すてきなイラストありがとうございました
@TDItheod д◎)Σ 朝から清霜さんEROいですよ!! #描かせていただきました #ごめんなさい pic.twitter.com/3i4ZGuLwfv
2015-08-07 07:01:0720150807
「清霜」 執務机の真正面で頬を押し付けている少女の名を呼び、万年筆の尻でその額を小突いてやる。 「ふみゃっ」 「眠いか」 「そりゃ眠……眠いですよぉ」 飛び上がったと思えば、またへろへろと顎から机に墜落する。 「司令官は眠くないの」 「眠いよ。すごく」 目頭を押さえて言う。
2015-08-07 04:49:49「えー、じゃあ寝ようよ」 「いや、書類終わらせたいしな……大和たちが戻ってくるまでは起きてるよ」 清霜の眼の色が変わる。 「そうなの? 大和さんが頑張ってるなら清霜だって頑張らなきゃ」 「お前は寝ててもいいんだぞ」 「起きてるもん。お迎えに行かなきゃ」 両手で頬杖を突く清霜。
2015-08-07 04:50:33「起こしてやってもいいんだぞ?」 薄ら笑いを浮かべてみると、少女はぷい、と他所を向いた。 「起きてるもん」 「強情だなあ」 「司令官が居眠りしないか見張っててあげるって言ってるの!」 清霜は頬を赤くする。 「ほうほう」 「だ、だって司令官寝ちゃったらお迎え行く人居ないし」
2015-08-07 04:51:01ところで大和たちは何時帰ってくるだろうか。無線封鎖しているし。 「そう……そうだよ。どんな時間でも活動できて一人前、立派な戦艦なんだから」 「まだ諦めてなかったのか」 「まだって何よ!」 再び飛び上がる清霜。 「なるもん! 戦艦なるもん!」 机の向こうから身を乗り出してくる。
2015-08-07 04:51:39「そうか、じゃあ余計に寝なきゃダメだ」 「どうして」 「寝る子は育つって言うしな。戦艦になるにはまず、あの艤装を付けられるくらい成長しないことには――」 言うと、清霜は一瞬考えるような仕草をして、にやり。良からぬことを考えている顔になった。 「でもそれって、司令官的には――」
2015-08-07 04:53:03「――あんまり嬉しくないんじゃないの?」 犬歯を覗かせる口元が目の前にある。 「どうしてそう思う」 「だって司令官、私の身体触ったりするじゃん。ロリコンってやつなんでしょ?」 誰だそんな言葉を教えた奴は。明石か。明石だな。 「……違うよ」 「じゃあどうして触ったりするの?」
2015-08-07 04:53:41書類に署名しようとする手を清霜が掴んでくる。 「ねえねえ、どうしてなの司令官。教えてよ。ロリコンだから? 私がちっちゃいから? ねえねえねえ」 ロリコンのことを「小さい子が好き」程度にしか思っていないらしいが、連呼するような言葉ではない。 「そうだな……清霜は可愛いからな」
2015-08-07 04:54:18「えっ」 ニヤけ面が硬直し、清霜の細い指が跳ねた。 「ああ、可愛い。あと怒らない」 万年筆を置く。 「逆に聞きたいな。普通触られたら怒るもんだろうに」 「そ、れは。その」 「そのくせ「お姉さまには内緒」とか」 手をわちゃくちゃと振ったり、目が泳ぎまくったり、忙しい奴だ。
2015-08-07 04:55:01「それは……」 清霜は触られた場所――具体的には肩とか胸とかの辺りを庇うように手を這わせて、真っ赤な顔で言う。 「その、いけないことだって、解ってるけど……」 でも、と口にして、身を乗り出してくる。そして、 「嫌、じゃないんですっ。司令官に触られるの、嫌じゃないの」
2015-08-07 04:55:40「嫌じゃない、かぁ」 「なっ、なんなのよ、司令官」 「好き、って言って欲しかったな」 途端に、がたん、と椅子をひっくり返して、清霜は艦船の常識を覆す速度で背中を壁に打ち付けるまで後退する。 「すっ」 「好き」 「すすすすす」 ボイラーから蒸気が抜けるような音を立て始めた。
