ゆりうす三国志

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関羽、張飛は劉備の人脈に感心した。しかも文武に優れた天下の学者、盧植先生の門下であったとは驚きだった。 張飛「劉備の兄貴は、耳が大きいだけじゃなく、顔もひろいんだなあ」 関羽「こいつ、兄の耳の大きさと人脈の広さをかけたわけか、これは傑作」 劉備「あっははは」 ＃ゆりうす三国志

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はたして盧植は劉備を覚えてはいたが赤点の印象しかない。しかし連れている二人の偉丈夫と五百の兵は働くだろうと滞陣を許した。結果的に盧植は甘かったと言わざるをえない。とたんに、粗暴にして軟弱な劉備軍の怠惰が盧植軍に伝染し、風紀はみだれ、戦うどころではなくなったのだ　＃ゆりうす三国志

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困った盧植は劉備を呼び、相談を持ちかけた。実は黄巾賊の総大将張角の弟たち、張宝・張梁が潁川という場所で暴れている。その方面には盧植の同僚の皇甫嵩と朱儁の二将軍がいるのだが苦戦している。ここは知略縦横、紫電一閃の君達に救援を願いたい。今すぐたってくれまいか　＃ゆりうす三国志

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盧植先生の頼みならと劉備は快諾した。張宝・張梁といえば黄巾賊の大首領であり、潁川といえば都に近く、功名をすればその名の轟きかたが違う。関羽・張飛も「それは轟きかたが違う」と賛成だった。ついでに盧植は劉備軍に伝染した使い物にならない兵千人をつけてやった　＃ゆりうす三国志

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この頃、皇甫嵩と朱儁は大変で、黄巾賊の将、波才によって包囲されていた。劉備に会った朱儁は彼らが盧植が押し付けてきた雑軍であることを見抜き、この雑軍に対する、盧植よりも積極的な解決法を思いついた。すなわち、敵のもっとも強力な部隊の前に彼らを配置したのだ　＃ゆりうす三国志

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劉備軍が負けても朱儁たち官軍は痛くないし、むしろあんな質の悪い軍隊が混ざると困るので負けてくれた方がいい。朱儁のエグい名案だった。万が一にも勝てば、それはめっけもんである。「まあそんなことはありえないけどな、あはは」と、名案にご満悦の朱儁であった　＃ゆりうす三国志

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劉備たち数度目のピンチだった。強い敵が正面に、後ろは冷たい味方に囲まれ逃げ場なし。ついに劉備は「もういいや全部燃やして灰にしちゃおう」とメンヘラ的発想を爆発させた。全員に松明が配られ、火がきれいに見えるように夜を待った。そして千五百人の炎の塊が敵陣に突っ込んだ　＃ゆりうす三国志

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追いつめられたら思考を停止し迷惑な自爆をするのが彼らである。波才率いる黄巾賊は不意をつかれて大混乱になった。おりしも強風が吹き、炎の塊は何倍にもなって波才軍をのみ込んだ。すると、なんか勝てそうだぞ？と劉備軍はパーンとテンションがあがり、腹立つ感じではしゃぎだした　＃ゆりうす三国志

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はしゃいだのはいいが、急に大声をだしたりしたので頭がくらっと来た劉備軍。そこで勢いが削がれた。あと少しで勝利というのに関羽・張飛らは悔しがった。そこに突如、一騎の英雄が現れたのだ。英雄は赤でそろえた軍勢５千を従え、ついに壊乱している黄巾賊にとどめを刺したのだ　#ゆりうす三国志

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劉備を救った赤い鎧を着た英雄はスックと馬から降り、劉備の方へ歩いてきた。年と背丈は同じくらいだが、彼の圧倒的な自信と気品で、猫背で陰気な劉備より何倍も大きく見えた。気持ちで負けた劉備はヘラヘラと媚びた笑顔で立っていた。そしてその英雄に「君は？」と話しかけられた　#ゆりうす三国志

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劉備は一拍おいて「はい？え？ボクですか？」とめんどくさい反応をしてから名を名乗り、英雄に対するおべんちゃらと自分の実績を並べ立てた。内容は嘘ばかりであった。彼はそれをすぐ見抜き、冷めた目で「そうですか」と言って朱儁の陣へ去って行った。彼の名前を曹操といった　#ゆりうす三国志

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劉備たちが朱儁の陣へ行くと、勝利を決めた曹操とその両手をつかんでめちゃ機嫌のいい朱儁がいた。勝利のきっかけである劉備たちは、 張飛「これは完全に褒美コース確定」 劉備「いやあ、どうかなあ」 関羽「とかいって劉兄、にやついてるけど」 劉備・関羽・張飛「だははは」 #ゆりうす三国志

