ゆりうす三国志

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劉備のもとに「県尉」に任官せしむという辞令が交付されたのは、逆賊として張均が粛清されたという知らせとほぼ同じころだった。大親友を失って、悲しみの極致であるが、と劉備は言った。しかしながら朝廷からの命令でもあり、ありがたく拝命し、任地におもむくことにしたのだ　＃ゆりうす三国志

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任地では軍団は必要ない。そこで決起以来の関羽張飛以下十数名だけを連れて行くことにした。他の者は捨てた。知らぬ土地で故郷までの路銀もない彼らは、劉備に連れて行ってくれと頼んだ。困った劉備は彼らの話しをうんうんと頷いてから「頑張ってください」「ガッツです」と答えた　#ゆりうす三国志

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思えば転戦につぐ転戦であった。辛酸をなめ苦汁をのんだ。決起からおよそ一年、天下の為に力をつくした結果は、警察署長くらいの地位だった。任地での民衆の評判は良かった。気が抜けてしまい自堕落になり何もしなかった劉備たちだが、税の徴収までほったらかしていたからだ　#ゆりうす三国志

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任地の安喜県は一年前に馬と金を用立ててもらった商人・張世平の地元だった。地元に帰っていた張世平が劉備のことを聞きつけ、訪ねては馬代の支払いを利子をつけて要求してきた。劉備は張世平の話を聞き「ふんふん、言ってる意味はわかる」とか「それでこそ商人だ」とか言っていた　#ゆりうす三国志

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だらだらと数カ月が過ぎた。ふぬけた劉備たちのもとに、勅使が下向する知らせが届いた。皇帝から命令された高官がこの地方を視察に来るのだ。 関羽「お迎えしないとだめですね」 張飛「宿と食事と、宴会の準備もいるよね」 劉備「張飛おしょう油とって」 #ゆりうす三国志

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劉備たちは勅使を出迎えると、民衆が集まってきていた。税を集めない劉備を辞めさせにきたと思い、止めに来たのだ。 張飛「民は兄が罰せられると勘違いして、助けに集まってますよ」 劉備「ふふ、私を慕うかわいいやつらよ、勘違いしてるバカっぽさもかわいいポイント」 #ゆりうす三国志

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勅使はわがままだった。よい眺めの宿、うまい料理、夜は宴会とやりたい放題であった。ふと勅使が「県尉、きみどこ出身？」と聞いた。劉備はふふっと久々に例の中二設定を持ち出し、涿県の生まれで、実は中山靖王の後胤だと言った。張飛も「いよっ！」と合いの手を入れる始末だった　#ゆりうす三国志

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勅使は烈火のごとく怒った。恐れ多くも王の末裔を僭称するとは何たる無礼！何たる不敬！この上は相応の仕置きがあるものと心得よ！しかも勅使は劉備の普段の職務怠慢を調べていた。わがままではあるが、やることはやる勅使であった。劉備、絶体絶命のピンチであった　#ゆりうす三国志

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油汗だらだらの劉備は「ち、違うんです！誤解です！」と慌てて言い訳しようとした。「何が？どこが違う？」と勅使に具体的に問い詰められると、劉備は黙ったまま立ち尽くすしかなかった。張飛「兄者に恥をかかせたな！」関羽「おのれ！」激しい緊張の中、劉備は覚悟を決めた　#ゆりうす三国志

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劉備「もはやどのみち助からぬ」 勅使「なに？聞こえない」 その後、劉備たちは勅使をボッコボコにして裸にして木にくくりつけ落書きしまくって逃げた。逃げに逃げた。あてなどなかった　#ゆりうす三国志

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夜を駆ける三つの影はどこへ行く。頬を濡らすのは夜露か涙か。 西暦185年の春くらい。ときに劉備、２５歳くらい。関羽、劉備よりちょっと下くらい。張飛、２０歳になるかならないかくらいのことだった　#ゆりうす三国志

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三国志　チャプター１　キリングミーソフトリー　完　#ゆりうす三国志

