GC大戦EX・ライオネル襲撃2-⑥

天城リョウ＠webロボ小説家 @RyouAmagi

＃ライオネル襲撃 潜入していたライオネル領からエレン領に帰還したザックスは片足に傷を負っていた。 ライオネルに組した真意を探りにいったカッツェ当人と戦闘になったためだ。 （続）

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＃ライオネル襲撃 幸い骨は無事だが裂傷がひどい。虎と化したカッツェが深々と噛みついたまま こちらの攻撃を避けるため飛び去った時、鋭い牙が肉を切り裂いたのだ。 伴侶メイベルに包帯を巻かれ、自身も聖印の癒しの力を発動して回復に努める。 「久々の戦闘が条約の傭兵仲間になるとはな」 ⇒T

てるぼー@なんか書いてる @terubow_trpg

#ライオネル襲撃 ケイン「なんつーか、お前の姿を見た時の俺の心配を返せと言いたくなってきたぞ……」 大戦の頃は怪我など日常茶飯事だったが、話に行った相手と本気で戦闘するとは……と考え、自らの考えを戒める。 ケイン（平和ボケしてるんじゃないのか？俺。今は非常時だぞ？） （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「メイベルの言った通り、ライオネル軍の通るルートにある村への物資の支援は済ませてある。……一応聞くが、これもお前達二人が全額持つって言うんだろ？」 ため息をつきながら、それでも一応の確認はする。この二人ならば恐らく…… ⇒Z

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#ライオネル襲撃 頭を振って意識を変え、 ケイン「まぁ、お前ならその程度の怪我はすぐに治せるだろ？メイベルもいることだし。治療しながらでいいからこっちの報告を聞いてくれ」 そう言い、部下に纏めさせた資料を眺めつつ二人に話しかける。 （続）

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＃ライオネル襲撃 「ああ」 その金は大戦中、ザックスの持つ魔剣の副産物としてできた ナフサというよく燃える油を売って得たものだ。 「大分蓄えが減っちまうけど、いっそ清々しい。 　あまり胸を張れる手で稼いだ金じゃないからな。 　有意義なことにぱーっと使っちまうのが一番だ」 ⇒T

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#ライオネル襲撃 ケイン「だよな。んじゃ、その報告だ。ライオネル領の隣からうちの隣まで、外に向けて配る分はもう既に配り終えてきた。ライオネル軍がどう出るか分からないが、領民たちが困ることはまず無いだろう」 （続）

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#ライオネル襲撃 エレン「……私の領内の村には、避難させた先で渡してあります。せめてそれ位は私たちで、と思っていたのですが……」 ケイン「聞いたろ？もう言うだけ無駄だ、素直に領民たちに配ろう。実際、急に避難することになって少々ゴタついていたのは事実だしな」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「あと、戦場の選定も済ませておいた。ライオネル軍のルートからうちの村に通るまでに少し大きな平原がある。新たに土地を開発するのは後回しにしておいて良かった……尤も、こういう使い道を考えるとは思ってなかったがな。領主２人の軍勢なら問題ないだろう」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「こっちからの報告は以上だ。んで、そっちの首尾を聞きたいところだが……」 二人はザックスの足の傷を見て、 エレン「……やはり、カッツェ殿とは戦わなければいけないでしょうか？」 ⇒Z

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＃ライオネル襲撃 「おそらく……いや、間違いなく。 　彼女はまた俺達の前に立ち塞がる。 　俺も色々声をかけたけど、次合った時に 　『気が変わった。やっぱ戦うのやめよう』 　って言ってくるタイプじゃないだろうな」 （続）

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＃ライオネル襲撃 「態度で示せみたいなこと言われたしな。 　全力で戦いに応じないことには通じるもんも 　通じないだろう。だから俺はそうする。 　ライオネルより大分わかりやすくて助かるよ」 （続）