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朱儁「君らのせいで、せっかく潁川に固まってた賊がばらばらになったよね。曹操のおかげで勝利できたけどね、感謝して曹操に。あと誰が座っていいって言ったの？んで賊は張角本隊に合流するだろうから、そっち担当の盧植軍が困るよね？すぐ引き返して助けにいって。すぐだよすぐ！」　#ゆりうす三国志

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＃ゆりうす三国志　＃リッツタイム　登場人物紹介＜いまさら！ 劉備　リュウビ　耳がデカいファッションメンヘラ 関羽　カンウ　　忠義もの。髭が奇麗 張飛　チョウヒ　気は優しくて力持ち。酒癖悪い 張世平　チョウセイヘイ　商人。劉備にほれ込み金と馬を託す 蘇双　ソソウ　　商人。本編未登場

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＃ゆりうす三国志　＃リッツタイム　登場人物紹介　＜いまさら！ 劉焉　　リュウエン　幽州の太守。劉備にほれ込む 鄒靖　　スウセイ　　劉焉の部下。劉備にほれ込む 程遠志　テイエンシ　黄巾賊の将軍 鄧茂　　トウモ　　　程遠志の副官 龔景　　キョウケイ　青洲の太守。劉焉に救援を求める

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＃ゆりうす三国志　＃リッツタイム　登場人物紹介　＜いまさら！ 盧植　　ロショク　　漢の将軍 皇甫嵩　コウホスウ　漢の将軍 朱儁　　シュシュン　漢の将軍 曹操　　ソウソウ　　漢の将軍。ラスボス

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ショックを隠せない劉備はとりま盧植のもとへ向かうのであった。 張飛「やっぱり定職についてないと世間はあたりがきついんですかね？」 劉備「いやあ、それはでも、ええぇ～？」 関羽「活躍しすぎたってことなんじゃない？出る杭は的な」 劉備「でも、なぁ、ええぇ～？」 #ゆりうす三国志

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とぼとぼ進む劉備たち。そこに前方から官軍の小隊がやってきた。罪人を押送しているそうだ。誰を？と張飛が聞くと、その答えに耳を疑った。なんと檻車にいるのは向かう先の広宗方面軍司令官にして恩師、盧植将軍だというのだ。劉備は叫んだ「ちょっとありえないんですけど！？」　#ゆりうす三国志

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盧植いう。朝廷から戦場査察に来た宦官左豊に賄賂を要求されたが、これを盧植はつっぱねた。すると左豊は朝廷に「盧植の傍若無人は目に余る。手飼いの浪人五百を気ままに引き入れ、夜ごと酒宴を開くなど、士気の緩みただならぬものあり」と讒言を報告したのだ　#ゆりうす三国志

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盧植はこの「浪人五百」に心当たりがあり、当たらずも遠からずであるため、この讒言への申し開きを諦めたのだ、と眼光鋭く劉備を見据えて言った。劉備は、それは大変でしたねと目の焦点を虚空に合わせて、素知らぬ顔で答えたという　#ゆりうす三国志

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劉備は関羽・張飛には恥ずかしいので浪人五百の部分を伏せて説明した。はたして両人は激怒した。 関羽「漢王朝の腐敗、ここに極まれり！罪なき恩師が獄に引かれるを見過ごすは匹夫に劣る不忠の極み！」 張飛「おう！義を見てせざるは勇なきなり！」 劉備「いったん座ろ」 #ゆりうす三国志

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劉備はごまかしつつ、軽挙はならぬと二人を叱りつけた。関羽・張飛にはどんな時もうろたえぬ、冷静かつ大胆な、デカイ男に映ったであろう。それから、これからどうするか相談した。みんなはもう家に帰ることにした。特に行きたいとこもないし　#ゆりうす三国志

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地元の幽州へ帰る途中のこと。劉備たちは遠くから大軍が向かってくるのをみた。あれはどこの軍か？と張飛に調べさせた。しかし張飛が戻ってくるまえに大軍がやってきた。軍は慌てており、敗走しているらしかった。雪崩のような大軍にそのまま劉備たちはまきこまれてしまった　#ゆりうす三国志

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大軍の敗走が落ち着くも、逆走してだいぶ来た道を戻ってしまった劉備たち。そこへやっと張飛が戻ってきて報告をした。この軍は広宗にいた官軍で、あの盧植先生の軍団だった。その後、盧植先生のかわりに赴任した将軍、董卓が黄巾賊にしたたかに破れ、敗走していたとのことだった　#ゆりうす三国志

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いちおう挨拶をしに劉備は董卓に会った。董卓のまがまがしい体躯、猫科の眼光、まさに猛獣、劉備はおぞ気だった。劉備が挨拶すると董卓は「ちょっと四の字かけさせて」とウソのような猛獣っぷりであった。その後、足をひきずりながら劉備は関羽と張飛に「ありえない」を連発した　#ゆりうす三国志