ゆりうす三国志

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しかも劉備たちは雑軍ということでバカにされ、どっか行けとか言われていた。地方領主には頼りにされる劉備軍も、官軍からみればただの雑兵。ああ、悲しきニート軍どこへゆく。故郷へ帰るつもりだったがここまで押し戻されたのも運命だと、劉備たちは朱儁将軍のもとに帰ることにした　#ゆりうす三国志

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潁川につくと誰もいなかった。皇甫嵩、朱儁はそれぞれ別の黄巾賊討伐の命をうけ移動していた。運命とかいってかっこよく流れに身を任せてみた結果である。もっと事前に調べていたらこういうことにはならなかったはずである。一生懸命に準備した者だけが運命を見ることを許されるのだ　#ゆりうす三国志

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皇甫嵩は蒼亭において黄巾賊の猛将・卜巳を捕えた後、黄巾賊の本陣広宗へ向かっていた。盧植の後任である董卓が負けまくったため、即行で解任されたためだ。一方朱儁は荊州宛城に立てこもる黄巾賊を包囲していた。「広宗方面は験が悪い、顔見知りの朱儁の所へ行こう」と劉備は決めた　#ゆりうす三国志

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朱儁は忙しかった。現地の秦頡、徐璆らと合流し二万の兵で宛城にいる韓忠を首領とする黄巾賊十万を相手にしているのだ。この兵力差であるから、朱儁は少しでも人手が欲しい。劉備たちの参戦は簡単に許された。「これで一息つけるね」「飯食おっと」など劉備軍の気合は十分であった　#ゆりうす三国志

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ついに宛城の総攻撃が始まった。苛烈に攻め立てる朱儁たち。なかでも朱儁配下の武将・孫堅の働きは凄まじく、ついに敵将・韓忠を打ち取ったのだ。残った黄巾賊は降参を申し出たが「ここで許せば正義がたたぬ」と朱儁ははねつけ、敵を惨殺した。劉備たちは後ろの方で見ていた　#ゆりうす三国志

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勝利に沸く朱儁の陣に報告が入った。広宗方面では黄巾賊のボス張角が病没、弟の張梁が代わりに指揮をしたが皇甫嵩がこれを撃破、さらに張角の墓をあばき手柄とした。このとき皇甫嵩は十五万の黄巾賊を討ち取った。朱儁は皇甫嵩の大手柄に悔しがった。悔しがったのがもう一人いた　#ゆりうす三国志

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劉備はなぜ皇甫嵩の所へ行かなかったのかとわめき出した。敵の本軍で活躍したほうが手柄になるだろうが！こんな別動隊に勝っても手柄になんないだろ！誰がここ行くっつった！と暴れた。ヒステリーに妙薬は無い。関羽・張飛は嵐のときと同じようにヒスが通り過ぎるのをじっと耐えた　#ゆりうす三国志

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治まらぬ劉備を関羽はなだめたが「曹操はめっちゃ褒美もらったって聞くぞ！」とツバをとばした。ついに張飛の短気がでて「あんたがここへ行くっつったんでしょうが！」とみんな我慢してたことを言ってしまった。「これ！」と関羽はたしなめたが、言われた劉備は膝から泣き崩れた　#ゆりうす三国志

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関羽「兄者、立つのです！張角は死に、張梁は討たれましたが、もうひとりの弟、張宝が残っております。皇甫嵩はさらに手柄を立てるため張宝のこもる下曲陽へ向かいます。我らも急いで合流して天下泰平のため尽くすのです！」 劉備「ホントその通り、そうしよ」 張飛「軽っ」 #ゆりうす三国志

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目が覚めた劉備は、さっそく下曲陽へ向かい、皇甫嵩の軍と合流した。連戦連勝だった皇甫嵩軍は意外な苦戦の中にいた。というのも張宝は妖術を使うため、兵がびびっているのだ。それを聞いた劉備たちは「そんなもんはない」と普通に攻めた。劉備軍は徹底したニヒリストたちなのだ　#ゆりうす三国志

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はたして張宝の妖術とは、この地域の特徴である激しく変動する天候の変化を、それっぽく演出しただけのものだった。妖術がインチキとわかれば、彼らに勝ち目は無かった。皇甫嵩たちは、ついに張宝を討ち取った。これで黄巾賊は総司令官クラスのボスを全て失い、黄巾の乱は治まった　#ゆりうす三国志

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＃ゆりうす三国志　＃リッツタイム 黄巾の乱って？ 物語ますます佳境。黄巾の乱っつーのは道教の一派「太平道」が起こした革命戦だよ。道教っつーのは当時の中国でもっともポピュラーな宗教なわけ。記録によると教団設立後わずか十数年で数十万人の信者を獲得したというよ。記録アバウト。

