清水真木『忘れられた哲学者』読書メモ集

清水真木『忘れられた哲学者――土田杏村と文化への問い』(中公新書、2013)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

清水真木『忘れられた哲学者』読了。60を超える本を出版し、自由大学運動を牽引した京都学派のひとり土田杏村の忘却された本髄を探る。超訳すると、現象学の力を借りつつカントの人格概念を翻訳したような文化概念で共同体版モナドロジーやりましたって感じだろうか。ちなみに、清水幾太郎の孫ネ。

2015-08-02 15:42:20
荒木優太 @arishima_takeo

文化主義という言葉は大正七年、桑木厳翼によって発明されたそうだ。あと、文化主義論争の文脈で、森本厚吉、吉野作造と共に有島武郎が「文化生活研究」を設立し、雑誌『文化生活』を刊行させてたことも、へぇー。そういや、そんなような評論あったな。

2015-08-02 15:45:17
荒木優太 @arishima_takeo

土田杏村は大のディルタイ好きだったようだが、清水真木の説明だとフッサール、カント、ライプニッツに依っていて、具体的受容は詳らかではない。ただ、きっと専門的な論文があるのだろうから、そっちを参照すりゃいいのだろうけど。

2015-08-02 15:46:50
荒木優太 @arishima_takeo

「マルクスの時代には、ヘーゲルに『精神現象学』という著作があること自体、あまり知られていなかった。まして、これを実際に手にとる者など、ほとんどいなかった」(清水真木『忘れられた哲学者』)。へぇー。それ依然は『歴史哲学』が主著と見なされていたそうだ。へぇー。

2015-08-02 15:48:59
荒木優太 @arishima_takeo

土田杏村も在野研究者、西田幾多郎曰く「街頭の思索者」なので、いつか在野研究のススメで取り上げます。それにしても、杏村全集(全15巻)は実質的には選集で、主著の『象徴の哲学』とか入ってないそうだ。資料集めがメンドそうな対象である。

2015-08-02 15:51:19
荒木優太 @arishima_takeo

あと、杏村がプラグマティズムを輸入した田中王堂(田中喜一)の弟子ってのも、ポイント高い。清水は杏村流「理想主義」にプラグマティズムを見出すが、これって杏村自身が明言してることなんだろうか? というか、杏村のプラグマティズム論とかないんだろうか?? 今度調べる。

2015-08-02 15:53:37