@Cristoforou まあ、お互い個人的にするべきことをすればよいと思いますが、あえて歴史学の問題をいうと、歴史学には歴史学のバイアスがあって、例えば、伝統的にはintellectual history を軽視してきたことです。これを「精神史」と訳すべきか考え中ですが。
2010-03-07 08:12:47これはイギリスでもそうで、先日亡くなった John Burrow の obituary にもそういう話がありました。そういうわけで、最近出た『ミクロコスモス』は重要だと。
2010-03-07 08:18:01@tricycler 'intellectual history'を「精神史」だと、フランス語の'histoire des mentalités'「心性史」との混乱がいささか心配ですね。
2010-03-07 08:26:08RT @tricycler @Cristoforou まあ、お互い個人的にするべきことをすればよいと思いますが、あえて歴史学の問題をいうと、歴史学には歴史学のバイアスがあって、例えば、伝統的にはintellectual history を軽視してきたことです。...
2010-03-07 11:49:18私は今はゴリゴリの都市史の実証ばかりをやっているので手が回っていませんが、千年王国主義運動研究を見た場合、コーンが扱った中世よりも、むしろ近世から現代の方が色々あったという印象があります。
2010-03-07 11:55:59千年王国主義の通史Baumgartner, Frederic L., Longing for the End. A History of Millenialism in Western Civilizationでも、記述は中世までよりも、近世以降、特に現代の方が長いです。
2010-03-07 12:03:04R. A. Landesが編纂した千年王国主義の辞典Encyclopedia of millennialism and millennial movementsも、ぺらぺらと見た限りでは、現代中心という印象はあります。
2010-03-07 12:05:41アメリカだと19世紀以降、前千年王国主義説を採るファンダメンタリズムが力を強めるようになりますし、ファンダメンタリズムを中心とした勢力の影響力が強まるのは1980年代以降なので、現代で千年王国主義の力が弱まったとは一概に言えないところがあります。
2010-03-07 12:08:39そもそも千年王国主義がヨーロッパローカルな思想から、全世界に広がっていくのは、植民地支配が強まる19世紀以降なので、世界的に見れば千年王国主義は現代で最もその影響力を強めたと言えます。
2010-03-07 12:11:27この辺りまだ研究史も十分調べられていないので、早く本腰を入れて千年王国主義研究をやりたいところです。
2010-03-07 12:12:44自分もそう感じていたが、やはりそうなのだな。 RT @tricycler @Cristoforou [...]あえて歴史学の問題をいうと、歴史学には歴史学のバイアスがあって、例えば、伝統的にはintellectual history を軽視してきたことです。...
2010-03-07 13:23:04僕が眠っている間に興味深い議論が展開されていた。歴史学と哲学との断絶はともかく、(日本の)西洋史学界における思想史の位置づけは疑問を感じざるを得ない。でも、同じような問題意識の方がいらっしゃるのがわかったのは収穫。
2010-03-07 15:28:55まあ、最近は副業で哲学史に没入しているので、哲学史と(僕の考える)思想史とのギャップをむしろ感じる今日この頃。僕が感じるギャップは、Colliniの言うところのthe history of ideasとintellectual historyとの対比に重なる気がする。
2010-03-07 15:38:50ここでいうthe history of ideasと学術雑誌のJHIを結びつけていいのかわからないが、創成期からしばらくはともかく、最近はthe history of ideasとJHIのアイデンティティとの関係は僕にはいまいちわからない。と言えるほど熟読してるわけではないし。
2010-03-07 15:47:35intellectual historyについて言えば、political history, economic history, social history, cultural historyと同じく、historyのサブジャンルとして捉えられている。
2010-03-07 15:52:32少なくとも僕がいた時には、Sussex大学でもHistory at Sussexの中にIntellectual Historyのコースも含まれていて、大学院の組織としては人文学⊃歴史学⊃思想史となっていた。学部の方は地域ごとに分かれるというSussex独自のシステムだったのだが。
2010-03-07 16:06:09ただし、Intellectual History担当の先生は、社会科学の方にあるSocial and Political Thoughtとも関わりが深く、両方の学生を対象とする授業も存在していた。元々、人文系の思想史のセクションは社会科学の方から分離してできたようだ。
2010-03-07 16:13:38ちなみに、intellectual historyを精神史とか知性史と訳すのはあまり賛成できない。なんか、人間の内部にある精神とか知性とかを研究対象にしているように聴こえるから。あくまで僕の個人的印象だが、精神とか知性とかは究極的には不可知という気がするし。
2010-03-07 16:23:11僕の考えるintellectual historyの研究対象は、特定の歴史的コンテクスト、政治的・社会的・経済的その他のコンテクストでなされた思想的プラクティス。思想的プラクティスをそのコンテクストと帰結をふまえて歴史的に再構成するのがintellectual history。
2010-03-07 17:16:14「History of Ideas と Intellectual History の混同についてどう思うか?」というご質問を Dr Hiro Hirai からいただいた・・・。
2010-03-09 07:32:56たしかに、階梯が違いますね。 RT @adamtakahashi: 「History of Ideas と Intellectual History の混同についてどう思うか?」というご質問を Dr Hiro Hirai からいただいた・・・。
2010-03-09 07:56:48@adamtakahashi むしろ混同されるというか相互に代替可能な同義語として使われることも結構あるような気がします。混同を云々するよりは、区別して使っているひとがどういう理屈で使い分けているかを整理すべきなのではないでしょうか("unit-idea" の扱いとか)。
2010-03-09 07:57:56conceptual history というのもありますね。 RT @contractio: 乞う続報。 RT @adamtakahashi: 「History of Ideas と Intellectual History の混同について
2010-03-09 08:00:33未読でつが Mark Bevir, The Logic of the History of Ideas http://bit.ly/abozhv 著者によるオンライン・セミナー http://www.fathom.com/course/10701059/index.html
2010-03-09 08:06:11