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＃ライオネル襲撃 「あと、彼女のことはライオネルとは別件と考えることにする。 　彼女の事情はライオネルとは違う。一緒にいるのはたまたま 　同じ時期に同じ相手を狙ったからだろう」 （続）

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＃ライオネル襲撃 「元々、俺の目指す道では 　彼女のような人から狙われるのは想定済みだ。 　なら今回みたいな状況じゃなくてもやることは一緒さ。 　いつ彼女の襲撃があってもいいように心構えをしつつ 　目の前の状況――今回はライオネルに対処するだけだ」 ⇒T

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#ライオネル襲撃 ケイン「そうか……まぁ、戦うしかないなら戦おう。ただ、多分ザックスはカッツェ殿を殺したくないんだろう？ただ倒せば良い、それだけのことだな」 そう言うと、ケインは何かを伝えたいかのように口を開き、閉じ。数回それを繰り返したところで、エレンが口を開く。 （続）

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#ライオネル襲撃 エレン「ねぇザックス。少し聞いて下さる？最近のケイン、妙に体を鍛えているんです」 ケイン「ちょ、お前……っ」 エレン「貴方に追いつきたいから、だそうですよ。ザックス。混沌を無くした世界を目指す貴方に」 ⇒Ｚ

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＃ライオネル襲撃 「追いつくために体を鍛えるって、多分戦う力の話じゃないよな。 　聖印のない世の中に備えてるのか？　…すまん、話が見えない。 　ケイン、何か気になってることがあるなら遠慮なく言ってくれ」 ⇒T

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#ライオネル襲撃 ケイン「くっそ、言いたいことを全部持って行きやがって！あぁそうだよ、その通りだよ！」 照れているのか赤い顔で叫んだ後、大きくため息をついてザックスの顔を見る。 ケイン「聖印を失って、ただの村人に戻るつもりだった。大戦も終わったし、村も守れたしな」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「でもな、お前の目指しているものを知って、俺じゃなきゃ出来ないことがあるかもしれないと思ったんだ。混沌の無い世の中なら、人は聖印を捨てて生きることが出来る。そのために、俺は聖印なんて無くても戦えるんだって言いたかった」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「『あんなもん、所詮は道具だろ？道具が無くても戦えるならそれでいいじゃねぇか』って言えるようになりたい、そう思ってる。……御旗を掲げているテオ様じゃねぇ、お前の横にいる俺が言ってやる。お前のやることは正しいんだってな」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「お前の事だから今回みたいな事があっても全く気にしないで前を向いてられると思う。だから、ホントにお節介なんだけど、さ……上に立って皇帝聖印を目指す偉い人じゃなくて、無邪気にそれを願うだけの弱い民じゃなくて、」 （続）

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#ライオネル襲撃 ケイン「俺が、お前の横で戦えるようになってお前の傍に居る。お前の目指すものに説得力を与えてやる。今はまだ目指しているだけだけど……それでも。そう思っていることだけは、知ってくれ、ザックス」 ⇒Z

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＃ライオネル襲撃 「ケイン、お前すげぇよ」 ザックスは感嘆の溜息をついた。 「俺に追いつくどころか、追い越しちまってる。 　俺の方が置いてかれないようにがんばんないと」 その声は心なしか興奮しているようだった。 （続）

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＃ライオネル襲撃 「そう、そうなんだよ。 　混沌が消えた世界でどう生きていくかって 　その具体例を人々に示さなくっちゃいけないんだ。 　俺の目指す道のためにはそれがぜひとも必要なんだ。 　なのに俺は自分じゃそのことに気づけなかった。 　カッツェにも呆れられたところさ」 （続）

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＃ライオネル襲撃 「それをお前が見出してくれた。 　お前がいなかったらずっとそのことに気づけず 　俺の道は夢物語で終わってたかも知れない。 　お前がいてくれて助かった。俺にはお前が必要だ。 　ありがとう、ケイン。これからも俺を支えてくれ」 ⇒T