病理専門医・ヤンデル先生による「がんと戦うために」

病理専門医・ヤンデル先生が、Facebookページで連載している「ヤンデル先生の白熱対比」の第9話。その内容についての連続ツイートをまとめました。
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病理医ヤンデル @Dr_yandel

Facebookページにて連載中「ヤンデル先生の白熱対比」の第9話です。「ウィーン分類でウィンウィーン」 ow.ly/PFLgN (リンク先はFBページ) 医師・医療者・医学生におすすめですが非医療者の方にもご評価いただけており何よりでございます。

2015-07-16 13:14:07
病理医ヤンデル @Dr_yandel

今日のFacebookページ「では「がんと戦う」というフレーズをあえて入れました。敵を知り己を知れば百戦危うからず。戦いとは「力押し」だけではありません。まず「知る」こと。彼我の戦力、状況、攻撃によって得るもの・失うもの、コスト、精神的な充足の度合い。これらを知って、戦う。

2015-07-16 13:26:05
病理医ヤンデル @Dr_yandel

一部の疾病に「強烈な治療」を行うことでかえって体が弱ってしまったり、「生命として長生きはできたが、本人の生きている喜びは増えなかった状態」を作ってしまうことは確かにあります。ある疾病とどのように「戦う」かには、それこそ膨大な知識と「医療者・患者の心のすりあわせ」が必要です。

2015-07-16 13:27:26
病理医ヤンデル @Dr_yandel

だからこそ。「がん」のことを知らない非医療者にむけて、「がんと戦うな」というフレーズで「知る機会を失わせるような方向」に話を向けるやり方は、わたしはあまり好きではありません。多くの医療者も好きではないです。ですからわたしは「がんと戦うために」というフレーズを入れて文章を書きました

2015-07-16 13:28:32
病理医ヤンデル @Dr_yandel

個人の考える真実・幸福は常に「知る事」の先にあります。知らないでいれば幸せだったことというのも世の中にはありますが、こと生命、「生きる」ということに関して、「知ってなお幸せになる道」を探そうとすることこそが、医療、ひいては医学、さらにいえば科学のあるべき姿だと思っています。

2015-07-16 13:29:54
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「がんと戦わない」という選択をした人に、 「あなたはがんと戦わないと言ったが、それは抗がん剤や手術などの強い治療をせず、しかし『心をがんに折られずに生きていく』ことを選んだということでしょう。非戦もまた、戦士の心意気の一つ。あなたは立派に戦っている」 と言いたい時がある。

2015-07-16 13:32:39
病理医ヤンデル @Dr_yandel

「がんと戦うな」というフレーズが、「がんの治療は強いものだけではない、派手なものだけではない。一番あなたにとっていいものを選ぼう」という、冗長で読みづらくて、しかし誠実な文章であったらこれほど医療者に叩かれなかったと思います。 そして、わかりやすいフレーズこそ世の中に広がる。

2015-07-16 13:33:55
病理医ヤンデル @Dr_yandel

だからわたしは医療者として、「がんと戦います」。

2015-07-16 13:34:08
病理医ヤンデル @Dr_yandel

じゃオチもつけようと思ったけど小物の切り出ししてくるんで 三╭( ・ㅂ・)و

2015-07-16 13:36:14