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム あいつぐ人災・天災・漢王朝の腐敗で民が疲弊したせいもあって、心の甘味処的な場所として太平道は爆発的に広まったよ。しかも張角という人は若いころ、変な石かなんか触ってからキセキを起こせるようになったんだ。そのキセキで信者を増やしていった。キセキの世代

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム 本格的に教団を組織した張角は世直しすべく計画したよ。軍隊として訓練もしたし、皇帝の側近を買収し官軍の動きを抑えるよう策もめぐらしたんだ。やるね張角。でもその連絡がかりの馬元義の部下、唐周の密告で事が露見。あわれ馬元義は車裂きの刑に処せられたよ

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム そんなこんなで計画がばれた張角たち太平道はあたふたと挙兵するはめになったんだ。なんかおそまつですね。とりあえず張角は信者たちに呼ばわった「黄巾をつけよ！」 その後はお察しのとおり。張角は病死、首脳部も戦死で、太平道の黄巾の乱は一年も経たず治まった

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#ゆりうす三国志　#リッツタイム ・・・というおめでたい話は皇帝の周りだけの話しで、黄巾賊残党がゲリラ戦してたり、黄巾賊以外のゴロツキが蜂起したりと各地で大変な状況が続くよ。張角が死んで黄巾の乱が終わっても、反乱が起こった理由は何一つ解決してないんだ。まだまだ乱世が続きそうだよ

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劉備たちは官軍について首都・洛陽へ向かった。都では、劉備たちはみんなと一緒になって城に入ろうとしたが、はい、ここまでね、と城へは入れてもらえなかった。官軍ではない流浪の集団は、城へは入れてもらえなかった。張飛「俺たち、城へは入れてもらえなかった」　#ゆりうす三国志

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城外で劉備たちが聞くところには、皇甫嵩・朱儁・曹操・孫堅などたいそうな出世をしたというのだ。もう季節は冬、自前の食料も乏しく、もともとこらえ性の無い劉備たちは待つのが苦痛でしかたなかった。城の門が開くたび、褒美の知らせかと腰を浮かす張飛のマネが軍内で流行った　#ゆりうす三国志

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せめて食い物と毛布だけでも欲しい劉備は城内の朱儁のもとへ頼みに行った。途中、張均と出会った。張均とは劉備が盧植先生の陣にやっかいになっている頃、中央からやってきた視察団の随員の一人であった。このとき劉備と張均は意気投合、良き友垣、大親友になったのだ　#ゆりうす三国志

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劉備「こ、これは、ははーっ！これはこれは張均先生、御前とは知らず失礼いたします！先生にはますますご壮健のご様子、喜ばしい限りでございます！」 張均「乞食かと思ったが、なんだ劉備ではないか、相変わらずみすぼらしい」 そして劉備は張均に恩賞をもらえない事情を話した　#ゆりうす三国志

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張均は劉備の訴えを聞いた。たとえ義勇兵でも、国のために命をかけたのだ、官軍でないからと言って差別するのはいかんと言った。張均は正義感の強い男だった。 張均「お前らに手柄があるかどうかは別だがお前らが差別されるのは正義でない」 劉備「はー！ありがたきおことばっ！」 #ゆりうす三国志

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張均はいささか興奮していた。実はこれから皇帝に会い、ご諫言申し上げるのだという。つまり十常侍を粛清せよと懇願するのだ。十常侍というのは皇帝の側近中の側近たちのことである。彼らが皇帝をあやつり、えこひいきと賄賂で国政をろう断する悪の元凶であった。　#ゆりうす三国志

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その十常侍たちを粛清し、まつりごとの風通しを良くし、皇帝のご身辺をお清めまいらすのだと張均は息巻いている。地面に額をこすり付けたまま聞いていた劉備は何かを察し、急にあたりを見回し、朱儁のところへ向かわず、そそくさとどこかへ消えた。張均は無礼な田舎者だと思った　#ゆりうす三国志

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劉備らが『張均粛清される』の知らせを聞いたのはそれからすぐのことだった。張飛はびっくりして「え！あの張均さんが、十常侍のオカマどもにやられたのか！」と悔やんだ。関羽も「ここに朝廷の腐敗きわまった」と泣いた。劉備はしずかに目をつむっていた　#ゆりうす三国志

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張飛の調べでは、張均が皇帝に十常侍の粛清の計画を進め、了解を得ようと向かったところ、十常侍たちに待ち伏せされ、逆に殺されてしまったというのだ。誰かが密告したのだ。しかし張均の計画は非常に慎重で、これを察知した密告者はよほど大きな耳を持つものだろうということだった　#ゆりうす三国志