黄昏町(柊)十一日目

投稿日の前日に引いた診断で書いてます。 初日/一日目→http://togetter.com/li/849906 前日/十日目→http://togetter.com/li/856724 翌日/十二日目→http://togetter.com/li/857714
0
@hiiragi_r_t_d

【十一日目】 [ハンドアウト]気が付くと君は、取り壊し中の家の中。壁をえぐったショベルカーが、項垂れたまま錆び付いている。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547#黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552 #hollytk

2015-08-05 16:50:16
@hiiragi_r_t_d

目を開く。赤い空。白い壁。目の前にはショベルカーのバケット。 このままでは潰される……心配は無さそうだ。 ショベルカーは錆び付き、そのアームには朝顔のツルが巻き付いていた。 01 #hollytk

2015-08-05 16:51:22
@hiiragi_r_t_d

頭が、身体が重い。 「うう………む………」 壁に手をついて立ち上がると、古びた土壁は砕け、私は地面に真っ逆さまに落ちていった。 02 #hollytk

2015-08-05 16:52:13
@hiiragi_r_t_d

ガゴン! 「痛った……くない…」 頭からコンクリートの地面に叩きつけられたのだ。本来ならば私の頭は西瓜か水風船のように破裂して、また別の場所で蘇るはずだ。 恐る恐る頭を触ってみると、髪が硬化していた。 03 #hollytk

2015-08-05 16:53:07
@hiiragi_r_t_d

いや、髪だけではない。爪先から髪の毛の先端に至るまで、私の身体は大理石のような質感と光沢を帯びていた。 石像が服を纏っているようで滑稽だ。 「重い、わけだ……」 言葉を発するだけでもとてつもなく疲労する。これは厄介な異形だ…… 04 #hollytk

2015-08-05 16:54:15
@hiiragi_r_t_d

それからしばらく、私はこの異形を解除できないものかと奮闘していた。 しかしにっちもさっちもいかないまま、疲れ果ててしまっていた。 「はぁ…………」 この異形はそれなりに強そうだが、これでは移動もままならない。 05 #hollytk

2015-08-05 16:55:10
@hiiragi_r_t_d

今後の方針を考えるべく、私はショベルカーのエンジン部分に座った。膝の上に肘を立て、顎を預ける。 あの有名な像のポーズを真似てみたのだが、これがなかなかしっくりくる。 もういっそ、このまま誰かがここに来るまでじっとしていようか……… 06 #hollytk

2015-08-05 16:56:11
@hiiragi_r_t_d

「可哀想」 む?誰かが私に話しかけている。こんなに早く来てくれるとは予想外だ。 「どうも、こんに…」 ゴリゴリと音を立てながら頭を上げた私は、相手を見て凍りついた。 「それ」は白い面だった。 07 #hollytk

2015-08-05 16:57:34
@hiiragi_r_t_d

純白。夕焼けに染められてなお白い。 真円の面が私の眼前に浮かんでいた。 それ以外はぼやけてしまい、はっきりと認識する事が出来ない。面以外の部分に焦点を合わせる事が出来ないのだ。 「……えっ?」 なんだこれは。頭が疑問符で埋まる。なんだこれは。なんだこれは。 08 #hollytk

2015-08-05 16:58:26
@hiiragi_r_t_d

「……可哀想」 「それ」はもう一度同じ事を言うと、動いた。 立ち上がったとも浮き上がったとも取れる、謎の動き。 白い面がふわりと浮き上がると、その下に伸びる「何か」が私に向かってスルスルと近寄ってきた。 09 #hollytk

2015-08-05 16:59:22
@hiiragi_r_t_d

「……………!………!」 声が出ない。身体も微動だにしない。 目を逸らすことも閉じることも出来ない。白い面だけを目が追う。 恐怖する事すら出来ないという恐怖の中、「それ」の一部は私の顔に触れた。 そのまま頭の中に染み込んでいく。 10 #hollytk

2015-08-05 17:00:44
@hiiragi_r_t_d

「それ」が脳に触れた瞬間、いくつかのイメージが流れ込む。 夜の黄昏町……光るもの………… そのイメージを読み取られる事を嫌ったのだろう。「それ」はスルリと腕?を引き抜くと、 11 #hollytk

2015-08-05 17:01:31
@hiiragi_r_t_d

次の瞬間、 面も「それ」も、 幻のように消え去った。 12 #hollytk

2015-08-05 17:02:11
@hiiragi_r_t_d

「…………な、んだあれ………」 長時間瞬きを許されなかった両目から涙が溢れる。 全身から力が抜け、私はショベルカーのエンジンの上に仰向けに倒れ込んだ。 13 #hollytk

2015-08-05 17:03:09
@hiiragi_r_t_d

未知との遭遇? ファーストコンタクト? 啓示? 一体あれは…………? 「あ…………身体」 私の身体は石の光沢を失い、肉の塊に戻っていた。 14 #hollytk

2015-08-05 17:04:33
@hiiragi_r_t_d

私は左手を構える。一瞬にして左手の肘から先が硬化し、一本の剣のようになった。 「おおっ」 異形を失ったのではなく、肉の身体と石の身体を自由に使い分ける事が出来るようだ。 15 #hollytk

2015-08-05 17:05:04
@hiiragi_r_t_d

左手を元に戻し、右手を石に変化させる。 変化させたまま口をパクパクと蠢かせると、鮮やかなピンクと大理石の光沢のコントラストがとても気持ち悪い。 どうやら口の中を石に変えることは出来ないようだ。 16 #hollytk

2015-08-05 17:06:12
@hiiragi_r_t_d

「便利だな、これは」 引っこ抜いた髪の毛を硬化させながら呟く。遠隔操作・ながら操作もお手の物。 あえて弱点を上げるなら、一部を硬化させるとそこから先は全て硬化するところだろうか。 どんなものであれ過信は禁物だ。念のため塩酸にも注意しよう。 17 #hollytk

2015-08-05 17:07:14
@hiiragi_r_t_d

夜を迎える段になって私はこの異形の更なる利点に気がついた。 全身を石化させれば、どんな場所でも安心して眠ることが出来るのだ。 18 #hollytk

2015-08-05 17:08:09
@hiiragi_r_t_d

先程も言ったが過信は禁物だ。 しかし寝る時くらいは、この異形に命を預けてみよう。 19 #hollytk

2015-08-05 17:09:27
@hiiragi_r_t_d

──────── 【十一日目】 【生存】 【特になし(魂±0)】 【魂9/力5/探索3】 【異形】複口(力+2、探索+1)、長指(力+1、探索+2)、鱗(水耐性、力+1)、石肌(火耐性、力+1) 20 #hollytk

2015-08-05 17:17:43
@hiiragi_r_t_d

[町]「可哀想」真っ白な面をつけた何かが、首を真横に傾けて君の目の前にいる。どうしても目が離せない。「可哀想に」《魂16以上で死亡【魂が半分になる/端数は切り上げ(17なら9)】、魂5以下【魂+3】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk

2015-08-05 17:11:08
@hiiragi_r_t_d

【既にお気づきの方もおられるでしょうが、 #hollytk タグを付けるために診断の文章を多少変更していることがあります。ご了承ください。】【捏造している訳ではない】

2015-08-05 17:12:33