2015-08-07 04:56:20「……好き?」 次に発火しそうな清霜の表情をはっきりと拝めたのは、打って変わっての超微速前進を暫く眺めた後だった。 「清霜のこと?」 「好きでない子の胸触ったりは、普通しない」 いや、普通は好きでも触っちゃ駄目だろう。 「好き」 「そうだよ」 「大和さんじゃなくて、清霜が?」
2015-08-07 04:57:08「誰も彼もが戦艦に憧れてるわけじゃないぞ」 「……好き」 どうも聞こえていないようだ。 「清霜はどうなんだ」 「……好き」 はっと顔を上げて、清霜は言う。 「好き」 言ってから、笑った。 「好き、なのかも。司令官のこと好きなのかも。だって、だって!」 「だって、何だ」
2015-08-07 04:57:49「嫌だったら、一緒にいたいなんて思わないから!」 「逆説論かぁ」 聞こえていなかったようで、清霜はとびっきりの笑顔を弾けさせると机上の書類を何枚か散らしながら膝の上に飛び込んでくる。 「でしょ、司令官」 膝の上に座り、頭を胸元に埋めて悦に入る清霜の淡い青をした髪を撫でる。
2015-08-07 04:58:32「ふふん」 清霜が鼻を鳴らす。 「どうした」 「司令官に撫でられるの――好きだよっ」 後頭部を擦り付けてきた。 「なんか、やっと飼い猫に懐かれてきたって感じだな」 「あー司令官そういうこと言っちゃうんだ。清霜は猫じゃないよ」 頬を膨らませた清霜が振り返って、見る。そして、
2015-08-07 04:59:09「ほらっ」 小さな手が肩を掴み、引き寄せ、体重を圧し掛けて、最後に冷たいような、生温かいような柔らかさが唇を押した。 「猫はキス、しないでしょ?」 ふふ、と清霜は得意気に笑う。 「さあ。案外するかもしれないぞ」 「それなら――」 囁く息遣いが鼻の頭を擽る。そして、もう一度。
2015-08-07 04:59:35「――こんなに、長くはっ」 ようやく離れた清霜の息は荒く。紅潮した顔が、灰色をした瞳が胸の上から見上げてくる。 「しないでしょ。キス」 「……そうだな」 肩を撫で、背中に手を回して抱き寄せる。胸に鼻先を埋めた清霜は、すう、と深く息を吸い込んだ。 「えっへへ、司令官あったかい」
2015-08-07 05:00:13「まあ、生きてるからな」 「でも大和さんよりは硬いかも。それで、手は大和さんよりもおっきくて……」 などと悦に浸っている。他の女の話ばかり…… 「あー、大和に妬けるなぁ。俺も戦艦になろうかな」 「えっ戦艦? ついに戦艦になる? 司令官も一緒に戦艦になる?」 膝上で跳ねる清霜。
2015-08-07 05:00:40「暴れるなよ」 「戦艦、戦艦。うん、やっぱりいい響き」 大きな二房の髪を上機嫌に揺らしながら、清霜はうんうんと頷く。 「ああ。そうだな」 「……ねえ、司令官」 急に少女の声音が低くなる。 「私ね、清霜……ね。頑張るから。もし戦艦がダメでも、戦艦くらいに頼れる艦になるからね」
2015-08-07 05:01:16清霜が首の後に手を回してくる。そして、顔に飛び付いた。唇が抉じ開けられ、歯と歯が擦れ合うほど、強く。 「……だから、私をもっと強くしてね。もっと信頼しててね。そしたら、絶対に。司令官のために、絶対に強くなるから」 少女の手の引く力が強くなり。彼女の身体を抱き寄せ、もう一度。
2015-08-07 05:01:55貪るように唇を擦り付けてくる。舌を押し込んでみると、喉の奥で呻いた清霜は驚いたような顔をした。舌が触れ合う感覚を避けたような動きを追いかけてみる。 「んぅ」 観念してか、にゅるり。舌先の感覚が舌の上を這う。 「……なんか、変」 「そうか」 「なんか、変な気持ちだよ、司令官」
2015-08-07 05:02:28