった水産学者。環境アセスメントって、学者が中立で自由な立場で調査すると思ったらとんでもなかった。
レイジ @sinwanohate
続き1)環境影響評価の委員会は、事業者が調査会社を選定し、その意向を受けた調査会社が資料の収集を行い、気心の知れた研究者を集めて委員会を組織し、事業者と関係が深い研究者を委員会の中心に据えて、有利な評価へと導く。
レイジ @sinwanohate
続き2)諫早湾干拓事業の委員会では、「環境全般を調査すべき」という学者に対し、事業者(九州農政局・長崎県)が「調査が環境にまで及ぶと、環境保護運動を助長させるので、漁業への影響に限定したい」と回答したという。
レイジ @sinwanohate
続き3)「事業を遂行するためなら、環境も生命も犠牲にしてかまわない」という考え方が象徴的に現れている話。福島でも沖縄でも、私達の見えないところで、官僚達が同じような会話をしているに違いない。
レイジ @sinwanohate
続き4)諫早の影響評価書では、「海産生物への影響はほとんどない」という文言が根拠も示さず繰り返された。その理由の一つは評価の進め方。最初に事業による物理・化学的な環境変化の予測が行われ、生物への影響は、その予測に基づいて評価される。
レイジ @sinwanohate
続き5)物理・化学的な変化が小さいと予測されれば、生物への影響も小さいと判断せざるを得ない。堤防締め切り後の有明海に生じた環境変化をみれば、当時、「物理・化学的な環境変化の予測は正しかったのか」という疑問は深まるばかり。
レイジ @sinwanohate
続き6)有明海には魚類だけで200種以上が生息し、ほとんどは生活史も明らかになっていない。年変動も大きいので、生物に対する影響予測の判断は曖昧になりやすい。事業者側は環境に及ぼす影響が小さいと期待して、評価書に盛り込もうとする。
レイジ @sinwanohate
続き7)生物学の委員は、感覚的、経験的には影響が大きいと予想しても、不明な要素が多すぎ、原案に示された予測を否定するに足る根拠を示すことが難しく、結果的に原案を黙認してしまう。
レイジ @sinwanohate
続き8)結果が出るまで、影響は可能な限り小さく見積もられ、気づいたときには、予想を上回る破滅的な状況で後戻りもできない。こんなことを繰り返させてはいけない。

田北氏の話は、尾内&本堂「御用学者がつくられる理由」(科学2011年9月号)の中でも触れられている。
http://www.sci.tohoku.ac.jp/hondou/files/kagaku2011-9-1.pdf
「科学者が知らずのうちに適用限界を踏み越えさせられる場合もある。…権力側がセットした「土俵」にのせられてしまうケースである。諫早湾干拓事業における環境影響評価において評価委員を務めた田北徹・長崎大学名誉教授の例は、やや極端だが一つの典型かもしれない。田北氏は、初めから結論の決まった評価に「専門知」を使われる(しかも十分な調査研究を実施できないままに)、という当時の状況を振り返り、後悔の念を語っている。」

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