茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1561回「悪いものがわかるためには、良いものを知らなくてはならない」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート１５６１回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、簡潔に。

茂木健一郎 @kenichiromogi

悪いものがわかるためには、良いものを見ていなければならない。良いものとの比較において、なぜ、ダメなものがダメなのかということが、わかるからだ。

茂木健一郎 @kenichiromogi

悪い映画が悪い、とわかるためには、良い映画を見ていなければならない。できれば、存在自体が震撼するような、あるいはずっと心にやさしい傷と残るような、傑作を見るのがいい。そうすれば、単に商業主義で宣伝しているだけの、悪い映画がわかる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

悪い教育がわかるためには、青天井の、良い教育がわからなくてはならない。一つの基準を押し付けるのではなく、一人ひとりの自発性にはたらきかけて、個性をのばすような。良い教育の基準があって、初めて今ここにある悪い教育の欠陥がわかる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

悪いジャーナリズムがわかるためには、良いジャーナリズムを知らなくてはならない。政府発表をそのまま出したり、すでにある定型に流し込むだけの報道ではなく、掘り下げ、勇気を持ってある視点を出すような報道が世の中に存在するということを知って、初めて目の前の報道に違和感を抱くことができる。

茂木健一郎 @kenichiromogi

悪い政治がわかるためには、良い政治がわからなくてはならない。候補者が、今までの惰性や、地盤看板、ましてや世襲で選ばれるのではなく、その候補者のヴィジョンや、人格にもとづき、自由市場でもまれて選択される、そんな政治が実際に地上に存在するのだということを知らなくてはならない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

良いものがわかるために、時に、言語が必要なことがある。ある言語で流通しているものが、ある特定のジャンルについては、劣化したものだけであることがあるからだ。だからこそ、言語を一生懸命学んで、良いものにアクセスできるように、修練を積まなければならない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート１５６１回「悪いものがわかるためには、良いものを知らなくてはならない」をテーマに、６つのツイートをお届けしました。