廃棄物日誌 LOG:11

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

まるで鰯の群れのように、回天が駆け回る。 しかし何にも命中しない。妖精が力尽き、全ての負荷がゴーヤを襲う。 「何処だあぁっ！！」«そんなに叫ばなくても、お姉様は、私たちは貴女の傍に居ますよ» そんな通信が入ったと思ったらゴーヤの目の前に、46cm魚雷。 #廃棄物日誌

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「え」 間の抜けた声が出た。しかし魚雷は容赦なくゴーヤに追突。 彼女を爆発に包み込んだ。 「ゴーヤ！」「反応はある！まだ生きてるの！」 三隻が近寄り彼女を抱き上げる。強化スクール水着のお陰で、大したダメージはなかった。 そして、魚雷の主が浮上していく。 #廃棄物日誌

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無数の魚雷を防ぎきったナガトワンダーが、何事もなかったかのようにイムヤ達の頭上に現れた。 そして、ナガトから降り注がれる80mmミサイル。 だが狙いが甘いのか何か理由があるのか追尾することなく、イムヤ達の近くに落ちる。 #廃棄物日誌

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しかしそれは全く違うタイミングで次々と炸裂。 イムヤ達を追い込んで行く。先程の猛攻で、既に魚雷を撃ち尽くしたイムヤ達は避けるしかなかった。 「嘘でしょ！？まだこんな武器が…」「逃げるのね！このままじゃなぶり殺しなの！」 #廃棄物日誌

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慌ててミサイルが作り出すキルゾーンから飛び出す四隻。 だが最後尾のハチが後ろを見て悲鳴を上げた。 ナガトの艦首から魚雷が六本発射されたからだ。 それだけではない、主砲からも魚雷が放たれている。 合計12本の魚雷が接近してきた。 #廃棄物日誌

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避けようにもゴーヤを抱えたままでは身動きが取れない。 そんな事を考えているうちに六本の魚雷が24本へと分かれ、その全てがイムヤ達を通過し、一斉に爆発した。 #廃棄物日誌

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イムヤが先に水面に飛び出した。 後からハチ、ゴーヤを抱えたイクが出てきた。 「ゴーヤは！？」「AMS使いすぎてダウンしてるのね…」 「ねぇ、あれ…」イムヤが震えながら指を差す。 その先には、霧に包まれたナガト。 #廃棄物日誌

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ゴーヤの猛攻すら退けた化け物は、イムヤ達の近くを通りすぎていく。 甲板の上、主砲の上、艦橋部に人形が立ち矯声を上げ、床を踏み鳴らし、勝利を誇っていた。 やがてナガトは再び忽然と消失した。 「…ぁ」空を見上げていたゴーヤが何かに気づいた。 #廃棄物日誌

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彼女は震えながら通信端末に手を伸ばし、提督に繋ぐ。 「てーとく…やられたでち…ナガトは…ナガト“も”…消える…でち…ジャミング元は…ナガトじゃ…ないでち…黒い鳥…お空に…消えた…」 それだけ言うとゴーヤはまた気絶した。 #廃棄物日誌

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蒼龍特改 屠殺型ソウリュウ 山城のプランによって改装と特注塗装を施された蒼龍改二の通称。 海軍で提示されたある艦娘の限界突破改装案がベースとなっており、この改装を受けて成功したのは処理場の蒼龍のみ。 他は負荷に耐えきれず狂死したという。 #廃棄物日誌

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飛行甲板は黒く塗られ、金色の模様が刻まれている。 甲板は完全装甲化されており、理論上はジェット機の着艦も可能。 また内部には一機ごとの格納庫があり、そこから甲板から垂直に出撃する。 #廃棄物日誌

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本来ならそれに合わせて弓での発艦を行い真上と正面の二方向からの攻撃を同時で行うのだが、蒼龍は弓が使えないため甲板を二つ装着している。 また、赤城の特殊飛行甲板同様甲板内側には武器が収納されている。 #廃棄物日誌

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収納式対艦斬艦刀 赤城が装備していた試験型対艦斬艦刀の実用化モデル。 赤城の物よりも刀身が長く、また折り畳み式ではなく刀身が真っ直ぐ甲板から飛び出るのが特徴。 対艦攻撃力は赤城と同じだが特殊硬化処理金属の赤城と異なり妖精金属（ヒヒイロカネ）を使用する。 #廃棄物日誌

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26式至近距離大型対艦ミサイル こちらも赤城が装備している試15型近距離大型対艦ミサイルの実用化型。 甲板内部に三発搭載されており、蒼龍の機敏な動きで相手の懐で発射できるようになっている。 威力は壮絶で、非公式の試験では一撃で大和型が撃沈した。 #廃棄物日誌

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装着式30mm四連装近接防御機関砲 赤城も最近の改修で搭載している近接防御、対空用の機関砲。 ZPU-4対空砲をそのまま小型化したようなもので、特徴らしい特徴はない。 強いてあげるならこれまでの25mm四連装機関砲より素早く細かく動く。 #廃棄物日誌

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装着式12.7cm連装高角砲 赤城にはない、蒼龍のみの装備。 名前の通り連装高角砲（実際は対戦車攻撃も可能な高射砲）。 深海棲艦独特の速射技術が使われており、矢継き早に発射可能。 #廃棄物日誌

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ワンダー級潜水戦艦三番艦「ムサシ・ワンダーMark.II」。 生体融合戦艦として甦った武蔵の模倣型だ。 極秘(提督が知らないだけ)で建造され、現在「褌作戦」の場所まで艦娘を護送している。 #廃棄物日誌

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「ただの護送任務なのに何でまた戦闘してんのよアンタたちは！」 ナガトと同じ中央デッキのモニターに向かって怒鳴る叢雲。 通信相手はナガトの艦長であり、佐世保鎮守府13031の提督である詩藤志津江だ。 #廃棄物日誌

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「コピーモデルでアンタ達を動かしてるけど、すぐにガタが来るわ。そうね、二週間動けばいいかしら」 «この感じじゃ暫くは戻れないわ。コピーモデルでどうにか頑張って» それだけ言うと提督からの通信が途切れた。 戦闘用ECMによるものだ。 #廃棄物日誌

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「全く…とにかく、コピーモデルは第三次に投入するからどうにかして残りの戦力で戦うしかないわよ。分かったわね、アンタ達！」 振り向いてコピーモデルに言うが、まるで聞いていなかった。 頭を抱える叢雲。 #廃棄物日誌

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「ノーザンプトン」「どうしたっス？エンタープライズ」 「ネ級が、ボルチモアが出るって聞いた」 「うーん、ボルチモアはクールそうに見えて熱血なのでちょっと困るんスよね。まあノースカロライナが一緒にいるし、問題はないと思いたいっスね」 #廃棄物日誌

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「困る？」「戦況が見えなくなってしまうというか、なんというか。鈴谷や高雄を適当にぶち込んで作ったとか不穏な単語を聞くから一層不安なんスけどね」 「そろそろ、できるといいね。重巡棲姫」「水雷戦隊総旗艦なんて肩書き外したいから、ホント産まれて欲しいっス」 #廃棄物日誌

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「ボルチモアは、総旗艦の役目を果たせないの？」「難しいところっスね。残念だけど指揮官に必要なのは熱血ではないっス。部下に信用される実力と人格、それと時に冷酷ともいえる命令を出せる勇気っス」 ≪ノースカロライナです。ノーザンプトン、そちらの様子は？≫ #廃棄物日誌