History of Ideas と Intellectual History の「階梯が違う」と今朝つぶやいたことの補足。要するに History of Ideas は Intellectual History の一部を構成する。@tricycler
2010-03-09 14:23:55歴史学のみならず、人文社会科学全般の中で思想史の位置づけが微妙なのは、どの研究分野に属しているか分からない(よく言えば学際的)ということと、作家と実生活ではないですが、広い意味での下部構造が上部構造としての思想とどう関わっているのか捉えがたいということが主な理由だと思います。
2010-03-09 14:27:02Wikipedia (en): http://bit.ly/arjBYj とか http://bit.ly/9qrzGF とか。
2010-03-09 14:28:17しかし、日本語の「思想史」は 、History of Ideas と Intellectual History のどちらにも一対一対応しているわけではないと思う。このあたりがややこしいところ。
2010-03-09 14:30:18intellectual history と history of ideas は脱領域的な思想史という点では同じだと思うのですが、知識社会学的な前者に比べ、後者は特定の単位観念が当初の文脈を離れて継承されていくプロセスを重視する。これが最大の違いだとぼくは考えています。
2010-03-09 14:34:47@odg1967 同意します。歴史学は伝統的に、政治史(統治権力(の支配)にかかわる)あるいは社会経済史(経済的下部構造)の手がかりとなる史料を領分としてきたわけで、intellectual historyはそのどちらにも嵌りません。
2010-03-09 14:35:10たとえば、Dr Hirai にとっての intellectual history は「知識社会学的」かと考えるとそうではないような。
2010-03-09 14:40:16このあたり、Dr Hirai にご発言いただきたいところです。ともかく、history of ideas (HI) の輪郭は比較的はっきりしていると思いますが、intellectual history はHIを含みこんでいるので、その定義はもっと曖昧だろうと思います。
2010-03-09 14:42:38Intellectual history ではなくhistory of ideasという言葉が好まれる背景に、Collini がある種の anti-intellectualismを見ていたな、と思い出したり。
2010-03-09 15:51:05http://en.wikipedia.org/wiki/Intellectual_history にも名前がありますが、Quentin Skinner が政治思想史研究にもたらした大きな変革というものを、(今考えると幸運なことに)学部の時に刷り込まれたのですけれども、
2010-03-09 22:06:28そういう刷り込みがないと、未だに「我らが同時代人デカルト(or スピノザ or カント)」みたいな発想で作業するしかないのだと思います。
2010-03-09 22:09:19より現実的な話(?)としては、現象学や分析哲学の研究者が投稿するジャーナルと、少なく見積もってもライプニッツ以前の哲学(というのもドイツ観念論になると特殊な感じがある・・・)を研究している人が投稿するジャーナルは、全く違うと思います。
2010-03-09 22:14:18ライプニッツ以前の哲学というのは、当時の「科学」と一緒になっているので、すると「哲学史」と「科学史」というのはセットであって、あくまで私の理解では、哲学と科学と双方を、当時の歴史的コンテキストに落とし込んで分析するのが intellectual history なのではないかと。
2010-03-09 22:16:42intellectual history と history of philosophy/science/ideas というのは厳密に区分されるべき、とは考えない方が良いのではないかと思います。むしろ、ジャーナルごとに「お座敷」が設定されていて、ゴリゴリの哲学的概念や科学理論の
2010-03-09 22:32:26分析をしたい場合は、それ相応の「お座敷」へ、そうではなくて、もう少し大きな知的な系譜というものを分析したいなら、それ相応の「お座敷」へ、みたいな・・・。
2010-03-09 22:33:40どういう具体的な「お座敷」があるかは、ブログのアンテナで少し整理しています。ただ、あくまでこれは私が呼ばれたい「お座敷」であって、他の人は違うと思いますので、網羅的では全くありません。http://a.hatena.ne.jp/la-danse/?gid=465513
2010-03-09 22:40:35BH の凄いところは、そういうお座敷から常に声がかかっていることで、歴史系でも哲学系でも、あんなに声をかけられている人というのは、(欧米でも)そう多くはないと思います。その意味でも『ミクロコスモス』も、本当のお座敷芸を披露する場となると良いなと思いますし、自分もかかわりたいです。
2010-03-09 23:00:47記述が感動的です。心から感謝を申し上げます。RT: @sekibang 『ミクロコスモス』読了。門外漢の立場から、面白かったです!という感想を書いてみました。http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100309/p1
2010-03-10 00:31:40今、ご返信があったのに気づきました。。。大変申し訳ないです。@odg1967 混同を云々するよりは、区別して使っているひとがどういう理屈で使い分けているかを整理すべきなのではないでしょうか
2010-03-10 00:37:09Dr Hirai 曰く「(history of ideas は)あるアイデアが歴史上をどう変遷していくか?を扱うもので、たとえば、ルドルフ2世の宮廷における錬金術サークルを扱うようなものではない」
2010-03-10 00:48:51(承前)「インテレクチュアル・ヒストリーでは、ここの文学や芸術作品などの背景にひそむ文化的・知的コスモスを探る作業なのだと思う」 だそうです。
2010-03-10 00:49:30