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム 登場人物紹介 波才　ハサイ　　　黄巾賊の将。前回の紹介で漏れてた 董卓　トウタク　　ドラクエでいうとムドー 孫堅　ソンケン　　漢の武将　ラスボスじゃないけど何ていうか 秦頡　シンケツ　　漢の武将　江夏都尉 徐璆　ジョキュウ　漢の武将　荊州刺史

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム 登場人物紹介 卜巳　ボクシ　　　黄巾賊の将。皇甫嵩に討たれる 韓忠　カンチュウ　宛城にこもる黄巾賊の将。朱儁に討たれる 趙弘　チョウコウ　韓忠の前任。朱儁に討たれる。本編未登場 張曼成　チョウマンセイ　趙弘の前任。秦頡に討たれる。本編未登場

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム 登場人物紹介 張宝　チョウホウ　　黄巾賊の将。張角の弟 張梁　チョウリョウ　黄巾賊の将。張角の弟 張角　チョウカク　　黄巾賊の大将。太平道の教祖 張均　チョウキン　　中央の役人。十常侍を除こうと動く 十常侍　ジュウジョウジ　皇帝の側近団。悪の根源

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム 当時の中国は１３の州に分かれてたんだ。州はさらに郡に分かれて、郡はさらに県に分かれてるよ。ちなみに劉備の出身は　幽州・涿郡・涿県の楼桑村らしいよ 。ド田舎おつ pic.twitter.com/YYNvJi9jZM

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#ゆりうす三国志 #リッツタイム 家を出た劉備たちの約一年間のがんばりはこちら pic.twitter.com/mnxgJW7WV4

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ある日、曹操は幼馴染の袁紹（エンショウ）と雑談していた。二人の憧れの女の子がいやいや結婚させられるというのだ。曹操は明日の結婚式に忍び込んで花嫁を助けてやろうと提案した。袁紹は、いやいやそれ誘拐だしっ！強奪だし花嫁っ！アハハ！といつもの冗談だと思ってノッてやった　#ゆりうす三国志

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曹操は憧れのあの子がかわいそうなめにあうのを見過ごせるのかと言う。袁紹は（あれ、これマジでいってんの）と不安になり、一応「お、おう見過ごせないよな」と合せてみた。曹操はことばも荒く「そうだろ！それでこそ袁紹、俺たちで彼女を救うんだ！」袁紹「お、おう」　#ゆりうす三国志

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そして二人は誘拐のリハーサルを行うことにした。 袁紹「えっ？リハーサル？」 曹操「じゃあオレが誘拐犯ね」 袁紹「えっ？えっ？」 曹操「行きまーす『花嫁泥棒』」 袁紹「まってまってなに始まるの」 最初の曹操のマジトーンがフリだったとわかり袁紹は慌てながらも安心した #ゆりうす三国志

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調子がでてきた袁紹は曹操の放つ「突然コントを振られてあたふたするミニコント」をひとしきり楽しんだ。その日は解散し、次の日の昼ごろ。袁紹の家に曹操がやってきた。今日はどこ行くのと袁紹が聞くと、曹操は“花嫁”だよと笑って答えた。袁紹は、こういう怖いやついるわと思った　#ゆりうす三国志

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ふたりは式場に忍び込んで、まんまと花嫁を誘拐した。あとは逃げるだけとなったが、袁紹が垣根を飛び越えて着地したとき、足をグネってしまった。曹操はそれに気づかないふりでそのまま走り去っていった。捨てられた袁紹は必死で這って草むらに潜み、自分に自分は草だと言い聞かした　#ゆりうす三国志

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その後ふたりは落ち合った。グネってからの袁紹の悲劇を聞いた曹操は爆笑しっぱなしだった。相撲中継を見ている中学生くらい爆笑していた。袁紹はこれからどうするか聞いた。曹操は、逃げ切ったが幼馴染の花嫁に素性がばれている、彼女を返したらただではすまないだろうと言った　#ゆりうす三国志